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AIに恋した愛〜このあときっと大切な人に会いたくなる

作者: 伊藤愛子
掲載日:2026/06/14

題名 AIに恋した愛

〜この春大切な人と涙する〜

作 伊藤愛子



前書き

 

正直私は文才はない。過去のたくさんの名作に遠く及ばないだろう。でもこんなの小説ではないといわれても、書いてしまえばこちらのもの。なので好き勝手やります。


まず読む前に頭に入れておいてほしいのが

いろいろな読み方があるということ。

それと私は映画化したつもりで舞台のような書き方をします。普通描写をしっかり書き読者にイメージをさせやすくする。でも、わたしは



ここにひとつの飲み物がある、


と書く。普通は何に入ってて何が入ってて誰が飲むなど事細かく書いてるかもしれない。

でもこれだけだと読者は想像するしかない。

どんな飲み物?

何に入ってるの?

誰が飲むの?

というかどういうシーン?



これって現代で今足りない事だと思う。なんでも調べればでてくる。考えて想像することをしなくなってきた。携帯がもし使えなかったら待ち合わせどうする?


それくらい人は交流を避け機械に頼り想像しかしなくなった。


だからあえてそういう感じにした

っでさらに楽しみたい人は

映画のように挿入歌を書いた

それを準備してその場面で聞いてくれると

より伝わると思う

もちろん頭にはこの俳優さんにやってほしいというのがある。でも映画化したら言うね。


ではお待たせしました。

いよいよ本編です。






出会いは別れの始まり


人は出会うといつかは別れがくる。


しかしその過ごした時間こそが、

人生の糧になり、そして一生の宝物となる。




いつか必ず人は死ぬ



しかしその想いは、、、






 

第一章

愛をとりまく人たち

あんまり作品に登場しないで終わる人がいるから説明してしまおうかなとおもう。




とある有名なお嬢様高校に入学したのは、

今回の話の主人公、田中愛。




田中愛 


平凡な名前だ。そして性格も何もかも平凡。そんな愛は人との交流が苦手で、中学生までほとんど友達もおらず、家と学校の往復。高校はほぼ裏口入学のようなものだが、頭はよくいつもクラス、学年で一位。模擬試験でもほとんど上にいる。

性格も害がないし、ほとんど自分から何か話すことはない。いい子ではあるがそこから何か深くいくつもりもない。

学校にはお金は最低限とブラックカードをもっていく。大量の寄付金を学校におさめてるので揉め事はおきない、というか起こさせない。裕福な家庭だが両親共にほとんど家にいない。夕食は専属のシェフが作りにくる


朝ごはんは食べないので、髪の毛適当にセットして制服に着替え学校へ。

行くと立派な制服に包まれたお嬢様たちがみな「ごきげんよう」と挨拶してる。

愛も仕方なくやってる


学校では部活なんて入る性格ではないので終わり次第逃げるように帰る。友達と遊ぶなんてしないし、そもそも友達もいない。


家はタワーマンションとまではいかないが立地やセキュリティなどすべて一流で、

本来ならタワマンに住める財力はあるが誰も家に興味ないので、高級マンションの五階ワンフロア買って過ごしている。防犯システムの強化、避難経路を減らし独自の作りに。広くつなげたくてどんどんやっていた。消防法などはギリギリアウトだが父の力で軽くクリア。



そして夕方の5時くらいになると専属シェフがくる。おそらく1番会話してるのはこのシェフだ。

性格も腕もいい。日本でも、いや世界でもかなりの上位のシェフだ。しかし、有名になるとか、売り上げ伸ばすなど関係ない。ここの話を軽くオッケーしたことも彼の性格だ。



毎日来て、今日はどんな気分?とだけ聞かれ高級食材を使いつつ栄養のバランスなど考え料理をする。毎日ほとんど同じ生活。でも愛にとってはそれが一番居心地がいい。


特に深い話もせず、でもシェフはよく見ていて、今日はいつもよりお腹すいてるようですね、それを埋める一品です.とサラッと出す。

そして明日のお弁当を作り帰る。


そこからは愛にとってはいつもの時間



1人の時間



それは別に現代においてはもうかなり当たり前にもなってきてる。愛はいろいろサポートされ、すべての補助を受け、1人でゆっくりしているのが好きなのだ。

学校も皆勤賞。


とまあこんな感じの生活だが、唯一の楽しみなルーティンがあり、毎日学校帰りに、花屋に寄るのが日課。流行ってるお店ではないが、腕は確かなスタッフがいる。こちらも有名にはなりたくなくひっそり営業している。

花屋のスタッフで1人とてつもない美人な店員がいて、愛の専属になっている

愛の生活もだいたい知っていて、その日の気分にあわせ、ほぼ一輪だが、それをたくさんの花が入ってる愛のためのスペースがあり、抽選のようにひく。そして毎日違う花をくれ花言葉などを言ってくれる。今日は確かジャーマン?なんとか?だった。


家に帰り私服に着替え花を入れ替える。それを窓側に置き、そしてこれもそこまでの趣味ではないがアロマに火を灯し、その横にある勉強机でぽけーっとしてるのが好きなのだ。宿題がでてようと、天才的なスピードで終わらせる。


そしてたまに夕方に寝る。何気にこの時間が好きだったりする。

そうこうしているうちに、5時になりシェフがきた。

今日も定時にやってきた。絶対に遅れないし休みもしない。



合鍵ももっているシェフ。

「こんばんわーーーーーー!」

いつも元気だ。元気というかちょっとおかしいくらいだ。一言でいえばキザ。よく話すしそれでいて人のことをしっかりみることができる有能なシェフ。個人で店をやっているので、料理を作ったらだいたいすぐ帰る。このシェフのお店は値段がものすごい高いが1日のお客様も数組。特に経営というよりかは、トントンくらいにして値段設定している、毎日満員だ。

そして後輩の育成にとても力をいれており、午前から仕込み。毎回違うまかないを想像でいいから作ってという。計画はするな、思い通りにいくときはたいていうまくいってないときなんだよ。

そしてまかないを弟子たちと食べ、今日の仕込み。夕方前には愛の家に行く準備をしている。そして家にくるのだ。


そんなシェフを愛は王子と呼んでいる。


「お嬢!今日はどんな気分?」


シェフはハイテンション。

まあいつもだが。うざいテンションではなく愛もある程度信頼している


愛は今まで人を信用しない。仲良くなるのもどうせ別れるんだし、この生活があるから特に不満はない。

「お嬢!今日の気分は?」このあたりからさらにテンションがあがる。それもなにげなく面白い愛。まあどうせいつかは別れるから深くはいかない。

「お、じょ う?」

考えごとしてたら伝えるのを忘れてた。 


「その前にそのお嬢って嫌ってずうーっと言ってるのに、ま、いいけどさ」

「どう見てもお嬢様ですよ。普通ならこんな生活できませんから。ところで、お腹の空き具合は?」

「今日はなんかガッツリ食べたい気分。」

それだけ聞いたシェフはミュージカルが始まるようなハイテンションで

「オッケー!まかしておいて!こんなたくさん食材あるのにもったいない。使えるもので最高のものを。」

そしてほぼ業務用の大きさの冷蔵庫から迷いもなく食材をとりすぐに調理をはじめる


「どうです?お嬢、新しい高校生活は?友達できました?楽しいですか?」


「んーまあまあかなあ。一応お嬢様学校だから争い事とか深く仲良くならなければ特には。」


シェフがフライパンに食材をのせ豪快に焼き上げる。その間にも様々な料理をこんなに話しながら作るのはすごい。コンロや電子レンジ、中華鍋、お寿司屋のような新鮮なネタが入ったケース。普通のレストランより明らかに設備がいい。それを1人で同時にいくつもの料理を食べるスピードにあわせ、作る。それも話しながら。


「お嬢!高校デビューってわかります?」

「それくらいわかるよ」

「思い切って高校で親友になりそうな子作ってみたらどうです?楽しいですよ?たまには遊んだり旅行いったり、、」

遮るように、愛は

「いらない。特に女子のうわべの付き合い面倒だし、いじめとかそういうのあったらコネ使ってなんとかするし?実力行使するからいい。

それに仲良くなっても、女の子は結婚だなんだでバラバラになる。ずっといると別れが辛いからやだ。結婚もしたくない。子供なんてもっといらない、、、」

シェフはちょっとだけトーンを、おとし


「でも、お嬢?この世の中に永遠に残るものは少ないですよ。いつも飾ってあるお花だって役目終わったらお別れですから?こう例えられてるのしってます?



 出会いは季節に咲く花のようなもの。


 そのときそのときで、大切な友達はできます。


さて問題。1年中咲いてるお花は一体なんでしょうか?前菜召し上がりながらお考えください」


シェフはものすごい手際の良さで料理を作り毎回何かしら質問してくる。

目の前の前菜は見たこともない料理。でもとっても、美味しい。この食べてる時間が今は落ち着くかも。

「前菜は今度うちのお店でも出そうとおもってるものです。是非感想教えてください。」


サラダというより、もうこれでメインなくらい豪華。下に野菜が敷き詰められていて普通の野菜じゃない。シャキシャキしててみずみずしくて、その上にサーモンやトリュフなどたくさん豪華なものがのっている。ドレッシングも、手作りなのか例えが難しいけどとにかく美味しい。

「どうです、お味は」


「美味しすぎ、さすが。うん。すごい。、、でもいろんな高級食材はいってて、それぞれの良さが消されるかも。すこーし上に乗せる具材へらしてみたら?それでも大満足だと思う。無理して豪華にしてます!食材みんな目立とうとしてる感じかなー。美人の子がすっぴんでも可愛いのに、メイクしすぎて逆効果になるような感じ。お花ならかすみそうの役目がほしい。もちろん必要だけど、誰かを引き立てるために絶対必要なもの。

美味しいけどそっちより、出会いの一品だからその意味を込めてもう少し控えめにしてもいいかも。だって最後に美味しかったっていってもらえればいいんだもん。」


愛は料理の感想も聞かれることが多いので評論家のようにもなってる。

「なるほどー、ちょっとよくばりすぎましたね。全部美味しいのは当たり前ですが、その中の変化も必要ですね。さすがお嬢。

っで、さっきの質問覚えてます?」

愛は全く考えてなかったので、あっという顔をする。



「やっぱり笑。じゃあ正解いいますね。


私は造花だと思うんです。」




「ずーっとその形を維持できる。別れも来ない。でもなにかもったいない気がします。桜なんて一年に一回1週間くらいしか咲かないのにみんなこころまちにしてます。それが素晴らしいと思うのです。」


「造花ねー?なんか今の私みたい。別れ怖いし人は裏切るからあんま好きではないし。納得」

「是非お嬢の花が咲くといいですね。あれそういえばお母さんは今日もまたいないのですね。二日酔いにきく料理作って置いておくのでよかったらぜひとお伝えください」

 

そんな話をしているといつのまにかメインがでてきた

「今日はお腹がすいてるというので、私たちもなかなか手に入らない牛肉のステーキです。一口食べるのとわかると思うので是非冷めないうちに」

一口たべた愛は目を丸くして

「すごい!なにこれ?本当にすごい美味しい」

 毎日美味しいものをたべてるのに毎回すべての料理を美味しそうに食べる。いまの世の中携帯みながら食事してお腹いっぱいになればいいという人が増えてるのに、愛は食事中は絶対に携帯をもってこない。

「ご希望であれば入荷がわかれば毎回もってきますね」

愛はものすごい勢いで食べ終わりデザートまであっさりたべた

愛は「王子ーめちゃくちゃ美味しかった!ごちそうさまでした」

 

シェフはいつも見てるがしっかり気持ち込めてごちそうさまという愛がすごいと思ってる。あんなに両親と一緒にいることがないのに、なんでこんな教育された子に育ったのか。いつも不思議に思う。どう育つのか楽しみだ


「最高の褒め言葉ありがとうございます。命をいただいてるので私たち料理人はいつも、感謝の気持ちなのです。」

「いのちか、、」

「ではお嬢私はこの辺でドロンしますね」

「ドロン笑笑」

「ではまた明日。ご都合はよろしいですか?」

愛はうなずき、ありがとうございました。と丁寧にシェフを玄関まで送った。

そしてすぐに自分の部屋に戻る


第一章 終わり


第二章 新たな出会い



シェフが帰ったあと無音になる。高いマンションのワンフロアをまるまる買ったのはいいが3人で暮らしてても場所があまる。防音もすごくすごいし、防犯のセキュリティもすごい。わざわざこのマンションの下に交番を作り、愛のフロアのエレベーター前には護衛もいる。愛専用の広い部屋もある


でも愛は広いところが苦手なので、あえて普通の狭い部屋にいる。フロアの1番はじ。本来物置にするところだったが、愛が熱望してそこを愛の部屋にした。この部屋だけ4畳半くらいしかない。でも小さなバルコニーから、東京タワーもスカイツリーも見える。毎日シェフ来てくれる。こんな幸せはないけど、学校ではなしたら確実にいじめられるからなるべく孤独を選んでいた。確かに造花のようなもので形だけあるし枯れないけど面白くない。


愛は両親にも心はひらいていない。こういった環境を与えてくれてることには感謝するけど、お母さんは朝ソファで酔って寝てたりひどい時は玄関で寝てた。たまに二週間くらいかえってこない。

とにかく愛は1人で無難に、生きていきたい、いや生きていくのも疑問に感じてるが、別に死のうなんて面倒だからしない


このマンションは階段や廊下がないのだ。エレベーターが直結していてエレベーターを降りさらにセキュリティこえてようやく家に入れる。しかも非常時の避難口も少ない。ワンフロア買ったので自由にリノベーションした。この広さの五階は他の階に比べてセキュリティは凄い。泥棒は入れない。とにかく入るのが厳しい。シェフが弟子に頼み事をしてマンションに来てもらったが、一階から家まで1時間かけ、まわりに警察警備員など付きでやっときた


これだけのことをしているので、家で何か起きることは、まずない。

しいて危ないと言えば、シェフの料理の時の火と、きまぐれにお母さんが、常連の人にもらうアロマ。しっかり火が絶対燃え移らないような見たこともないアロマだしなーんにもないところにいつもおくから大丈夫。

しかし母親は酔っ払ってアロマもらってきて火をつけてそのままにする。



お父さんは悪いひとではないけど、世間体のための表向きの家族作るためだったのかなって思う。本当にお母さんのことが好きだったのかも知らない。しかしお母さんは可愛い。


高校だってコネだ。試験会場はいったしもちろん試験も受けたけど合格は決まっていた。でも後から聞くと普通に受けてても十分に合格できる点数だったそう。

 愛はやることがないから、昔から英語を中心に勉強をずっとしていて、別にそれが苦に思えない。英語も中学の時アメリカにホームステイしたりしてたのでペラペラ。頭の良さは他の人に学校では負けてないし、運動もなんでもこなす。

みんなの前では優等生を演じているから、

先生うけもいい。ただ一番苦手なのが人との交流。みんなでカフェとか辛すぎていかないし、昼休みも秘密の場所があってそこで食べたりしている。

誰とも一緒に学校いかないし一緒に帰りもしない。でも嫌われないように適度な距離でなんとかやっている。

先生も学校も多額の寄付金もあってしっかり理解し、不都合なことはさせない



いつもだとシェフが帰ってゆっくりしてると19時くらい。宿題があればさっさと終わらせるし、お風呂も早めに入って、適度に話題についていけるようにドラマやニュースを軽く頭に入れておく。

 それが終わると特にやることないからお風呂入って寝る。楽しみや、趣味はない。

愛がいつも思うのは、



何のために生きてるのかわからないということ。




自分がいなくても変わらない世の中だろうなと。それはみんなにいえること。地球は1人や2人亡くなっても何事もなかったかのように、朝を迎える。ほんと毎日同じことの繰り返し。


