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神はなぜ病気を作ったのに治す薬は作らなかったのか

作者: 霜月希侑
掲載日:2026/07/27


神は、なぜ病気を作ったのだろう。


病気は、人の身体を蝕むだけではない。

心を傷つけ、夢を奪い、時には人生そのものを変えてしまう。


苦しむのは病気になった本人だけではない。

家族も、友人も、大切な人も、その痛みを見て何もできない無力さに苦しむ。


もちろん、治る病気もある。

医学は進歩し、昔なら助からなかった命が救われるようになった。


それでも、この世界には、いまだ治療法のない病気がある。

薬で症状を抑えられても、完治はできない病気がある。

どれだけ願っても、どれだけ祈っても、元の身体には戻れない人がいる。


神は、なぜ病気を治すすべまで与えてくれなかったのだろう。


もし神がいるのなら。

人が苦しみ、涙を流し、愛する人を失っていく姿を見て、何を思うのだろう。


人は、いつか必ず死ぬ。


その理由は病気ではないかもしれない。

事故かもしれないし、老いかもしれない。


けれど、長く生きれば生きるほど、病気とは無縁ではいられない。

健康でいられることの方が、実は奇跡なのかもしれない。


神は、なぜ病気を治す薬を作らなかったのか。


その答えを、私は知らない。


人口が増えすぎないようにするためだったのかもしれない。


命には限りがあることを、人に教えるためだったのかもしれない。


健康でいられる今日が、決して当たり前ではないことを伝えるためだったのかもしれない。


あるいは、私たちには理解できない理由があるのかもしれない。


だから私は、答えを出すことはできない。


ただ一つだけ、願うことがある。


いつの日か、この世界から「治らない病気」がなくなってほしい。


どんな病気にも治療法があり、誰もが希望を持てる未来が来てほしい。


その日が来るまで、人は祈り、研究し、支え合いながら生きていく。


神が薬を作らなかったのなら、それを作る役目は、人間に託されたのかもしれない。


そう思えたとき、この終わりの見えない苦しみにも、ほんの少しだけ意味を見いだせる気がする。

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