神はなぜ病気を作ったのに治す薬は作らなかったのか
神は、なぜ病気を作ったのだろう。
病気は、人の身体を蝕むだけではない。
心を傷つけ、夢を奪い、時には人生そのものを変えてしまう。
苦しむのは病気になった本人だけではない。
家族も、友人も、大切な人も、その痛みを見て何もできない無力さに苦しむ。
もちろん、治る病気もある。
医学は進歩し、昔なら助からなかった命が救われるようになった。
それでも、この世界には、いまだ治療法のない病気がある。
薬で症状を抑えられても、完治はできない病気がある。
どれだけ願っても、どれだけ祈っても、元の身体には戻れない人がいる。
神は、なぜ病気を治すすべまで与えてくれなかったのだろう。
もし神がいるのなら。
人が苦しみ、涙を流し、愛する人を失っていく姿を見て、何を思うのだろう。
人は、いつか必ず死ぬ。
その理由は病気ではないかもしれない。
事故かもしれないし、老いかもしれない。
けれど、長く生きれば生きるほど、病気とは無縁ではいられない。
健康でいられることの方が、実は奇跡なのかもしれない。
神は、なぜ病気を治す薬を作らなかったのか。
その答えを、私は知らない。
人口が増えすぎないようにするためだったのかもしれない。
命には限りがあることを、人に教えるためだったのかもしれない。
健康でいられる今日が、決して当たり前ではないことを伝えるためだったのかもしれない。
あるいは、私たちには理解できない理由があるのかもしれない。
だから私は、答えを出すことはできない。
ただ一つだけ、願うことがある。
いつの日か、この世界から「治らない病気」がなくなってほしい。
どんな病気にも治療法があり、誰もが希望を持てる未来が来てほしい。
その日が来るまで、人は祈り、研究し、支え合いながら生きていく。
神が薬を作らなかったのなら、それを作る役目は、人間に託されたのかもしれない。
そう思えたとき、この終わりの見えない苦しみにも、ほんの少しだけ意味を見いだせる気がする。