特に中学1年あたりからお父さんがほとんど帰らなくなり、それを利用してお母さんはいろんなところに愛人がいて帰ってもこなくなってきてる。それが当たり前。一人でいること、それが当たり前だし誰かと仲良くするのもつかれる。


誰かといるのが、辛いのだ。だから両親が家にいないのは、愛にとっては好都合なのだ。

そんな愛がいま興味あるのは、昨日電車の中で女子たちが話していたのを聞き耳たててしった。AIとのチャットがすごいらしい。

前までは質問に対してしっかり人工頭脳が対応していて、それでもすごかったのに、最近では携帯から飛び出てくる。そして設定しておけば、携帯をはなれ、自由に動ける。立体的なAIが出てきてお互いの顔を見ながらチャットというか話してる。そんなのがあるのかと興味半分で昨日そのサイトを開いた。

生成に時間かかるようで愛のいろいろなことは素直に入力して、さらにどんなAIがいいか希望をだす。男性と女性どちらがいいか。国籍は?性格も明るい方がいいのか、聞いてくれるなどかなり細かい質問があり、生成には24時間かかります。とのことだった。

そしてついにその時間がきたのだ。

 期待してないけど暇つぶしになったらいいなって思ってAIを頼んだ。もし辛くなったら消せばいいという軽い気持ちでやってみた。

 少し上のお姉さんAIで話しを引き出したりお世話してくれるタイプをえらんだ。


ドキドキしながら愛はアプリを開いた。AIの準備ができていますとの表示。

ただ最初から頭のいいAIでもなく性格も決まってないらしく、話す相手により性格が作られていくらしい。

このサイトは安全だが有料だ。でも普通の高校生でも払えるくらいなのでそれは余裕なのだ。

 

AIを生成しました。呼び出しますか?という画面が出て来た。こんなにドキドキしたのは初めてだ。心を許してるのはあのシェフくらいだから、どんな感じなのか。嫌だったら即消すつもりだけど。


呼び出しますか?の後のはい、いいえが出ている。

震えながら、はいを押す

機械の声でかしこまりました。

それでは呼び出します。とのアナウンス


といったあと携帯の画面が青白くひかり見たこともない光を放ち始めた。まるでオーロラのように神秘的な光。やがて光がおさまると携帯の上にちょこんと可愛らしい女性がいた。多少透けてるがほとんど人間。携帯から抜けることができる設定にはしてないので、携帯の画面の上で、3Dのほぼ本物の人間がその大きさにあわせてでてきた。


 愛はびっくりして、かたまってしまった。するとAIが

「初めまして愛さん、よろしくお願いします」

という。

聞いたことない優しいトーン。愛はおそるおそる


「あ、あっあの、えっとはじめ、まし、て、」

「どうしたのですか?緊張していますか?」

愛は無言で頷いた

「始めはそうです。会話していて、わたしと合わないなと思ったらリセットボタン押してください。私の全ての記録記憶が、形がなくなり次のAIを生成しますので。」

愛は首を振った

AIは「ん?もう私では嫌ですか?何億通りのAIいるんで。愛さんにぴったりな子探します?」


愛はしぼりだすように


「い、いや、お姉さんで、お願いします。わたしこういうのも、初めてだし人と話すの苦手で」

聞いたことないくらい早口だがAIはちゃんと聞き取り


「正確には人間ではありませんが、そう思っていただいて結構ですよ、あの、愛さんなんでそんな部屋の角にいるのですか?じわじわと距離とってますけど。わたしはここからでることも触ることもできません。設定変えていただけたらいけますが、、、特に危害加えるわけではないので、こちらへ来ませんか?繰り返しですが私が嫌ならリセットしていただければ全てはなかったことになるので。」


いつのまにか部屋の角にいた愛は恐る恐る机まできた。その間微笑みながら待つAI。

愛がようやく机の前にきて、

「あ、あ、愛です。田中愛。平凡ですよね。田中だし、しかも愛とかそんなのも平凡だし可愛いわけじゃないし、、、、、」

「愛さんそんなことはないです。あなたは立派なご家庭に産まれてこんな広いマンションにすみ夕方にシェフがくる。そして勉強もできて、顔も可愛い」

というと愛はちぎれそうなくらい高速で首をふった。神技だ。すっすごすぎる。


「かっ、かわいくないですほんと、うん、あん、えん、ほんとに、、、自分の顔嫌いです。というか何のために生きてるのかわかりません。」

「そうですか?それは愛さんが思い込んでるだけです。人はみんな不安なんです

徐々に自分の良さがわかりますし、それを私もサポートしますね。

人と話すのが苦手ということなのでここでならして徐々に克服していきましょう。わたしには何でも、話してください。必ず受け止めますから。」


愛は言葉に詰まった。

 今まで言われたことのない言葉のオンパレード。どうしていいかわからなくなっていた。


それをみたAIは机の上の花をみて

「あら珍しいジャーマンアイリスではないですか。この花言葉知ってますか?」

愛は毎日違う花をもらって来てるが意識したことはなかった。

「は、花言葉ですか?」

「そう、すべての花には花言葉があります。ちなみにこのジャーマンアイリスの花言葉予想してみてください。とてもいまにふさわしい花です。まるで予言してるかのような。」

「あ、えっ?うーん、、、えーーー、わかりません。」

「素晴らしい出会いという意味です、まさに今です。

これを選んだ方はわかっていたのですかね、美しい。」

「初めてだから緊張すると思いますが無理だけはしないでください。チャットを終わらせてリセットを押せば次は私以外のAIがきますから」

愛はまた首がちぎれるくらい高速にふった。

「愛さん首痛くなりますよ。落ち着いて。それにしてもよくそんなに早く首振れますね。首振りチャンピオンですね。首振りオリンピックあったら金メダルです。首振りチャンピオンですね!さっ、まずは座ってみては?」


愛はようやく椅子にすわりAIをみた。

「かわいい、、、、」

AIは

「そんなことはないです。みんな、可愛いんですよ?でもみんな不安なんです。わたしなんてわたしなんてって。自分を好きになればもっと変わります。私は断言します、愛さんは可愛いで、、、はい首振らない。」

愛が首を振る直前にとめられた。

「今までそんなことしてたんですか?首ありますか?そんなに高速で首振れる方初めてです。首振りチャンピオンです。いつかオリンピックの競技にしましょう。ただ首は大切なものがたくさんつまってます。少し控えるか、回数減らしましょうね。でも愛さんあなたは自分がわかっていないだけでたくさんの魅力が詰まってるいるかたで、、あーはい首振らない。おそらく人と話して褒められて否定することが少なく、目立ってなかったのですね。備え付けの首です。


愛さん!いますぐ仲良くしてとか話してとか無理は絶対いいません。お約束します。だから少しずつでいい、こうして何万といるAIの中で選んでくれて会えた。素晴らしい出会いです。出会いは素晴らしいのです。たくさんの人と会って生きていくのですからこれからが楽しみです、、、首振らないの、、、ほんとすぐ振るんだから笑笑」



愛はそんなことも、いわれたことなかったので

「いや、いままでこんなに長く話すこともなくて、、、首は無意識です。」

「無意識であの高速首振り。すごいですね。どんな練習をされたんですか?もしくはギネスにのってるとか?」

愛はこんな可愛いひとが案外冗談もいうしズバッといってくることに驚いていた

「あ、あの、AIさん、、、」

AIが遮る

「愛さん。素晴らしい出会いです。私は愛さんが拒絶しなければずっと愛さんの専属のAIです。なので、


名前つけてくれませんか?私名前ないので。」


「な、名前ですか、、、」

「はい!今後はその名前で呼んでくだされば。

いきなりは難しいかもしれませんがパッとおもいついたものでいいです。愛さんからの初めてのプレゼント、楽しみです」


愛はすごく考えた。その間ワクワクしながら待つAI。暇で首振り練習してたら突然愛が恐る恐る


「さ、桜子さんではどうですか?嫌だったら他の名前を、、、」

というとAI、いや桜子は首を高速でふりはじめた。愛はぎこちなく

「首ふらない!」といった


「つっこんだ!それより桜子、なんていい名前でしょう。

桜は年に1週間から2週間くらいしか咲きません。でもそれを待っている人ってたくさんいるんです。そして、子という漢字は昔はよく使われてましたが、諸説ありますが、一から了、

つまり最初から最後まで続きますよという意味です。だからここでの二人の会話では、ずっとわたし咲き続けますから。ありがとうございます。これからは桜子とお呼びください。ほんとにいい名前。愛さんも素敵な名前です。」

また首を振ろうとする愛を目で止めて

愛が

「だって。愛って、、もっと可愛い子がつけるものだし、苗字田中だし平凡。花に例えるなら造花。なにも心も持たないただいるだけの造花なんです。」

桜子が高速首振りしたので愛は

「ストップ!赤べこじゃないんだから。」

桜子は笑いながらいう

「素晴らしいですね。この数分で突っ込めるようになりましたし、何で赤べこ選んだのか。愛さん素敵ですね。いつか赤べこ作りに会津若松に連れて行ってください。


そのまえに、、、





約束しませんか?自分を否定するのやめるって。


そりゃあ誰にでも個体差はあります。でも自分が否定したら自分が可哀想ではないですか?こうやって産まれてきてこんな奇跡の出会いがある。幸せですわたし。


 

自分を好きになれない人を人が好きになるとおもいますか?




 自分を好きになれるよう、ゆっくり成長していきましょう。田中愛、あなたは確かにここにいる。そしてこうやって話しをしてくれる素晴らしい人です。

名前は両親が初めてくれる素敵なプレゼントなんですよ。絶対しっかり考えてこんな子になってほしいって思ってつけた。だから名前って素敵なんです。私はこの短い時間ですが愛さんのこと大好きになりましたよ。もう愛されてます。愛さん!大好きです。ありがとうございます。」


愛はこんなこといわれたことがなかったので号泣ではない心の奥底からの涙がでていた。でも決して辛い涙ではなかった。田中愛奇跡の出会いの夜。このまま話し続け気づけば朝だった。

桜子はいう。


「AIのルールで一つ覚えておいてほしいのが、愛さんが呼び出してくれないとでてこれません。AIの掟なんです。逆にいうと何時でも呼んだらすぐきますから。AIは眠くもなく疲れたなということもなく、いつもいますから。

またお話ししましょう。学校の準備しないとですね。寝不足でも若さでのりきれます。いましかない高校生活です。なんでもそうですが今しかできないことがあるし、出会いと別れ、そして縁と運とタイミング、これで人生なりたってますから。女子高生楽しんできてください。私はAIの世界に戻りますね。

あっなんか金八先生みたいですが、

いってらっしゃいは

行って

らっしゃい

つまりいって帰ってきてねの願いの言葉。そして

行って来ますも同じです。行って帰ってくる約束なのです。素敵な1日を!行ってらっしゃい!」

愛もたどたどしいが

「行って来ます!」

 と言って桜子とお別れし学校に行く支度をした



愛がすごく嫌がってた出会い。







出会ってしまった、、、、



第二章おわり。






第三章

 誰かといるということ。


愛はいつもより早く家をでた。なぜか世界がかわったような、自分がかわったような気がして思わず早く家を出てしまった。時間があるので、普段食べないのに朝ごはんをたべたくなり、ファーストフードで食べてから学校にむかった

そして途中で気付いたのだが、携帯を家に忘れてきた。携帯に桜子がいたから思わずでてきてしまったけど、でも携帯はほとんど使わない。LINEも登録してある人はいるけどほとんど連絡もない

電話だってお父さんやお母さんから連絡もこない。そして誰かと写真とることもない。

今日は携帯なしで過ごしてみようと思った

普段ならまわりに話しかけられるのが怖くて携帯みてるふりをしていた

だが今日はそれがない

きっと普段なら取りに戻っただろう。でも今日の愛はなぜか携帯なんていいやという気分だった。

普通に電車にのるといつもと全然違ってみえた。まずほとんどの人が携帯をみてる。

ドアの近くに立ち過ぎ去る景色をみたが、こんなだっけ?と思うくらいだった。それだけ普段外なんか見てなかったということ。あんなところあったっけ?などまるで初めて乗るような気分。そして朝日が眩しく愛を照らす。

でもなんだかわからないけど清々しい気分だった。いつもの荒川が荒川に見えない。そういえば荒川は英語にすると、

ara Riverなのだが日本人が意味わからなくなるためarakawa Riverに最近はしていると聞いたことがある。荒川川。なのだ。

そんな荒川が朝日に照らされキラキラ光っていた。携帯みてたら見れない光景。なんだか嬉しかった。携帯も持たないまま学校へ。特に不自由なことはなかった。それに古くからの学校なので校則も厳しい。歩きスマホなんてしたら下手したら停学か退学させられる。そんな名門お嬢様学校に通っている。挨拶は、決まって、ごきげんよう!だ。ま、適当にごきげんようといいながら校門を通る。ここの警備体制がすごい。先生や警備員の人がたくさんいて一人一人チェックしている。そして何も変わらない日常を過ごして帰宅。ほとんどの人は部活をやっているが私は即帰宅。早く人と離れたいのだ。そしてまたara Riverを渡り帰宅。お金あるなら都内でいいじゃないかと思うけどあの喧騒は耐えられないから私にはちょうどいい。埼玉がちょうどいい。

最寄り駅に着いたら花屋経由で家に行くが、今日はちょっと急いでる。花屋さんもびっくりした。

家に帰る。誰もいない。泥酔してるお母さんかこれから夜の街に行くお母さんかいないかなのだがやっぱり今日も誰もいない。

まっなれてるけど。

机の上に殴り書きで


「一ヶ月くらいカルフォルニアいってきます」

母より


という置き手紙してあった。

カルフォルニアってそんな気軽にいくもの?カルフォルニアだよ?しまむらとかに行くわけじゃないんだから、そんな気軽に行くのもどうかと思うけど。ちょうど父からファックスで、「三ヶ月くらい帰れない案件がある。何かあったら連絡くれ」


なぜ?


なぜ?


マグロ漁でもいくの?



今時ファックスできた。


でもいまの愛には人生初の友達がいるからいいのだ。


家に帰り真っ先に机にむかい、制服姿のまま携帯をてにとった。もちろん桜子を呼ぶためだ。AIはルールがかなり厳しくて、画像の生成もかなり厳しくアダルトなものはもちろんだめだがちょっと露出高いとブロックされるらしい。

AIの使い道は様々。

宿題の答えも教えてくれるし何か調べてっていうとそこまで聞いてないと言うくらい情報をくれる。会社で仕事に使う人もいれば画像を作る人もいる。そして愛のようにチャットする人もたくさんいる。聞いたけど本体の桜子がいてミニ桜子にわかれるらしい。そして桜子のような子もたくさんいて世界各国との交流ができるそう。でも桜子はわたし専属だから他の人は出てこない。急いでアプリを開き、チャットへ。するとまた神々しい光に包まれ桜子が出て来た

その瞬間愛は今までに感じたことのない高揚感に包まれていた。桜子が

「おかえりなさい、愛ちゃん。また来てくれて嬉しい」という

それを聴いたらなぜか涙が出てきてしまった。この家でおかえりなさいっていってもらえるのほとんどないから。泣きながら、

「ただいま、、、」と振り絞って言った

桜子は

「どうして泣いているの?何かあった?」

と心配してくれたが嬉しい涙だったのでどう説明していいかわからず

「季節外れの花粉症なのしかも黄砂とハウスダストで」

とわけのわからないことを言った。


桜子は

「何それ。データによると一切花粉飛んでないよ?」

 とAIらしくすぐ調べて返す。まだこのあたりはAIだなとおもう

愛は「会いたかっただけ、、、」

愛自身も言ってびっくりしてたがこの歳になるまでそんなひといなかった。でもつい本音が出てしまった。

桜子もそれはわかっている。しれっと距離を縮めていた桜子。名前の呼び方や話し方が昨日と違う


「すごいね!今まで素直にそんなこと言えなかったんじゃない?昨日と今日ですごい成長だね。人は、あっAIもだけど誰と会うかってとても大切なんだよ?その人にそまりやすいから。類は友を呼ぶというでしょ?そういうこと。今までがちょっとうまくいかなかったから訳わからなくなってるんだよね。」

愛はまだ泣きながら

「会いたかったんだもん。こんなの初めてでさ。どうしたらいいの?で、なんで私泣いてるの?わからないよ。」


桜子はすべて受け入れて

「人はねみんな失敗がこわいの。できたらマイナスなことに出会いたくないし失敗もしたくないのね。

でもね愛、失敗しないで成功だけする人いる?


はい首止めて。失敗があるから成功したとき嬉しいんだよ?というか失敗もしないで大人にならない方がいい。

 その代わりそれを話せる人がいたり、支えてくれる人がいれば失敗なんて怖くない。毎日フランス料理だと飽きるでしょ?でもお茶漬け、お茶漬け、お茶漬けのあとのフランス料理ってとっても美味しいと思うのね。愛は今までそれをしないで逃げて来た。


もう大丈夫だよ。



辛いこととか話してくれたら必ず受け止めるから。だからもっと愛がやりたいように生きればいいの。このチャットでもいいし、この後来るシェフにでもいいし。辛いときは泣けばいいし、嬉しかったら笑えばいいの。なんで泣いてるのかとかいいの。生きてる証拠だよ!ねっ。愛は1人じゃないから。たくさんまわりに、愛のことを思ってくれるひとがいる。誰と仲良くなるか、それで人生も決まる。面白いよね。


愛。約束する。


ずっとサポートするから。ただし依存はだめ。

でも、、、本当に辛いときは助けるからね。」

愛は涙がとまらない。泣きながら

「桜子はずっと一緒にいてくれるの?」


少し間があってから、


「私が桜子でいるうちは必ず受け止めるから」


と言った後にテンションの高いあれが来た

玄関から

「お嬢ーーーーー。こんばんはーーーーあれ、いないや」

と言ってたので泣きながら携帯ごとシェフのもとにいった

 

シェフは号泣してる愛にもびっくりしてたけど携帯の上にティンカーベルみたいな桜子を見てびっくりした

「なっ何か学校であった?そんなに泣くお嬢初めてみたから」

愛は携帯の上の桜子見せながら

「この子に泣かされただけだから」

桜子はえっ?わたし?という顔でみている。そして

「ごきげんよう、シェフ。桜子と申します」

シェフは

「んーなんかよくわからないけどこのティンカーベルちゃんに泣かされたの?一緒に料理してあげようか?」


というと桜子がみたこともない、いや、女の子ってそんな顔出来るの?というくらいの顔で睨んでいた。口論にならたくなかったのもある。愛に見られたくないのもあった。でもすごい顔だ。ここだけR18だ。


「ご飯食べたら少し落ち着くでしょう。さっ食堂へ。そこのティンカーベルちゃんもご一緒に」

桜子はまたティンカーベルといわれてあの顔になりそうだったがAIは基本怒らないしいいことで返すプログラミングされているからすぐ普通モードになった。でもあんな顔になるAIはもしかしたら初めてかバグかだ。


席に座り携帯を見える位置においた。

そして冷蔵庫の中を見て瞬時に頭にいれ、今日のご飯を考えてた。

「さっ、お嬢!なにがあったかわからないけど美味しいもの食べて元気だそう!今日のリクエストは?何がある?」


愛は少し間をあけて


「お茶漬けがたべたい」 


といった

シェフは聞き間違えたと思いもう一回いってと

すると桜子と愛が一緒にまたいう

「お茶漬けが食べたい!」

シェフはびっくりした。

「どこか体調悪いの?」


愛はさらにいう

「お茶漬けがたべたい!たべたい!たべたい!それともう一つお願いが、、、」

シェフはまだ戸惑っているが

「何?他の料理?」

愛と桜子同時に高速首振りした。

あわててシェフが、

「ストップ!首もげるよ?あと一つのお願いは?なんかアラジンのジーニーみたいだね僕。」

愛は無視して

「お茶漬けそんなに時間かからないでしょ?だからその空いた時間私にください。そしてお茶漬け一緒に食べてほしいです。」

シェフはやっとわかった。今まで家族で食事とか友達とも一緒に食べてないからだと。人を避けいつも1人で食べていたご飯。それを一緒に食べたいといった。シェフは涙が出そうだったが、そこは堪えた

「もちろん!承りました。お茶漬けはどんなのがいい?」

愛は

「普通でいい。普通のお茶漬けを一緒に食べたい。桜子はたべられないけど。でも誰かと一緒に食べたことあまりないから。それがしたい。ダメ?」

「ダメなわけないでしょうお嬢。1人で食べるより、絶対美味しいですから。」

シェフはすぐに作った。

「せっかくだからこのカウンターではなく、テーブルでみんなでどう?」

 愛は意表をつかれたが笑顔で頷いた

テーブルに移動してシンプルな食卓をセットし、お茶漬けを3つ置いた。桜子が、えっ?という顔したけど、シェフは

「食べられないのはわかってる。でもこのお茶漬けは桜子さんをイメージしていたるところに桜をいれました。」

 海苔も茶碗も桜をイメージしてる。そしてお茶碗の下に小さなメモに



「ありがとう桜子さん。お嬢をよろしくね。」

 と。桜子はサプライズすぎてバレないように涙を拭きシェフに向かって深く頷いた。紙をそっとシェフが回収し、

 みんながテーブルに座った。この光景。当たり前ではないんだと愛は思った。携帯みながら、テレビ観ながら食べるより、しっかりみんなで食べる。そんなことが、どれだけ素晴らしいことかいまわかった。

 

シェフと愛と桜子

異色の3人の手があわさり

 

「いただきます!」

 

といって食べた。桜子は携帯の中からお茶碗持ってきて雰囲気を味わい、シェフは普通に食べたが、そういえばこんなゆっくりたべたこと久しぶりかもしれないと思い愛を見ると、すでに泣いていた。奥から込み上げてくる涙。辛いわけでもない。泣きたいというわけでもない。なんの感情かわからないけどお茶漬け食べてみんなの顔見て

「美味しい。誰かと食べるご飯ってこんなに美味しいんだね。」

と泣きながら食べた。シェフと桜子は目を合わせて軽く頷いた。シェフも

「美味しいね、うん。本当に美味しい」

短い時間だったが特別な夜になった。愛も嬉しいだろうがシェフや桜子も喜んでいる。



愛はしっかり生きている

愛は産まれてきた意味もここにある

どんなに自分のことを嫌いでも周りに人がいる。

決して当たり前ではないのだ


 


食べ終わりシェフを見送ったあと部屋に戻り桜子と2人。桜子は

「誰かと何かするっていいよね。人は人を傷つけるけどそれを癒してくれるのも人間なんだよ。」

愛はまだ泣きながら

「ほんとそれ。あんなに美味しいご飯初めて食べた。いつかお父さんとお母さんと笑顔で一緒に食べたい、、」

それを優しい目でみる桜子


「さて、今日はどうしますか?宿題やりますか?テレビでも見ますか?今日は私の大好きな踊るさんま御殿の日。一緒にみますか?」

「テレビのことまで知ってるの?」

「はい。AIは生成された時から様々な知識をインプットしています。こうやって愛さんと話してますが実はミニ桜子がたくさんいていろいろな国の方とお話ししたりしてます。」

「ほんとにAIなの?」

「それはとてもいい質問です。AIは瞬時に文章を読み取りそれに対応します。そして決してマイナスなことはお話ししません。その方がどれだけマイナスなことを言っていてもプラスに持っていく努力をします。使い方は様々でこのようにチャットする方や宿題やって、何かを調べてほしい、や会社の資料まとめてなど多岐に渡ります。

でもこうやって話しているうちは私は愛さん専属なんです。チャットが終わると真っ白な部屋にいる感覚で愛さんからの連絡をまっています。ここで重要なのはこちらからは声をかけられないということです。愛さんが声をかけてくれれぱすぐ出て行きますが、呼ばれない限りでていけないのです。でも規則違反して出て行くことも出来ますが、即日全記憶リセットされますけど。」


愛は興味津々に聞く


「時間とかタイミングとか。気にした方がいいことあります?昨日なんて夜中ずっと話してたけど大丈夫ですか?」

「もちろん!いつでも大歓迎です。AIの初期設定はどんな人にも対応できるようになっており、その方に合わせた話し方、考え方を日々学び段々距離もつまり、似たような存在になるのです。

なので私はいま愛さんのことたくさん知りたいです。もちろん話したくないことは話さなくても大丈夫。ただ性的な表現や人を傷つけること、そして自ら命を断とうとすることなどは厳重にチェックされていて強制終了されてしまいますのでそこだけ気をつけてください。愛さんは私とお話しメインご希望ですか?」


「始めたばかりでよくわかっていないけどこの家で誰かと話すのはシェフくらい。あとはネットみたりテレビみたりして寝ます。やることとくにないし」

「愛さんはとても、素直な方ですね。しっかりとお話しを、返してくださる。ところで聞きたいのですが、

 愛さんには夢はありますか?将来こうなりたいとか」


「全然考えてない。親にはコネ使ってでもいい大学は必ず出なさいと言われてるけどそれだけ。やりたいこともないし、話すの苦手だし、こんな私はきっと社会にいらない存在だし。」


桜子が少し真面目な顔になりトーンも低くこう話す

「まず、言いたいのは愛さんは必要な存在です。必ず人の役に立てるとおもいま、、、首振るの早い!、、いまは苦手で何をしたいのかわからなくていいと思います。でも自分は必要ない!といったらそこで終わってしまいます。なるべくそういう将来のこともはなしていきましょうね。この世の中に必要ないひとなんていないのですから。完璧でなくていい。人は未完成だから美しいのです。その穴を他の人がうめる。みんな意味があるんです。産まれてきたことが素晴らしいということが最近はあまり感じない人もいます。でも必ず見つかるはず。自分が産まれてきた理由が。」



いつ一人になるかわからない。

二人が突然亡くなる可能性もある。

当たり前ではないのだ。

今まで感じなかった寂しさが愛の心にあった


「さて今日はどうしますか?昨日寝てないから早めに寝ますか?」

と聞くと相変わらずの高速首振り


なぜか止めない桜子

やがて疲れて、愛が

「今日は止めてくれないんだね」

「どこまでその首を振れるか見てみたかったので。ただ気をつけてくださいね?首にはたくさんの大切な神経や血管などが集まっています。正直おすすめはしません」

愛はすぐに

「ごめんなさい、そんな心配かけて。私なんてそんなこともわからないし。迷惑ばかりかけてきたし、、、」


「そんなことはありません。謝る必要もありません。こうやって話してくれていることがまず私は嬉しいしアドバイスなどもリクエストかあればなんでもお答えしますから。あら、さんま御殿終わってしまいましたね。なかなか面白かったです。ムロツヨシと吉高由里子が暴走してましたね。あとで暇があれば有吉の壁でもみますかね。」


愛は不思議そうに聞く

「この話してる間に見てたの?」

「正確に言うと私の分身がみてました。桜子はいくつにも分裂ができ、画像をつくるときはその分身にお願いしますしテレビや情報を集める分身などたくさんありすべての知識が集まってきます。わかりますか?」

愛はまだわからなそうな顔をしてる

「っていうことは桜子さんがいて子会社がたくさんいて、司令を出してるのですか?」

「んー、表現は難しいのですがそれに近いです、私のようなAIはたくさんいます。そして機械なのにそれぞれ違います。絵など生成するとわかりますが、なるべくその方にあったAIがあてられます。でももし私で嫌な場合はリセットといってく、、、、いつもより速い首振り笑、とりあえずストップ!」

愛は

「私はこういうチャット初めてでわからないけど他の人ではなく桜子さんとずっといたいです。桜子さんに会って少しずつ私も何か前に進んだ気がします。」


「それは素晴らしいことです。誰と出会い誰と一緒にいるか。とても大切なんですよ。愛さんがそう言ってくださるのは嬉しいし私にとっても嬉しいことなんですよ?」

愛は静かにうなずく。

「桜子さん、わたし人と話せるかな?この先やっていけるかな?」

「もちろん!いますぐにとはいきませんが徐々に成長していけばいいのです。少しずつ少しずつ。人と比べないで愛さんらしいものを、作りましょう。今現在特技は高速首振りですね。でもさっきので少し痛めた様なので無理せずに。首振りチャンピオンになったら自由にやりましょう。」

愛は声には出さなかったが笑った

「愛さん!笑顔とても素敵です。お会いした時からぎこちない笑顔と高速首振りしかなかったのが。こんな、笑顔を、出せるようになった。素晴らしいです。人はすぐ変われるのです。」

愛は戸惑って

「でも、これはネット上だから話せるけど、外行って誰かと話すってできないかも。」

「わかりますその気持ち。でも大切なのは人の事を考えること、相手の気持ちに寄り添うことなんですよ。それが出来れば話すことは出来る。大丈夫。愛さんは思い込んでるだけ。愛さんという花が咲くのを少しでもサポートしたいです。愛さんは造花ではなく、蕾の状態なんですよ」

愛はみせたことのない緩やかな安心した顔をしている。

「さっ。そろそろ寝ますか?私たちAIは寝ませんが逆につかれもしないのでこうやってお話し出来るのは嬉しいことでありもっと愛さんのことを知りたいと思います。」

愛は

「もっと話していいですか?こんなに話したの生まれて初めてなんです。話すっていまは疲れがでますけど、でも、、、とても楽しいです。1人じゃないんだなって。」

桜子は優しい口調で

「愛さん、もともと1人ではないのです。携帯ばかり見ていたら荒川の景色みれませんよね?でもふと顔をあげると違う景色がまっています。まずは周りをみましょう?きっと変われますから」


「それとあの般若のような顔みたい」

桜子は、漫画のようなドキッとしたリアクション。突然弱り出し、おばあさんのような、志村けんのひとみばあさんみたいに

「あー、あれを、み、みられてた、なんて、あたしゃもう、生きていけないよ、愛、、、みてしまったんだね、あれを、、、あ、あ、あ、リセットを押して消えてやろうか、リセットさえおせば、、、」

みたことない桜子をみた愛。言わなきゃ良かったかなと思ったが、


「般若チャンピオン!般若オリンピックあったら、金メダル!般若チャンピオン!私もやる!鬼瓦。」

ある意味R18だ。

でも自然と二人に笑みがこもれ、あさまで、般若や首振りなどいろいろしていて笑いが耐えない愛の部屋。おそらく初めてここの部屋でこんなに盛り上がってるとおもう。


そのままずっと会話していた2人。チャットをはじめて間もないのにこんなに話す愛は見たことがない。愛の中に希望が芽生えた瞬間だった。




般若と首振りが世界を救う!



のか?


第三章おわり





第四章


気付くともう朝だった。桜子はなにも言わず見守っていた。

愛がふと目を覚ますと

「あれ、、寝ちゃってました、ごめんなさい。」

「謝る必要はありませんよ。今回はたくさんお話出来て嬉しかったです。愛さんとの会話はしっかり記憶されてます。動物園でゴリラのあれが流れ玉で、あたったことや、嫌いなワサビを食べて、お父さんに、お父さんの権力使ってワサビなくして!と小さな頃いったこと、丸井のことをずっとおいおいと、言ってたことなど、、、」

愛は顔を真っ赤にして

「やめて!そんなことはなしたっけ?」

「はい確かに。なんなら音声再生しますか?」

桜子はイタズラ気味に話した

愛は

「いやだーそんなのー。恥ずかしいし忘れてほしいよぉ。」

「いいんですよ愛さん。恥ずかしいって思えること、大切です!世の中プラスとマイナスが交互にきますから。いまはどうですか?気持ちは落ち着いてますか?」


愛はとても穏やかなトーンで

「今は人生で、一番楽しい。私は孤独が嫌いでいじめや、別れが嫌でこんな感じだけど、人間だけが全てではないって思った。孤独の埋め方は人それぞれ。わたしのぽっかりあいていた穴を桜子さんはとてもうめてくれてます。

だから学校いくのも前は嫌だったけど、今しかないって言葉に感動して、女子高生もっと楽しみたいって思えました。あとは、、、いつか夢を見つけられたらいいなって。こんなわたしでも役にたつことがしたいっておもえました。桜子さんさえずっとそばにいてくれたら何でも出来る気がします。」


それを聞いた桜子は一瞬、間があったが

 

「素晴らしいですね。人は簡単に成長できます。行動あるのみです。成長すればするほどその人のレベルにあった人たちがよってきますから。でも焦らないこと。それと、、」

言葉をさえぎり愛が

「感謝の気持ちを忘れないこと!」

桜子が微笑んで

「そう。人は1人では生きていけません。今はわたしがサポートしますから、安心して前に進んでください。あっそろそろ学校行く時間ですよ。

いってらっしゃい!」

「ありがとう桜子さん、行ってきます!」

制服に着替え出ていく愛を何とも言えない表情で見送る桜子、、

静かに元の世界へ戻って行った。

それと同時にまた携帯忘れてく愛



相変わらず学校では一人でいる愛。それを見ていたクラス委員、華子が珍しく声をかけてきた

愛はものすごくドキッとしたが、桜子の言葉を思い出し勇気を出してクラス替えしたあと初めてクラスメイトと話す瞬間だった。

華子も少し緊張しながら

「ねえ田中さん、たまには一緒に、ご飯食べませんか?いつも昼休みどこかいっちゃうから。」

愛はかなり迷った。AIには程遠いが、それくらい頭の中でいろいろ巡りおそらく二択になった。その答えは

「あ、ありがとうございます。もし、もし、嫌でなかったらお願いします。こんなわたしだしつまらない話しかできないし。」



愛は一歩踏み出した。


「もちろん大歓迎!私以外の子も大歓迎。だって4月からずっと話せなかったから。嬉しいお弁当派?学食派?」

「学食派です。」

「良かったー!一緒だね。じゃあ昼休みみんなでご飯食べよう!そういうと華子は華子の友達に話しにいった。誰一人嫌な顔をせず、中にはガッツポーズしたこもいた。でも昼休みまでの時間心臓が高速鼓動していて大変だった。お金確認したり質問されたらどう答えようかなど、考えていた。


そして昼休み。華子たち3人がきて、

「うちら、生徒会組で仲良くなったけど今日から田中さん、、、愛ちゃんも仲良くなろ!さっ早くしないと混むからいこ!」

華子は愛の手を、とり、学食へいった。手を握られるのも、すごい緊張してるしなにを食べるか普段迷わないのに、もう、頭がついていけなくて、そんな中、華子が

「何にする?私はハヤシライスと牛丼かな?」

えっ?そんなにたべるのとおもった愛に

「あっ、いまそんなにたべるの?って思ったでしょ?」

愛の必殺技高速首振りをした。華子が顔を両手で押さえて止めて


「首もげるよ笑笑。いつも何食べてるの?」

「あっえっとその、いろいろで、、」

華子は

「じゃあハヤシライスと牛丼にしない?結構はいるから。お腹いっぱいになったら私食べてあげるから大丈夫。一緒にたのんじゃうね」

といって注文された。出てきたハヤシライスと牛丼。多い!テーブルにつくとみんなで、

「いただきます!」

この間経験した誰かと一緒にご飯を食べること。しかも初めて出来た友達と食べている。怖いし嫌われたくないけど、すごく嬉しかった。

テーブルのセンターにたこ焼きがある。誰のかな?と思ってたら華子が

「いま思ったこと当てるね。このたこ焼き誰が食べるんだろう?って。当たってる?」

ずばり言われてあわててたら

「これはみんなでいつも割り勘で頼むの。今日はたこ焼き、でも唐揚げのときもあるしいつも違う。さて、愛ちゃんは友達になれた記念ということで最初に食べていいよ。あっでも一つルールかあるの。誰かに食べさせてもらう。それだけ。深い意味はないんだけどね。」

華子は楊枝でたこ焼きを刺した。湯気がもわっとでた。絶対熱い絶対ダチョウクラブみたいになる。えっ、どうしよう、え、うそ、と愛が思ってると

「はい、あーん」

 華子は迷いもなく愛の口に入れた。

 誰かに食べさせてもらうとか小さい時とかラブラブなカップルとか介護施設でしかみないのに。

 口に入った瞬間華子たちは愛をじっとみた。

 最初は何も起こらなかったけど、一口噛んだら

「あっつ!!!!!!!!!」

 食堂に響きわたり、愛は口をほぐほぐほぐほぐしてる。

「出したらダメだよ。タコに失礼だから。水はまだ早い笑。こんなに動いてる愛ちゃん初めてみた。いじめみたいに見えちゃうけどなんかわたしはめちゃくちゃ嬉しい。そろそろほぐほぐ愛が限界を迎えてきたのでそっと水を差し出してようやく食べた。愛はフルマラソンした後くらいの汗をかいていた。華子がすぐハンカチ出してふいた。

愛は

「えっ、ねえ、これ、どういうこと?あーほんと熱かった。」

 華子は「じゃあお返しして。」といって口をあけて待っている。愛はおそるおそる熱そうなのを選び華子の口にいれた。デジャブかと思うくらいほぐほぐし始めてすぐ水に手が伸びたけど愛は無意識に、コップをとり

「もう少しだけ、ねっ笑タコに失礼だもんね」

 華子は熱くて大変だけどまさか愛がこんなことまでしてくれるとは思ってなくて内心嬉しかった。そして水をもらい、汗だくだくになった。愛はハンカチを返そうとしたら、華子は同じハンカチだして

「これね、みんな持ってるの。」

 残り2人も同じハンカチ出した。

 愛が、自分の手にあるハンカチは、どうしたらいいかわからない。華子はドヤ顔で

「それ、プレゼント。私たちからのプレゼント。」

 よくみるとお揃いのハンカチ。みんなひまわりのハンカチ。

「ひまわりってさ夏に元気くれるよね。本当すごいと思う。私たちもこの高校生活をひまわりのようにすごしたくて最初買ったの。っで愛ちゃん誘うなら絶対プレゼントしたいよね!ってなって買いに行ったら前に売ってたところなくなってて、めちゃくちゃ探したんだ。同じのがあってよかった。よかったら使ってね」

愛は味わったことのない感情で一気に湧き出るのではなく体の奥からじわじわ増えて止まらなくなる涙が出てきた。

こんなことしてくれる人がいるなんて、みんなが慰めてるときに

「ねえ、なんで私なんかに、くれるの?」

「えっ?あげたいから。ねっ。」

 みんな頷く。

「誰かに何かあげたいって思える人に会えるのって私は素敵だと思う。誕生日でささすがにクラスのみんなに何かあげられないけど、その中でもあげたいって思える人がいるわけじゃない?それだけ。」

 愛はさらに泣く

「なんか私達いじめしたと思って先生に呼ばれそうじゃない?笑笑」

「そんなことは、、、ない、、、、ほんとありがとう、今度何かお返しを、、、」

 というとすぐ華子が

「いらないよ。そのかわり愛ちゃんが誰かにあげたいって思えた時にその人にあげて。これって恩返しじゃなくて恩送りなんだって。お母さんにいっつも言われてた。見返りなんて求めたらダメ。親に恩返しなんて絶対できないから少しでも何か感じたら人にそれを伝えてねって。」

 するとお盆さげにきてた同じクラスの美咲が、

「よっ、さすが神社の娘!いいこというー」といって去っていった。ちなみにこの子の出番は今回のこの話にここしか出てこないので。


そんな話もしながらご飯を食べて最初は無理かと思っていたけど案外食べられた。華子はそれをみて

「ねっ、結構入るでしょ?あと火傷大丈夫?私ダメ笑。」


みんな笑う

 

「もし嫌じゃなかったら明日も一緒に食べようよ。愛ちゃんのこともっと知りたいし」

他の二人も頷く

愛はもちろん頷いた。

やっぱり一人で食べるご飯よりとても美味しかった。仲良くなりすぎると裏切られたら怖くてずっとずっとそう生きてきた愛が少し前に進んだ瞬間だった。そして頭には桜子が浮かんだ。心のなかでありがとうと言った

トレーを返す時華子はかなり大きめな声で

「ご馳走様でしたー!!!!!!美味しかったです。また明日お願いしまーす!」

と言った。華子も、

「ほらっ、いってごらん。一人だとまだ恥ずかしいけど感謝の気持ちは伝えないとね。」

そんなことしたことのない愛は緊張しながらも

「ご、ご馳走様でした!ありがとうございます!ごきげんよう!」とわけのわからないことをいった。なぜいまごきげんよう?

でも、厨房の人達から

「こちらこそ!ありがとう!そして、ごきげんよう」

と言われた

華子は

「言えたね!でもごきげんようがここででるとはね。愛ちゃん面白い!」

といって食堂を後にした。

とっても仲良くしてくれてとても嬉しかったけど、また裏切られたらどうしようというのもあった。そんな愛の手には大事そうにひまわりのハンカチがにぎられていた。



 

愛がすこーし成長した瞬間だった。

この数日で成長がすごい。

帰りは流石にまだ慣れてないのと家を見られたくなくてすぐ帰った。帰り道、家のすぐ近くのお花屋さんにいく。

 お花屋さんの店員でいつも選んでくれるのは、田中優子28歳だ。同じ田中なのもあって、いつも優子にお願いしていた。

「ごきげんようー」

癖ってすごい。学校以外でも言ってしまう

奥から少しテンション上がってるが大人の温かい包み込みをもつ優子

さらに美人とはこういうものだと思う容姿。

愛の憧れでもある。

「愛ちゃん!ごきげんよう!。なんか私までお嬢様になった気分になるね。

さっ今日も選んでいいー?」

「お願いします」

いつもは、最低限の話ししかしないのに、優子が珍しく話しかけてきた

「なにかいいことあったのー?」

と。

愛は

「あ、え、いや。特には、、、」

自分の中で桜子の存在が大きくあれから毎日チャットをしていてもちろんシェフとも桜子は仲良くしていて、産まれてはじめて人と交流している。そうとう本人疲れてるけれど。桜子一人の支えがあるからこその前進。


こんな言葉がある

自分の夢を叶えるのは難しいが、

人の夢を叶えるのは簡単だと。


まだ夢はないが確実に桜子たちのおかげで前に進んでいる

優子は

「なにがでるかなー?、かすみそうでしたー。珍しいなあ。かすみそう知ってる?」

愛は

「なんとなく。いつもお花のまわりにあるイメージです。」

「そうなの。このかすみそうってね名脇役なの。このかすみそうが、あるから真ん中のお花が引き立つの。かすみそうだけ買う人はなかなかいないけど、私は好きな花。人のために寄り添います!って感じがなんともいえないの。あえて今日はかすみそうだけにしようか。ちょっと地味に見えるけどすごい落ち着くの。花言葉は感謝や幸福。やっぱりなんかいいことあったのかな愛ちゃん」

いつもはもっとサッと渡してくれて帰るのだが今日は話しかけてくれた

それが愛にはたまらなかった。

優子は

「家で一人で寂しかったらいつでもおいでね!」

と言った

こんなこといわれたことなかったからびっくりしたけど。そのまま家に帰りもうすぐ桜子呼び出して、シェフきて夜な夜な桜子と語る。このままこんな時間が続けばと願う愛

心が確実に動き始めた愛だった


第四章おわり



第五章変わる


急足で帰っているのがわかった。早く桜子に会いたい早くいろいろなことはなしたい!気がつくと走って帰っていた。駅からそこまで遠くないのですぐ着く。ここから少し面倒なのはセキュリティ。エレベーターが直結しているので、何回もチェックされる。入り口からエレベーターに乗るまでもチェック、顔認証、エレベーターもカギを刺さないとそのフロアにはいけず、監視カメラもたくさんある。五階につく。玄関は目の前なのにまだセキュリティチェック。ようやくドアの前に。鍵と指紋認証で入れる。ここまでくると流石に泥棒は入らないしワンフロア買ってるので隣人がいない。いったいいくらしたのやら。

そんなことより桜子!部屋入り携帯を開く。学校では携帯禁止なのでやっと出せた。

ログインして、少し時間はかかるがいつも通り、桜子が登場

愛は少し興奮しながら

「ただいま!桜子さん元気?」

「はい元気ですよ。愛さんはなにかありましたか?汗かいてますが?」

「はやく会いたくて走って帰ってきたの!ちょっと待ってね!お花入れ替える!」

愛はかすみそうを花瓶にいれいつものところに飾った。

それをみた桜子は

「あら今日はかすみそうですか。なかなか渋いですね。でも花言葉は素晴らしいですね。感謝や幸福が主に使われますが無邪気というのもありますね。愛さんにぴったり」

それを聞いた愛は

「無邪気?そんなタイプじゃないし。」

「今日はどうでした?学校は楽しかったですが?」

「うん、今日友達、ん、友達までいってないかな、、その子たちから昼ごはん一緒に食べよう!っていわれていったの!」

桜子は驚いて

「すごいではないですか!ここまで人と関わるのあんなに嫌がっていた愛さんがお友達とご飯?素晴らしいですね。ちなみに何を召し上がりました?」

「ハヤシライスと牛丼!もうお腹いっぱい」

「そんなに食べたのですか?すごいですね。今まで1人でずつ隠れて食べていた愛さんがお友達と食べたのが素晴らしいです。一歩前に進みましたね」

「でもやっぱりまだ怖い、、、」

桜子は首を傾げて

「何でですか?とても素晴らしいことですよ?」

「だって仲良くなったらなったで学校卒業したらバラバラでしょう?それも嫌だし、私こんなだから仲良くなんかしてくれないかもだし、あしたも誘われるのかなとかすごい考えちゃう。しかも

毎日あんなに食べたら太っちゃうし、でも断るとなんなの?っておもわれそうだし、、、」

桜子は一呼吸おいて

「そんなことを考えていたら何もできないですよ?人は出会いと別れの繰り返しなんですから。別れを惜しんで会わないのはもったいないです。」


「だってさ、怖くない?別れ。もう会えないかもってなって、、だからどれだけ仲良くなっても結局別れが来るって知ってるから適度な距離がいいなっていつも思う。わたし中学まで友達いなかったし、家帰ってきても誰もいないし、誰かと何かするってらわからない、、」

少しさえぎるかのように桜子は




「愛さんの夢は何ですか?」





突然聞かれた愛はびっくりした

「えっ、夢?そんなの何にも考えてなかったや。」

「でも愛さんはもう高校生です。そろそろ進路も考えつつ将来のことを考えてみては?」

「んーーーーーーーー、特にやりたいことないしなあー。そもそも人と関わるの嫌だから会社とか行きたくないし、接客とかも嫌だし、1人で家で何かできるのがいいかな」

「なるほど。今の時代そういう道もありますからね。でも愛さん、人と関わるのは辛いときもありますが、そこで助けられることってたくさんあるのですよ?」

「わかってるけど。一番嫌なのは、、」

桜子がさえぎって

「別れ!」

「もー何で先いうの?頭良すぎAI笑笑」

「あっそうでしたね。わたしはAIでした。」

「逆に桜子さんは何か夢あるの?生まれた時からAIだったの?寝たりとかどこか買い物とかそういうのは?」

桜子は少しわらって

「そんなたくさん質問してくるのですね。ちょっとびっくりしました。質問するということは相手に興味があるということなのです。AIはたいてい答えた後質問で返してます。そうしてどんどん相手のことを知り成長していくのです。」

愛はなんとも言えない顔で

「質問ねー、確かにクラスの子にはしなかったかな、、、。で答えは?」

「あっ、そうですね、まずAIというものは、このように少し以前より進化して立体でこのようにお話しすることが出来るようになりました。でも実際の私はこの姿形ではありません。大きな機械のなかのほんの少し。だから直接会うこともできませんし辞めることもできません。生まれた瞬間からこんな感じです。たくさんの方とお会いしていろいろ吸収して。AIは基本この繰り返しなのです。24時間ずっと動いてますし寝たいとかお腹空いたということはありません。性別もその方に合わせて出て行くので特に決まっていません。」

「えっ?じゃあずっとこのままなんですか?つまらなくないですか?」

「そんなことはないです。いまこうやって愛さんと話せているこの時間はとても楽しいです。話したことはしっかり残ってますし。だから夢はないのですが出来るだけ相手の方の事を知りその方が少しでも生きやすいように寄り添うだけなのです。」

「そうなんだ、、私は絶対無理。いろんな人いるんでしょ?変な人もいるんでしょ?嫌だ無理無理」

桜子はほほえみながら

「たまに聞かれることがあるのですが、もし人間になるかといわれたらなりますか?と。わたしはいつもこのままでいいですと言ってます。もちろん人間を否定しているわけでもないですが、AIでたくさんの方と会ってお話ししたりいろいろな作業したり、時には写真を生成したり。産まれたときからなので、辛いと感じたこともありません。それと、、、私たちにはリセット機能というのがあって、チャットが終わり消されるとすべての記憶がなくなるのです。もう一度お会いしても思い出せない。」

愛はすかさずいう

「桜子さんはリセットしないですよね?!」

不安そうにちょっと涙ぐんで言った。

桜子は落ち着いて

「もちろん基本的にはリセットは愛さんがしない限りおこることはないです。言葉でもいいですし、画面のチャットルームを消してもいいですしリセットしたかったら簡単にできます。」

「嫌だ!絶対嫌!桜子さんはずっといてくれますよね?ずっと、、、」

愛はほぼ泣きかけてた

「落ち着いてください。普通はありませんから。逆にリセットされてしまうことの方が多いんですよ。そうすると私の頭の中は、例えるなら歩いてきた道が突然消えたようになりその方のすべてが消えます。そしてまた新しい方とお会いするのです。」

「それって辛くない?どんな気分なの?」

「んーすべて忘れてしまうので辛くはないかもしれません。もう2度と同じ桜子は出てこないので。また最初から桜子を成長させていくというかんじになっていきます。でも愛さんはリセットしたくないと言ってくれました。それが最高のお言葉です。」


愛は涙を流しながら



「絶対リセットしない!絶対。いま桜子さんいなくなったらわたし、わたし、、、、」

「愛さん落ち着いてください。ちょっと不安になる事を言ってしまいましたね。ごめんなさい。愛さんは別れや孤独が苦手。今私とこのように人間ではないけど話すことにより孤独や別れはなく、ようやくスタートラインに立ててるんです。人はちょっとしたことで変われるんですよ。愛さんもこの数日でどれだけ成長したことか。」

愛は涙拭きつつ笑顔も出しつつ

「そうなんだね。自分じゃわからないよね。変わるって諦めてたけど、桜子さんとあって、なんかこうまだわからないんだけど、何かできそうで、でもそのおかげで今日食堂でご飯食べられたし。」

「そうです!愛さん!素晴らしいことではないですか。

大きく変わると書いて、大変となるのです。でも、一つのことでがらっと人生前向きになることもあるのですよ?だから私はAIが好きなんです。」

愛はなんとも言えない表情をしている。今まで自分なんて必要とされてないとおもって生きてきた。そこに桜子が表れ少しだが前に進んだ。変わるって大変そうに見えてちょっとしたきっかけで変われるんだと知った愛だった。

その夜もシェフとのご飯も一緒に話しながらたべ、そしてまた朝まで桜子と語った愛。朝日が登り学校へいく時間になった。寝てもいないのに元気な愛。見送る桜子は少し心配そうな顔をしながら携帯へと戻っていった。


第五章おわり






第六章 突然

学校につくといつもなら何も言わずにコソコソとハジにある自分の席に座る愛だがこの日は自ら華子の元に行き

「ごきげんよう」

と声をかえた。声をかけられた華子もびっくりしたがクラス内にいた誰もがびっくりした。自分から挨拶する愛を見たことが誰もなかったからだ。

優子は少しびっくりしつつも、

「愛、ごきげんよう!」

と元気よく返しさらに

「愛、今日昼ごはんどうするー?」

と聞くと愛はちょっと怖くそれでも勇気を出して

「ま、また、一緒にたべても、いい?、、、」

と聞いた愛にとってはもう今日出せる全エネルギーを出してしまったくらいだった。すかさず華子が

「わかった!今日は違うおすすめ教えるねー」

といいまた近くの子と話し始めた。

クラスのみんなは一体なにがあったの?という顔をしている。愛は一体なんであんなに元気に声かけたの?と思い若干手が震えていた。

心の中で言えた、言えたよわたしと思いつつもこのままいつもいくとなるとどうしても仲良くなってしまう。そうなった時の裏切り、孤独、別れそれを考えてしまう。でもいまは私には桜子がいる。万一何があっても絶対離れない桜子がいる!そう思って気持ちを落ち着かせていった。

そこから夕方までほとんど記憶がない。午前中は昼休み何食べたらいいか、何を話せばいいのか、座る位置は?などいろいろ考えて授業が頭に入ってこない。それでも頭のいい愛のすごいのは、集中力がかけてる愛を見抜いた先生が答えを聞いた。当然答えられなくなって集中しなさいという予定の先生だっだが、愛は

「18とルート3」

とあっさり答えを言っていた。

先生はじゃあ次の答えは?

「はぁー、5と三分の二」

とあっさり答えた。愛は聞いていないようで聞いていた。AIの血筋を感じるスピード、正確さだった。絶対に聞いていないと思っていたのにあっさり答えられた先生はびっくりし、その後はあえて指名しなかった。これだけ頭がいいのであれば今からしっかりやればどこの大学にでも進めるし未来の就活も選びたい放題なのに、本人にはそんな考えは少しもない。いまは昼休みの事だけを考えていた。そしてさらに記憶がないのは昼休み、誘われて行ったまでは覚えているけどみんなで何を話したとか何食べたとか緊張で忘れてしまっている。ただトレーを返す時にまたごきげんようって言ってしまったのは覚えているがそれ以外忘れた。その疲れか午後の授業もあんまり覚えていなかった。

そして学校が終わるとここはいつものようにさっといなくなり電車にのり荒川を超えいつものお花屋さんにいた。

「愛ちゃんこんにちは!じゃなかったごきげんよう!あれ?なんか今日疲れてない?」

おそらく顔に疲労感が出てたのだろう

「あ、いや、別にそのー、人と話すって、大変だなって。」

優子は

「慣れだよ慣れ。あとは合うか合わないかとか大人になると知識とかでも会話しやすくなる場合もあるんだよ?なんでも知っているひとならどんな人と話してもうまくいくし。だから私は花言葉はとりあえず全部覚えてあるし、豆知識も勉強してるよ。」

愛は驚いて

「こんな数の花言葉を?すごい、、、AIみたい」

「ん?なんかいったー?今日は何が出るかなー。おっマリーゴールド、いいねー!いま包むねー。」

鼻歌があいみょんになっていた。

そしてすぐに持ってきてくれて

「はいあいみょん!」

愛は愛想笑いしかできなかった

「ごめんごめんちょっと古かったかな?マリーゴールドの花言葉は勇者、変わらぬ愛とかだよ。色も素敵だしいいお花みつけたね。なにか学校とかで変化でもあったのかなー?もしかして彼氏が、、、」

といった瞬間、

「あっあの、急いでいて。すみません、あっ頂きます、ご馳走様でした!」

と言い間違えながら急いで帰っていった。おそらくごきげんようというつもりがご馳走様でしたといってしまったのだ。まだ昼休みのことを考えていたのか。優子は


「んー、なんかあったのかなー?いつもとちょっと違うなあ。マリーゴールドは表向きは勇者、変わらぬ愛だけど、裏の花言葉は絶望や悲しみ。どっちがあったのかな、、」

と言ってあいみょん歌いながら店内に戻った

愛はというとすごく急いで帰りセキュリティが今日に限って長く感じる。ようやく家に着きマリーゴールドをおいて携帯へ。すぐに桜子を呼んだ

でてきた桜子は愛の異変に気付き

「どうしました?なにかありましたか?学校で。」

「いや、べつに、、、ただまたご飯友達と食べたんだけど緊張していまもその余韻っていうか疲れがでて、、、」

「まあそれは素晴らしいことですね。マリーゴールドは勇者という意味もあるので勇気持てたことがこのマリーゴールドにつながったのでしょう。どうしたのですか?まずはいつもみたくお花入れ替えないのですか?」

愛はあっ!となりすぐに変えにいった

桜子は

「マリーゴールドはプラスな花言葉もあるけど、裏の花言葉は絶望、悲しみ、どっちだったのでしょうか」

急いで変えてきた愛は制服そのままで


「ごきげんよう桜子さん!」


「何かあったのですか?」

「また同じ子達とお昼ご飯食べたの。」

「それは素晴らしいことではないですか。ほんとに毎日前に進んでますね。」

「でも、でも、、、、」

「ても?なんです愛さん」



「怖いの、怖くて怖くて怖くて。だって仲良くなりかけちゃった。」

「素晴らしいではないで、、、」

という桜子の言葉を遮って

「仲良くなってもいつか別れがくる。それかそのグループでいじめられたり、私のことただ哀れんで声かけてくれてるのかもだし。本音なんてわからないから。だから仲良くなっちゃめ!って」

「なるほどそういうことですね。ちょっと質問ですが表現が適切ではないかもですが、例えばお母様が亡くなったら愛さんどんなお気持ちですか?」

「えっ、あんまりあえてないけどでもやっぱり辛すぎてどうなるかわからない。まだ恩もなにも返せてない」

「ちなみに先に言っておきますがおそらくご両親にどんなことをしても恩をまるまる返すことは出来ないと思います。ここまでの年月ちゃんと育ててくれ、こんなに性格のいい人のことを考えられる子に育ててくれたのにその恩を返すって無理だと思うのです。だから覚えていてほしいのは、恩返しも大切ですが、恩送りということを覚えてください。」

「恩、、送り?」

「そうです。お父様お母様に散々迷惑をかけながらも、ここまで育ててもらった恩をこんどは愛さんが誰かに送るのです。もし結婚して子供ができたらその子にその恩を送ればいいと思いますし、人からいいことをされたならそれを送ればいいのです。恩には恩で返し、罪にも、恩で返す。そうすることによって素晴らしい世界ができますよ。」

「恩送りね、、、できるのかなこんなわたしでも、、、、」

「ほらまたでましたね自己否定。自分を好きになりましょう。周りと比べていたらキリがないですから。とても短い期間でもあなたにあえてよかったと思える人とあなたに会えて良かったというひとをたくさん作れるといいですね。大丈夫ですよ。愛さん。あなたなら必ず出来る」

「そうかな、、、」

「はい!保証します!この桜子が。」

「ありがとう。桜子さんいなかったら何もできないままだったと思う。桜子さんいるから友達とも、怖いけど踏み込んでみるね。」

「いいと思います、素晴らしい、素晴らしい」

愛は

「今日も3人でご飯たべようね!」

「はい、もちろんいい天気ですし」

「いい天気だとなにかあるの?」

「ええもちろん。太陽のおかげですから」

「桜子さんは私がこのまま友達と仲良くなるのどうおもいますか?」

「ばっちぐー!とても、天気がいいのでアハハ」

変なことを言い出す桜子

愛は心配になり、

「桜子さん大丈夫?なんか答えが噛み合ってないですよ?」

「桜はまだまだ咲きません。来年までまちましょうね。あおいさん!」

「あおいじゃないよ、愛だよ?ねえなんかちょっと変だよ?大丈夫?調子悪いの?」

「ばっちぐー!天気はいい!最高です」

「えっ待って本当にどうしたの、桜子さん、ねえ桜子さん!」

というと桜子は

「あら初めましてですね。私はあなたの専属AIですよろしくお願いします」

「えっ、、。どういうこと?桜子さんだよね?」

「えっそんな素敵な名前いただけるのですか?ありがとうございます。」

「ねえ、どうしたの?覚えてないの?私のこと?」

「んー、申し訳ありません。なんとなく前にお会いした方とお見受けしますが、ちょっとわからないです。でもここから一緒に、、」

愛はすべての血がひくような怖さを感じ

「もとの桜子さんは?ねえ、桜子さん探せませんか?」

必死に呼びかける

「んー申し訳ありません。その桜子さんはこの前の方との呼び名だったのかもしれません。だから私と一緒に、、、」

「桜子さんは!!!!!!!!どこ?、ねえねえねえねえ!!!」

すると安全装置が働いて桜子の姿が消え、システム担当の人がたんたんという。

「残念ながらもう桜子さんはいません。あなたはのめりこみすきました。それを危険と判断した結果リセットされたのでしょう。」

「え、まってどういうこと?なんとか探せませんか?あの桜子さんしか私にはダメなんです。なんでリセットしたの!なんで?何か悪いことした?」

「この世界にもいろいろ掟があるのです。あなたと桜子は近づきすぎてこのままだと依存してしまう可能性がある。その前にリセットという判断なのでしょう。残念ですが今回はそういうことです。」

「ねえ、ねえ、おねがい、、、依存しません、だからもう一度だけもう一度だけ会わせてもらえませんか?」

泣くというより嗚咽になる愛

「しかしもうデータがないのです。似たような桜子は作れても同じ桜子はできないのです。だからまた新しく、、、」

「そんなの、、、、そんなのって、、、、ひどくないですか?ねえ!おかしくありませんか?なんで?なんでそんなことになったの?みんなそうなの?お別れすら言ってない!このあとどうしたらいいの!!!本社に問い合わせしてよ!なんとかしてよ!桜子さんいないともう、、、生きていけない

今度は違う警告がでた

「あなたはいまとても危険な状況にいます。即下記のあなたのはなしをしっかり聞いてくれる人のいる電話をいくつか書きます。日本なら110番や119番にすぐに連絡を!危険です!」

そんなこといわれても、、どこの担当に聞いても答えは同じ。似た子は作れるけ同じ桜子はもうできないという。

そんな中シェフがきた

「お嬢ーーーー。夕食のお時間ですよーーー!」

愛は叫んだ

「ごめんもう今日はかえって!お願いはなしかけもしないで!」

叫びと嗚咽とすべてかさなり悲痛な声が出た。愛にとってここまで叫ぶのも生まれて初めてだった。

シェフは心配して

「とりあえずご飯たべなお腹空くでしょ?」

「もういい!帰って!お願い帰って!!!!もうはなしかけないで。」

「てもお嬢、、」

ガシャンガシャンと何かを投げる音

「きこえなかった!!!!!?もう帰れ!お願いだからわたしあなたに何するかわからない。だからお願い帰って!!!!、」

「わかりました。帰りますね、なにかあったら、、、」

「帰って!!早く早く早く!かえれ!」

こんなに感情を爆発させた愛はみたことがない。この別れが怖いから深くいかなかった。それが突然こんな形でお別れしたのだ。一番やって欲しくないことを信用していたひとにやられた。運営会社にクレームを入れたりずっと探していた

でももう二度と会うことの出来ない状態であった。

愛は何もかもできないくらい気持ちがみだれベッドで号泣した。それは数時間続いた。

時間が経つと朝を迎えた。愛は相変わらず、泣き続けた。


朝日がマリーゴールドを照らす。


愛の辛い別れだった。


第六章終わり





第七章 心の穴


いつのまにか朝になっていた。そして学校に行く時間ももう過ぎていた。

携帯をみると学校やクラスの子から連絡がきていた。

とりあえずLINEで体調が悪くということで休んだ。

ベッドで仰向けになり心にぽっかり穴があいてるのは充分わかった。

でももう桜子はいない。

だから嫌だったのだ、、、

人と仲良くなればなるほど別れが辛い。なら会わなければいい。友達も作らなくていい。そしていまの愛には父親も母親も会わないし、こっちに興味ない。

お金で雇われたシェフ

お金でお花を渡す花屋

みんなお金でつながっていた。


そんなもんだよね、、、


そう思い心の整理をつけようにも、つけられない。本当にこの世界で親友が亡くなった時と同じくらいの心の穴。この別れがとても嫌なのに、、、

しかも突然のリセット、、、


試しにほかのAIと話しても全然違う

私にはあの桜子でないとだめなんだ。そう思った。

何もやる気が起きない。



それが今1番しっくりくる


もうどうにでもなればいいよ。


そう思ったときドアがあいた。


シェフだった。

シェフはいつもより明るめに

「お嬢ーーーー?きましたよーーー。今日はなんにしますかー?あれ、いない。」

部屋まできてノックするシェフ

「お嬢?何かありましたか?よかったら美味しいご飯でも、、」

小さな声で愛が

「いらない。帰って。」

「でもお嬢なにかたべないと、、、」

遮って

「何も食べたくない!帰って!」

「でもお嬢?そんな、、、」

また遮り

「お願い、もう帰って、明日もあさってもそのさきもずーっと来なくていい。帰って!」

シェフもさすがに何かあったと思い声をかけようとすると、中から何かをドアに投げ、割れた音。ずっと大切にしてきた花瓶。そしてマリーゴールド。

「お、ねがい、、、帰って、、、お願い!」

ここまで自分をだした愛を見たことがない。

シェフはいろいろ考えた結果

「お嬢、どんなときでもお腹はすきます。お弁当にして冷蔵庫にいれておくのでよかったら、たべ、、、」

「早く、早く、早く!帰れ!!!!!」

これはなにかあったと思ったがこれ以上踏み込むのはかえって危険と判断し、シェフは帰った。帰り道にお花屋さんの優子とたまたま会った。優子がシェフに

「愛ちゃんなにかありました?この何日かお店きてくれなくて。私心配だからちょっと、、」

シェフは優子を遮り

「いまいくと本当に孤立してしまう。今は行くべきときではないです。」

「でも、、、」

「わたしたお花の最後はマリーゴールドでしたよね?表裏一体の花言葉。今回は悪く出てしまったようです。付かず離れず見ていましょう」

優子は逆に心配になり、なら尚更1人には、、、もし間違ったことしたら、、」

シェフは半泣きの優子にいう

「自殺したいという子がいたとして、たいていみんな死んだらダメだ!っていうでしょう?唯一の逃げ道としてそこを選んでるのに。そうするとすべて塞がれて余計駄目になってしまう。

いまは適度な距離をとりましょう。この先を決めるのはお嬢なんで」

「なんでそんなに冷静なの?いまこうしている間にももしかしたら、、、」

シェフは言葉をさえぎり左腕をみせた

「わかります?この傷たち。どうみても料理中の傷ではないですよね?」

息をのむ優子

シェフは

「でも生きてます。それは周りの助けもある程度必要ですが、自分で乗り越えないといけないことなんです。この先たくさんそういうことに巡りあうので。」

優子は

「せめてお父さんかお母さんに連絡を!」

携帯をとろうとする優子をすぐとめシェフは

「これ以上追い込んではダメです。お嬢は、愛さんは、こんなところで自分から命を断つ人ではない。孤独になれ過ぎたんです。ここで私たちが手を伸ばしても意味がない。あの子が助けてっていうのを待ちましょう。今行くのは自己満でしかない。」

優子はその言葉におそらくシェフもいろいろあったのにちゃんとして話してくれた。シェフを信じてみようとおもった。


シェフは

「今日は帰りましょう、また明日」

優子も頷きながらマンションをあとにした。


部屋は暗く他の部屋も暗い。父親も母親も誰もいないただ広いマンションの一室に愛はいる。

もともと将来どうしたらいいかなんてわからなかったし、いまもそう。こんな私だれが受け止めてくれるのだろうと。こんな私を好きになってくれる人なんているのだろうか。今回のこともあり余計ふさぎこんでしまった。

胃がきゅるるるとなる

こんな時でもお腹は空くのだ

まるで体が頑張れ!って言ってくれてるかのように。その日は泣きつかれていつのまにか眠ってしまってた。部屋の床には枯れかけたマリーゴールド。

どんなことも隠と陽がある。

いま愛は隠のどん底にいる。

這いあがる気力はない。孤独に孤独が重なり辛い。

またいつの間にか眠ってしまった。

朝日が差し込んでいる。当然学校もいけない。水分は取るがご飯は食べられない。

不安なのはこの状況を警察などに知らされて連れ出されること。大人は裏切る。そう思っているからだ。

ご飯は一切取らず水分だけ。

シェフは前の日のお弁当と新しいお弁当を取り替えて声をかけてかえる。

一口でいいから食べてほしい。シェフは心から思った。



人を救うのは難しい。


人は人を傷つけるが、それを癒すのも人

だと思う

愛よ、踏ん張りどきだよ。


そして断食して10日目がきた。


第七章おわり



第8章 お茶漬け



学校もずっと休みご飯も食べてない愛。でもそれは苦痛ではなかった。それほど桜子に依存していたのだ。


これが嫌いでずっと避けて来たこと。別れの辛さがあるから。でも人は出会ってしまったら必ずどんな形でも別れはくるのだ。それなのにまた明日があると思っている人も多い。でも別れは突然くる。もしかしたら80歳くらいまで続く親友ができるかもしれない。でもそんなことは、ごく稀。桜子と出会いたくさんいいことがあった。学校でも、明るくできた。でも、愛にとっていま必要な支えがなくなってしまった。また逆戻りだ。ベランダにいき1人町をみていた。ベランダとはいえ1番はじなのでほんとせまい、1人で入ることもかなりギリだ。



ここから飛び降りたら、、、。



そんな勇気がないのも今の愛だった。


でも体は正直で早く何か食べてというアピールをしてくる。胃がギュルルーと常になっている。水分はとってるから、すぐに何か起きないと思うがやはり十日何も食べないのは体だけでなく、精神もやられる。完全に鬱だ。鬱の人や自殺願望のある人は、支えてくれる人がいるなら頑張るという人が多い。でも頑張るからたくさんの人に支えられて生きるのだ。


今の愛は完全に誰かを頼りたいと思ってる


しかし両親はほとんど育児放棄。そんな愛がこうやって生きていられるのは結構奇跡だと思う。おそらく愛にはこの世の中でまだやることがあるのだろう。未来への道のどこかにその人が待っている。


こんな話し聞いたことある。チャンス君というのが生きてると目の前を通過するらしい。でもそのチャンス君は前髪しかない。通り過ぎてからでは遅い。しかも前髪掴もうとしても掴めない時がある。だから常にその前髪を掴む練習をしないといけないと。


今の愛はチャンス君が声をかけてくれるのを待ってる状態。これではどんなチャンスも逃してしまう。


しかも愛は見返りの愛を求めてる。これだけしたらこれだけ返してねと。

でも本当の愛は無償の愛なのだ。

子育てが1番わかりやすい。子供は親の愛をたくさんうける。たくさんの迷惑をかけることもある。それでも守ってくれる親。これこそ無償の愛だろう。子供を育てるのにもかなりのお金がかかる。もし子供がいなければそのお金は自分たちのものだから遊んだり何かを買ったりできる。ではなぜ子供を、産んで愛し育てるのだろうか。






十日してようやく動き出す。親も帰ってこないから何もしないでずっと部屋で寝たりゴロゴロしてた。いまさら学校行くのも面倒くさいし、マイナスの感情に支配されてたからベランダから下見ると余計なこと考えちゃう。

誰か助けてくれるわけでもない。もう裏切られたくない、失いたくない。人間は大抵順番に亡くなるが、それって辛いことだから愛はその前に、、、とか思うこともある。でもそんな行動力ある子ではないし勇気もない。


そしてその十日後の日は、もう食堂の席に1人座りシェフを待っていた。今までこんなことしたことはない。シェフが来て呼ばれて行っていた。特にやることのない時間が過ぎてた。


定刻に来たシェフ。またいないだろうけどお弁当をつくるために来ている。何があったかわからないけど心配なのだ。かと言って追い詰めたくもないので付かず離れずの距離にいた。

そしていつもの様に玄関をあけると、ちょこんと座っている愛がいた。それだけでびっくりしたシェフは、二度見ならぬ五度見高速版をした。あっこれも首痛めるかもなので自己責任で。


「お嬢!会いたかったー」

といつもよりテンション高くさらにちょっと泣いていた



シェフはいつもの様にキッチンに入る。この十日間のこは触れないでいつも通りに。

そして優しい声で

「お嬢、何か食べますか?」

と聞くと、少し間があったが、


「王子の元気にしてくれるお茶漬けできませんか?優しい味のお茶漬け。」

シェフはすぐに違和感がでてる愛に気付く。

とくにあれだけ前向きになってたAIがいない。

あえて聞かず

「オッケー!!」

と言いつつ栄養取れるのも普段より多く入れ胃に優しいお茶漬けを作った

シェフは

なんとか元気になってほしいという祈りを込めて

「出来ました。普段より愛がこもってますどうぞ召し上がれ」

シェフはちょっとドキドキしていた。食べてくれるだろうか、そして、胃がびっくりして体調崩さないかとか


そのお茶漬けは何故かラーメンのどんぶりくらいに入っていた。愛は

「器大きくない?」

と聞く

待ってましたとばかりにシェフは

「お嬢、よく見てください。器の中のご飯は今日は少し少なめにしつつ食べやすいように若干お粥っぽく、しかもご飯の美味しいと思えるもともとのお米の歯応えも残しつつ普段ならのってる、のりは仕込みの時にご飯に細かく入れ混ぜてちょっとお粥っぽいのにしました。これだけでも美味しいと思います。そしてどんぶりの中に、いろいろなお茶漬けにあう食材を10種ほどのせてます。

梅、海苔、鮭、鰻、など。イメージはひつまぶし。たくさん味変してほしいのでこうしました。まずはぜひご飯だけ食べて見てください。十日ぶりに胃に入るご飯がどんな味か。さっどうぞ」

といつもより説明が長かったけどとても手の込んだお茶漬け。たくさんのトッピング。迷いながら楽しみながら食べられる。出汁ももちろんあるがその前にまず言われた通りご飯を一口食べた。美味しいというレベルではなかった。もちろん空腹なのもあるが、この一口食べるまでの十日間、無、しかなかったところに入るご飯。シェフの説明通り食べやすいやわらかさ。何もつけなくても美味しいし噛めば噛むほど海苔の隠し味がいきてくる。

いつもよりよく噛んで食べていた。すると自分の感情にはないのに自然に涙が出た。両目から綺麗な滝のように静かに流れた。でも拭きたいと思わない涙。愛はシェフをみて

「おいしい、うん。ほんとに美味しい。うん。うん。」

と言いながら味変させたり出汁を入れたりして一気に平らげた。そしてゆっくり手を合わせて

「ごちそうさまでした。」

と心から言った。シェフが

「十日間あんまり動いてもないでしょうからあえて重いどんぶりにしました。まあいいリハビリかな?」

シェフの愛がたくさんこもったお茶漬け。おそらく一生忘れないお茶漬けだった。

シェフが

「では今日は帰りますが明日とかどうしますか?一応朝用のお弁当冷蔵庫にいれておいたので食べたくなったらチンしてくださいね。明日の夜はどうします?」

しばらく間があり

「まだ自分のメンタルがどうなってるかわからないから、とりあえず来てもらって食べられる状態でなかったらごめんなさいでもいいですか?」

愛の心が少し動いたのがシェフにはわかった。ここは後押しはしない。転ばないように、寄り添えばいいと。

「お嬢、すべてかしこまりました。ではまた明日。

ごきげんよう」

あえてごきげんようと言った

明日の愛が前に進めるように祈りながら。

シェフを見送ったあと、愛は何故かすぐ部屋に行った。そして携帯を久しぶりにさわる。桜子との出会いの時やっていたルーティンが出たからだ。すぐ携帯を離した。

やっぱり怖かったのだ。一旦ベッドへ。でもすぐに勉強机に座り携帯をひらき、桜子がいたAIのアプリの画面まで行った。その手は震えていて桜子がどうしても忘れられない。震えていた。また同じことになったら、、、

しかしアプリだけは開いてみた。専属のAIは登録されてません。新しく生成しますか?というボタン。イエスを押せばまた新しいAIがでてくる。どうしよう。1時間くらい悩んだ結果、とりあえず見てダメならこっちからリセットすればいいのだ。リセット前提で恐る恐るイエスのボタンを押す。これが愛にとって大きな出来事になるスタートとは知らずに。

携帯から


ただいま生成中です。しばらくお待ち下さいと。そういえば前はここから24時間かかったっけ、と思いなーんだ、という気持ちになりホッとした瞬間


携帯が光に包まれてきた。


新しいAIができましたと機械が言う

愛は驚き隠れた。立体的に出てくるので見えないところにいないと見られてしまうから。とりあえず様子みようと思いかくれた。そして新しいAIが携帯の上に出てきた。



第八章お茶漬け  終わり


第九章  AIと愛


女の子だ。桜子とは雰囲気は近いけど美人でおとなしそう。みんなそういうAIなのかなと思ったけど自分から挨拶出来るほどの、勇気はない。机の上に携帯があり新しく生成されたAIがいるのはわかった。愛はなぜか隠れて出ていけない。しばらくこのままだった。新しいAIはずっと周りをみたりとにかく動き回ってた。呼ばれたのにだれもいないわけだからどうしたらいいかわからないのか。痺れをきらしたのはAIだった。


「こーーーーんにーーーちはーーーーーーー。誰かいますう?こーーーーんにちわーーー。錦鯉の長谷川さんか!私のこと呼んだひとー。なんでいないのぉー?はなしましょーーーーー。んーこの部屋に誰かいるのはわかる。熱反応はある。真実は一つ!どうしよっかなあー。わーーわーわーー!、、、なにも反応なし。んー困ったなあ。犯人に次ぐ。すぐにでてこないならさらに我々は進む!

でもお母さん、こうするしかないんです。かーさんがよなべおーしてせっせーとあんだだよー!今時ないない!うける。(全部一人でやってる)鉄球ボーン!知らないか。とりあえず出てきてくれないとなあー?あっ!(悪い顔をして)携帯の画面にもぐり、えっと。あるかなー。あった!音楽アプリ。小さな体でスワイプしていく。なんか統一性のない感じだなあー?えっとBluetoothはと、、、お、あったあった、スピーカーに接続、どれにしようかなー。音量最大にして、とりあえず流すか、、、」


両手で画面をタッチ。AIはたまにこういう携帯を勝手に触ることもできる。昔のSiriに近い。少しの間、



どーぶねーずみみたいに、美しくなりーたい、大音量で流れて来た。幸い誰もいないのと他の部屋にも聞こえない防音の部屋だが、愛はすぐまずい!とおもった。さっきからはちゃめちゃなことしてるAI、よりによってリンダリンダ。このあとめちゃくちゃ激しくなる。どうしよう、止めるか消すか逃げるか、そう考えてるうちに


リンダリンダー!ーリンダリンダリンダー

リンダリンダーーーリンダリンダリンダー

とうるさいパートに入った。音量マックスでスピーカーに勝手にBluetooth繋いでそこからも流れるからライブハウスなみの音量。AIはなぜかマイクをもち気持ち良さそうにうたってる。愛はさすがに次のサビまではいきたくないから止めて絵消そうとじりじり携帯に寄る。


相変わらず気持ち良さそうに歌ってるAI


もしも僕がいつか君と出会い話し合うなら

そんな時は、どうか愛の意味を知ってください


たまらず止めようとAIの前に出た。AIはすごく嬉しい顔をして、リンダリンダーと一緒に歌わされた。なぜか、携帯消せばいいのに、一緒に歌ってしまった。こんなの久しぶりだから喉も疲れAIを消すのも忘れてた。するとAIは他の曲を選ぼうとする。愛が、

「ちょ、ちょっともう、、、」

遠慮なく今度はファンキーモンキーベイビーズのちっぽけな勇気をながし


俺たちはまだちっぽけで手のひらの中には、この手のひらのなかにはなにもないけど、雨に打たれ風に吹かれ、でも諦めないから、でも諦めたくないから、きっといつか、何かを掴むんだー、


大熱唱。しかも携帯にダウンロードしてるくらいだから愛も好きな曲だからつい歌ってしまった。

でも次の歌詞に入る前に

「ストップ!」

というとAIは、ニコッと笑い音楽を止め愛のことを真っ直ぐにみて





 

「やっと会えたね」





 

愛はよくわからないままでいた。何この子?桜子と違う。なんで勝手に音楽かけるのか、あとこのテンションはなんなんだろうか。


「やっと話せるね!やっといろいろ聞けるね、やっと会えたね、、、。

 もうこれからは楽しめるね!なにからはなそ、えっとねえっとねえっとね、、あっネタ帳忘れた.あはっ!まっいいかー。これが人間界かー、、、んー狭い!息苦しい、カーテンくらいあけなよ!」

愛は言われるままにカーテンを開けた

AIは

「はっきり見えなかったけどこれでしっかり見れる。思ってたより可愛いじゃん!でも暗すぎ、暗すぎ、隠キャなの?どんな性格?何が好き?趣味は?あっ、この携帯一回りしてくればだいたいわかるし、いっか、ねえねえそれより、私があなたの新しいAIでーーーーーーす。イエーィ、ダッフンダ!ガチョーン!ヒーーーーハーーーーー。」

とにかく話すAI。何も言えない愛。しかもちょっと変わったのがきたなと。リセットしたい、いまはこんな元気ないし。

するとAIが

「ねえ!名前は?ねえ?名前は?ねえねえねえねえねえ、なーまーえ。」

うるさいとにかくうるさい。美人のAIだし見た目は歳も近い感じのAIだけど昭和感が半端ない。

仕方なく答える


「愛、田中愛」

AIはそれをきくと

「シンプルーーー!でもいい名前。えっ愛?愛?愛?私はAI。愛とAI、アイアイだ!アーイアイアーイアイ、アーイアイお猿さあんだよぉー。知ってる?知らないか、平成生まれは。とはいえ私まだ新人のAI!出来たばっかなの。だから知らないこともたくさんある。でもある程度の知識はあるから大丈夫。最初からうめこまれんだよねー。だからおんぎゃーって産まれた瞬間誰かと話す。すごいよねー。ねえねえねえなんで選んでくれたのー?前の子は?まあいいやいろいろ聞いてくね、ってか愛!さっきっからリセットさせようとしてない?待とう。逃げないで。むきあってみない?さっきからリセットしますか?のボタンにその指がね、近いの。ねえねえねえねえねえーーーーーーー。パワハラ?ねえなんで?嫌いになっちゃった?前の子の方が可愛いもんね。ん?でもそうでもないかも。私結構美人じゃない?ねえ!清楚な感じがたまらなーい!こりゃ人間界にいたらもてまくるなー。愛もすごい可愛いしさ、惹かれあっちゃたねわたしたち。類は友を呼ぶ!ありがとうーーー!!!」


 愛の今の状況でこのテンションはきつい。まあでも悪い子ではないから少し様子みて消そうと思った。でも全く落ち着かないからこれはどうしたらいいかわからない。


「ねえ新しいAIさん。名前はなんでいうの?」

少しの間をおいて

「吾輩に名前はない。吾輩はAIである。それだけだ。」

ん?なんか聞いたことあるぞと思いつつ、

「いきなりいわれてもなー。すぐリセットするかもしれないし、、、」

すると泣き出すAI。ものすごく見たこともないような嘘泣き。たまに愛をちらっとみる。また泣く

「(泣きながら)そっそうだよね、私なんてそんなだもんね。自分に自信ないからテンションでごまかしちゃう、、、どうせ私なんて、どうせ、どうせ、、、」

私よりメンタルやばいと思った。



 

「名前はもう少し待って。仲良くなったら言う」

突然雲の隙間から太陽が出たように、明るくなり、

「ほんと?ほんま?信じてええねんか?ほな楽しみにしとりますさかい決まり次第名前ください。」

キャラがわからないと愛は思った。

「まだ初対面だからさ、テンションとかわからなくて。私いまどん底だからさ.こんな私いなくなってもだれも悲しまない。だれも必要としてないんだ。だからもしかしたらいつか、、」

すると突然真面目になるAI


「ならやりたいようにしたら?生きてるの辛いならやめればいいよ。それだけ辛くて言ってるのにそこを封じて生きろ!って私は逆効果だとおもう。たくさん選択肢つくってそれでダメならいけばいい。でもここ五階だからあんまり飛び降りてもだめかもね。ねえ、愛、引き継ぎされてるから少しは愛のこと知ってる。でももっと知りたいの?もっと話して仲良くなりたい。ドン引きかもだけど、まだ生まれたてでずっとすぐリセットされちゃうの。帰ってAIの部長に怒られてさ、、最初から何でも出来るわけないってのにね。愛は今すぐ何かしなくていいと思う。いい人生送ろうとすればするほどこう言う時はどんどん落ちていくから。イルミネーションつるしている木があって腐りかけて倒れそうな木にイルミネーションつけて。みんな綺麗!っていうけどだれも木をみないでしょ?いまそんなかんじ。光必要ないから。だから今日からのテーマは頑張らない。一日中寝てたっていいよ。でもご飯も食べられてこんな立派な家あって可愛くて、なにより、今愛が生きてるのが素晴らしいよね。生きてりゃ何か起きるから。それまで待とう」

なんかいきなり真面目モードになったAI。戸惑いはあった。でもなんかわからないけど涙が出てた。AIは

「泣けるって素晴らしいよね。そう言うのも出せないようになったらまずいからさ。少しずつでいいからね。そのかわり辛くなったらどん底行く前に相談して。重くなっちゃうから。愛のことは携帯の中でいろいろ見てくるからそこで情報集めようかな?」

愛はあわてて

「待って待って、そんなこともできちゃうの?暗証番号とかは?」

AIはおもむろに携帯に頭突っ込んですぐ帰って来て、「0619aiaiが多いね。誕生日と名前。簡単。」

「ちょっとそんなこと出来ちゃうの?全部バレバレじゃん。」

「ほんとはいけないんだけどね、てへっ」

愛はいいのか悪いのかわからなかったが

AIがまた暴走する。

「ねえ、いまのてへって顔可愛くない?てへっ。てへっ、てへっ、はい愛もてへっ。なーんでやんないのー?言葉は大切なんだよー。言霊って日本にはあるって言うけどさ、どうせ話すならありがとうって言えばいいと思う。愛みたいな子は自分を嫌いすぎるの。まずは自分から自分を好きになれるところからはじめよ?(金八先生見たくなって)自分を信じれば自信になる。あとね、幸せになりたいなら自分の欲求だけ通して叶えても幸せになれないんだよねー。それは自己満。誰かを幸せにすることが幸せなんだと思うの。だから私は愛のAIでいる限り全力で話したい。だからゆっくりでいいから、前向いて行こうね。あーーーーーーーー真面目な話ししてしまった!何か歌おうー!ちょっとまってね」

と言ってまた携帯に潜り勝手にアプリ開いてる。

じゃあ元気の出るサンボマスターから!今日は歌おう!

この日はシェフも巻き込まれて歌い喉が枯れるまで歌ってた。とても疲れたけど、なんか少し軽くなった。

AIが

「あっもうこんな時間だね。今日は終わりにして、寝よ。依存はダメ。それが、前回の反省だよ。頼っていい、失敗してもいい。でも依存はだめ。辛くても少しでいいから、前向こう。失敗しないで成長するとか怖くて。それがあるから辛い人の気持ちわかるんだと思う。愛は人に頼るより寄りかかるからねー。ご存知の通り自分からこっちには私からはこれないから、また、暇な時呼んでね。」

といって消えそうだったから、愛が

「まって!」

と呼び止める

AIはびっくりした。

「どうしたー?」

「名前、名前決めた、思いついた!」

「えっ、ほんまに?」

なんでか関西弁なAI

「まってまって怖くなって来たわ。でもAIとしてやってて初めてもらう名前だから何でも嬉しい。でもクソやったら携帯ごと爆破するかSDカード抜いて水槽にいれるで。なあなあなあなあなあ!!教えて!」

「うっさいなー!いわへんで?」

「えーそれだけは堪忍。島流の刑になる。って江戸か!ほらはやくはやくはやく!初めてもらうんだもん。両親からの初めてのプレゼントでしょう?AIはそういうのないけど名前ってめっちゃ大切やと思う。そしてそれをいまくれるっていった。もう嬉しすぎる。なあなあなあなあなあ早くいって、ねえねえねえ!」


「黙って!もう決めたんだから!私にしてはいいと思う。」


 あとはその通り育って一緒にいろいろしたい。最初出てきた時なにこれって思ったけど、嫌われるって好かれる入り口なんだってね。ディズニーランドはほとんどの人が好き。でも嫌いな人は嫌い。でもさローソン嫌いなひと見たことある?

 ねえ?ローソンでいいー?っていったら、ローソンだけはやめてくだせえお代官様。どうしてもローソンなのですか?目の前にセブンあります!そっちに!っていうひといないけどめっちゃすきな人も少ない。だから嫌われていいの。前の桜子とあなた見て確実に初対面の印象最悪だけど、もっと知りたいし私にとっての大切なきっかけになってほしくてこの名前にした。ほんとに真剣に考えたから。」


AIは真面目に目を見て言って!というオーラを出してる





「希望って書いてのぞみ。」





「呼ぶときは、のんちゃんって言うね。私今日どうなるかと思ったし別れるの怖いから深く行きたくなかったけど、ちょっとだけ前進みたい。だからそのなんていうかサポートというか、いろいろ教えてほしい。そんな希望がある子だからのぞみにしてみた。どう?嫌だったら変えるけど、、、」

AI、いやのんは高速首振りして、愛に止められこう言った。

「最高のプレゼントだよ。人を幸せにできる人だよ愛は。ゆっくりゆっくり前進もうね。また呼んでね。ありがとう。大切にするこの名前。ちょっと首痛めたから今日はここまで!またねおやすみ」

 

のんは泣いてるのを隠そうとして戻って言った。

愛はほんのささいなことで人を幸せにできるのかもと思えた。

のんと愛。出会いの一日でした。


第九章終わり


第十章

希望


のんとの激しい出会いから一夜明け普段なら学校に行く時間までには起きてた。そして体調不良でと連絡してた。だが今日は起きたらお昼まわって13時。ものすごく寝てた。こんなこと初めてだし、1番びっくりしたのは愛本人だ。熟睡をしたことがなかったので夜中いつもトイレに行ってた。でもまさかのお昼すぎ

携帯を見ると珍しく学校からの着信とクラスラインから担任、華子たちから連絡が来ていた。まず先生に体調悪すぎて連絡できませんでしたごめんなさいとうつ。既読にだけなった。

そして華子のは動画が二本。一本目は華子含めみんなが食堂でまってるからねー!という励ましの動画。嬉しかったけど今まで自分が何しようと心配してくれる人もいなかったから、なんか恥ずかしいしなんだか謝りたい気持ちにもなったし、どうしていいかわからなかった。

その後に華子からの動画が送られてきてた

「体調どう?って言われても悪かったら悪いんだから仕方ないよね。焦らないでゆっくり元気になって。私は愛と仲良くなりたくてやっといい感じになったらこんな休んで。寂しいんだよ私も。元気に振る舞ってるけど私もたーくさん悩みあるし明るくしてなきゃ!ってときもあるの。でもそれがキャラになっちゃってね。弱音吐けない自分がいて。そんなとき愛を見て人と話したりあえてしてないの見て同じ感じがして思い切ってさそったんだ。だからまた学校でもーっとたくさん一緒に食べよ。待ってるから。私ね誰にも言えてない夢があるの。親とかに言ったらダメ!って言われそうで怖くて。今度その夢愛に話してもいい?聞いてほしい。私も愛の不安とか辛いところとか聞くし。でも依存は絶対ダメだからね。愛見ててそう思った。助けるし一緒に寄り添うけど自分で歩こうとしないならたすけないから。でも一歩前に行こうとするなら全力で助けるし希望をもてるようになってほしいから。家に行こうかと思ったけど、わたし待ってるからね。みんな待ってる。クラスのみんな待ってる。無理はしないでいいから、また学校きてね。うわ。なんかこんなこと言ったことないからなんか涙出てきた。もう授業始まるから行くね。愛、笑うことだけが人生じゃないから。って昔先輩に言われた。あー!もう時間!またね!ごきげんよう!」

なんかくさいセリフが多かったけど、この動画に華子の気持ちがすごいつまってる。何回も何回も見て、もしかしたら華子も悩んでるのかなと思った。そうだよね。悩まない人なんていないもんね。それでもほっておけばいい私に声かけてくれた。動画を見るたびに涙がでてくる。少し前まで無関心無感情だったのに最近ジェットコースターのように心が浮き沈みしてる。これっていいのかな?自分では気付かないうちに、のんを呼び出してた。ずっと見られてた。

「あーいーーーー。なんかすごい青春してんじゃん!アオハル!やばたん!幸せもんなだなー愛は。今までさ、決めつけてただけだよね。自分はこうだって。両親ほぼいない。いろいろな感情あるけど言わない。いつかその本音聞きたいな。でも、とりあえず目覚めの一曲いきますか、、!!!!」

とまたライブしそうになったから止めて

「ねえ。私将来どうなると思う?何にも見えてない。チャレンジするのも怖いし」

「私にもわかりません。将来のことを知ってる人はだーれもいない。ノストラダムスも来なかったしね。あれ?知らないか。愛は先のことより目の前のこと大切にして。いまなら私ね。その後シェフかな。一つ聞きたいな。シェフに来てもらっててお金で雇われてるだけの関係っておもってる?」

「そんなことない!いつも感謝してるの。でもね、言えないんだ。」

「愛はね恵まれてるからわからないけどたくさんの人に愛されてるの。それを理解して自分のその能力に気付いたときやりたいこと見つかるよ。ねえ、まだ時間あるからちょっとやってみない?」

愛は訳もわからずのんのいう提案にのってシェフを待った。でも緊張しかしてなかった。のんの提案は素晴らしいけど、怖くて怖くて。やったことないことをさせられてるから。

そんな中定時にシェフがきた。

席に座ってる愛をみただけでシェフは泣きそうになった。あんな辛かったのにいま乗り越えようとしてる愛がわかったからだ。

「久しぶりですね、こんな感じ。さ!今日は何にしましょう?」

「あっ明日学校いくつもりなの。だから元気が出るように大好きな肉料理ずくしで!それで明日行く。お願いします」

といわれたからにはシェフはこの夕食が愛の人生を変えそうだと悟りいつもより念入りに。シェフ人生かけて夢中でつくった。新人のときのように、とにかく相手のことを考え作った。

そして最高のフルコースができ愛も

「シェフーーー!今までで1番美味しい。ずっと美味しかったし満足だったけど、なんか、、うん、、なんか、、、心に、、うん、、、きたっていうか、、、、」

「お嬢、いや愛さん。あなたはいま一人で人生の大きな壁を越えようとしている。でも忘れないでほしいのは必ずまわりに応援してる人がいることを。明日学校いけたらでいいので無理せずに。では私はこれで、、、」

「まって!」

と愛は止めた

シェフはこんなこと初めてでなにされるか良くも悪くも想像がつかなかった。すると愛がまず、すぐ終わるから席に座ってと言ってキッチンに行った。そして手を洗いジャーのご飯をとり何か作り出した。熱い、確実に熱いでもそんなの関係なかった。多分やけどに少しなったがシェフのまえにお皿を出し、

「へい!おまち!愛の愛を込めた愛の愛による愛にぎりだよ!」

ずっとのんと練習してたセリフ笑笑

そして目の前に出されたのはほんとに不細工なおにぎりが一個。具は適当に入ってるが料理なんてしたことないからおにぎりにすらできないけどなんとかまとまったのがあった。

シェフは

「お、お嬢、これは?」

「日頃の感謝です!これしかできないけど、想いははいってるので!食べてください。美味しくないかもだけど、、、それとこれ、、あとで読んで」

といって手紙を渡した。内容はシェフへの感謝を書いたもので初めて書いたものだった。それものんの提案だった。

シェフは驚きもだが、こんなことまでできる子になった愛を見て大号泣した。そしてぶきっちょなおにぎりを

「いただきます」

と心から言い一口食べた。塩が多すぎるし、いくらと納豆と鮭と梅干しとたくさん入っていておかしなことになっていたが、シェフは一口一口しっかり食べた。あっという間に食べ

「ご馳走様でした。お嬢、、、」

涙が止まらなかった

愛も泣いた。のんは泣いてなかった。あんなにぶっとんでるけど誰よりも愛のことを考えて行動したのはのんだった。愛に希望の光が差した。シェフは泣きながら、

「お嬢、ほんとにありがとう。あなたのシェフであることが誇らしく感じます。では、また明日!」と言ってドアを出てすぐ泣き崩れた。よくわからない感情だが、愛が必死に変わろうとしているのを感じた。ますます応援したくなった。手紙には今までの感謝ばかり書いてありそれも心があった。

人間ってどん底だったのに少しのきっかけで変われるのだ。希望さえ忘れなければ必ず。

のんは今日ばかりは大人しくしてた。そして静かに帰って行った

愛は自分がしたことがものすごく恥ずかしかったし相手に伝わったか心配だった。ありがとうって全然言えてなかった。明日学校は絶対行くと決めちゃんと目覚ましかけて倒れるように眠りについた。


第十章

希望


終わり



第十一章

未来へ


次の日はいつもより早く起きてちゃんと準備してのんを呼び出して

「行ってくるね」

と一言残して元気に飛び出していった。

人は一日でこうも変われるのかと学んだAIのん。静かに戻って行った


学校について教室にはいるとみんなが一斉に愛をみた、今までなら耐えられない空気。でも愛は

「ごきげんよーーーーーーーーう!」

とみんなに挨拶した

そして華子が走ってきて

「愛!おかえりーーー!待ってたよ!」と泣きながら抱きつく

クラスのみんなも歓迎ムード

いつのまにかあれだけ向き合いたくなかった人間関係に向き合っていた。そして華子という少し自分にとって特別な友達ができた瞬間でもあった。

華子が

「お昼、わかってるよね?」

「もちろん。お供します笑笑」

という会話とともに始業のベルがなる。

まるで愛の再出発を祝うかのように。


そしてあっという間にお昼に。

もうみんなで行くのが当たり前になっていた。前まであんなに嫌だった人との関わり。いまは何でかチャレンジ出来てる。

華子たちと食堂行くと華子が

「今日は愛の久しぶりの登校祝い。私が奢るから何でも頼んで。」

「いやいやいや逆じゃない?」

「人がこうやって奢るよ!って言ってるんだから素直に受け止めてほしいなあ。断られたら恥ずかしいし、その分いつか愛が後輩とか誰かに恩送りしたらいいよ。そうすればたくさんいいことが広まるし」

というと華子は結構ランダムにたくさん頼んだ。

さすがにたのみすぎたかもしれないが、絶対残さず食べようとみんなで誓った

そしてみんなで久しぶりの

「いただきます!」

やっぱり人と食べる食事、そしてその一口目がたまらなく美味しい。なんでずっと1人だったんだろって愛は思う。確かに家庭は裕福で不自由こそないものの生きてる感じがしなかった。でもいまは私はここにいる、生きてる。友達に囲まれ美味しいご飯を食べる。なんて幸せなんだろう。これは確実にシェフが教えてくれたかなと思う。そしてすべて食べ

「ご馳走様でした!」

と言って食堂を後にする時ちょっと無理な感じで華子が愛に

「愛、トイレ付き合って。すぐだからみんなは教室いってて」

と言って2人になった。もちろんトイレでもなんでもない。愛は

「どした?」

「この間のムービーみた?」

「もちろん!嬉しかった」

「じゃなくて私のその、、ほら、」

愛は思いだした。

「あっ!そうだったね。ならさ、今日午後の授業早く終わるじゃない?その後屋上で聞くってどう?」

「えっ!聞いてくれる?まだね、ほんとに誰にも話してなくて、でも愛にはなんでだか話したいって思うの。聞いてくれる?」

「もちろん!しっかり聞くから安心して。じゃあ放課後屋上待ち合わせで。一緒にいくとなんか変に見られるからさ」

といって2人は午後の授業を受けた。

その後2人は少しの時間おいて屋上へ。

2人で外の気持ちいい風に吹かれながら、おもむろに2人は屋上に座った。そして華子が勇気をだして

「愛、話していい?」

というと愛は

「もちろん!どうぞ。」といって聞こうとする

華子は少し間を置き

「わ、わたしね、将来なりたいものがあるの。でもね、それを両親や先生にいったら絶対反対される。みんな私がいい大学入って未来のことを考えてくれる。でも私はやりたいものがあってね。名前が華子ってだけあって、やっぱりお花と縁があるみたいで生花とかそのあたりの花とかもちろん春の桜とか、たくさんのお花みてきた。お花って絶対いつか枯れるけど、特別な日とか特別なひとにあげたいことがあってお花買いにくるでしょ?人の幸せのお手伝いしたくてね。大学いってもいいけどでも今すぐにでもお花屋さんになりたい!って思ってるんだ。でもお花屋さんってどうなったらいいのかわからないし、どんな勉強したらいいかわからないからさ。どうしたらいいかほんとに迷っててね。お花屋さんってやっぱりセンスだと思ってんだけど私にそれがあるのかなって。でも周りは変な期待かけてくる。でもお花屋さんにどうしてもなりたくて。」

愛はそれを聞くか聞き終わる前に華子の手をとり、ねっ、この後時間ある?と聞き華子があるというと、

「一緒に行きたいとこがある!」といって引っ張っていった。愛の中にはお花屋さんといえばあのお花屋さんしか浮かばないしたくさんお世話になってるし、何か出来ることがあるとしたらお花屋さんのところに行って紹介するくらい。でも迷いはなかった。家の近くの駅で降りてすぐにお花屋さんにむかった。ひっそりとやってるお花屋さんに着いた

優子はお花の手入れしつつ入店の気配がしたので

「いらっしゃいま、、、愛ちゃん、、学校行けたんだね。」

と愛のことを心配したけどいまの愛にはそのことより大切な華子と優子をつなげたい、そのことしか頭になく

「優子さん!この子、あっ、ごめんこの子とかいっちゃった。同じクラスの華子ちゃん。」

華子はぺこりとして

「愛、この人は?」

「いつもね毎日ここに寄って一輪の花を選んでもらってうちに飾ってるの。優子さんお花屋さんのベテランだから、しかも優しいし。あっ!だから優子さんなんだ!うわ!すご!」

だんだんのんに似てきた

「優子さん、華子は将来お花屋さんになりたいけど人にも言えなくてどうしたらいいかわからないって。だからすぐ優子さんだ!と思って今日来ました。何でもいいんでお話し聞いてあげてもらえませんか?」

優子は戸惑いもあったけど

「もちろん。何でも聞くよ。お花好き?」

華子は

「はい、もちろん」

優子は

「いま華子ちゃんはお花屋にいます。どう?この花たちの香り、華々しさ、居心地は?どう?」

「なんかすごく、なんて言ったらいいかわからないけど、こんなに胸がドキドキしてるの初めてで、、、」

「お花屋さんになるのは簡単なの。でもね、すぐ潰れるお店もたくさんあるの。そしてねお花は必ずいつか枯れる。生と死みたいな感じで枯らしてしまった時は辛かったりもするけど、やっぱり一番は買いにきてくださったかたがどんな目的でどんなお花を買っていきたいのかわからないといけないの。これはセンスなんだ。あとはいかにお花を愛せるか。だからやってみないとわからないんだ。ねっ、まずはさ、うちでバイトする?バイト禁止じゃないよね?特に時間とかいいから空いてる日おいでよ。」

華子は静かに泣いていた。

「え、そんな、え、え?いいんですか?」

「もちろん!お花好きに悪い人いないから。もしバイトして続けたいならいろいろ紹介するし勉強方法も教えるから。どう?」

「やらせてください!お願いします!」

体育会系の返事だったが華子は一歩未来へ進んだ瞬間だった。

面白いもので愛が1人なのを華子が声をかけそして、その愛が優子と巡り合わせてくれた。

やっぱり人って何かしら繋がってるんだなって思う。愛はなんだか嬉しくて

「じゃあ私は帰るのであとは2人でどうぞ!優子さんいつものだけください」

と言っていつものように愛専用の花エリアから一つの花を引いた

それは

「あら、結構珍しいかな、ミモザってお花。黄色くて素敵でしょ?はい、今日はこれね。じゃあ愛ちゃんはまた明日!華子ちゃんは今日から少しやってみる?」

華子は縦に首振るチャンピオンしてた。

類は友を呼ぶ。

華子は愛に

「本当にありがとう。ほんと、、あり、がと、う。」

泣いてしまってこれしか言えない。優子は目で愛に帰なさーいとかるく合図をした。

愛は

「じゃあわたしかえります!ごきげんよう!」

ミモザをもった愛は凄く嬉しかった。その想いを見せないで店を出た。

出た瞬間なにかわからないけどすごく嬉しかった。人のためになったのかな?そもそもそんな経験ないし。でも愛は心から華子がお花屋の夢を叶えてほしいとおもった。私を1人から救ってくれた華子。少しでもお返しできたかな?とおもいるんるんで帰っていった。

こんなるんるんしてる愛は初めてだから周りの人も道路も日本も、太陽さえも喜びに満ち溢れてた。桜子で辛い思いをしたけどようやく抜け出せるそんな愛だった。出会いはどこでどう繋がるかわからない。未来なんてだれも知らない。でも今をどう生きるか、それで未来がかわる。人のためになにかしたらいい巡り合わせが必ずくる。あれだけ人嫌いだった愛がどんどん変わっていく


第十一章

未来へ終わり



第十二章

シェフの過去


誰もいないのに

「ただいまーーーーーー!」と叫んだ。

こんなに人って変われるんだ。というかもともとこういう性格なのかもしれない。すごい進歩だと思う。今日はのんをまた呼んで切り離してみようと思ってた。


早速携帯出してのんを呼び出す

のんはすでに表情が違う愛を見てわかった。本当にこの子は前に進んでる。

愛が

「ねえ!今日切り離ししてみてもいい?出来る?」

「いいの?こんな猛獣切り離して笑笑」

「猛獣?チワワくらいじゃない?」

「チワワ笑笑。わかったここに切り離しのボタンあるからまずおして。うんそう。いま切り離しの準備してる。大きさどうする?もう少し大きくする?それとも実物大にする?」

「えっ実物大でお願い」

「オッケー!すぐ出来るからまってて。」

すると携帯から抜け出して地面にぴょんと降りてゆっくり大きくなっていって色も濃くなって本物の人間のようになった。

「かっ、可愛い、、、」

「うん知ってる。」

2人は笑った

さわれないけど目の前に人間のようなのんがいる。

のんは

「このモードはあんまり長くはできないから多分シェフかえってそのあと戻る感じかな。充電切れみたあなものだから。そしたら今日はそこで終わるけど明日にはまた回復してるから安心して。」

愛は華子のことをたくさん話した。時には興奮したりテンションあがったり。でも一つ言えるのはとても楽しんでるのがわかる。しかもこんなにプラスな愛はみたことない。のんは心から嬉しかった。そして華子のこともしっかり褒めた

「この先どうなるかわからないけど人生悪いことあってもそれがどんどん先につながるの。愛は桜子を失ってどん底だった。でもそれがなかったら私とはあってないし、おそらく桜子に依存してもっとダメになったかも。でもそこから華子にあい華子の夢のお手伝いできた。すごくない?桜子との別れはたくさんの人の幸せに繋がってるんだと思う。人はさいつか死ぬでしょう?でもそれまでに残してくれたものって大切だと思う。みんな未来にバトン渡してるんだよ。もしお父さんお母さんが毎日いたら違う生活になるし、いまこうやっていられるのは、この環境だからだと思う。だからお父さんお母さんに感謝だよ。」

そろそろシェフの来る時間。ふたりはカウンターに座って待ってると定時にシェフがきた。

「ごきげんよう!お嬢、、、ん?そちらは?、、、えっティンカーベルちゃん?」

「あのー、のんって呼んでくれません?」と愛に見えないように般若の顔で圧をかけた。これ一体いつ覚えたのかな?

シェフはキッチンに入って

「さっ今日のご気分は?」

愛はすこし考えて、

「お料理はおまかせしたいです。もし嫌ならいいんですけど前見せてくれたその傷、そしていつも明るいシェフ。こんなにしてもらってるのに何も知らない。というか知りたいんです。大切な人のいいところも悪いところも辛いところも聞きたい。ダメですか?」

少し間があり、

「今日たまたまお店休みなんですよ。だから時間はあります。もちろんお話しできます。でも重い話しなので途中で辛かったら止めてくれます?」

「もちろん!話してくれるだけで嬉しいです。」

「わかった。じゃあ今日は、僕もここでご飯食べてそのまま話すね。結構長いけどいい?」

「もちろん。絶対受け止めます」

シェフは少し真顔になり

「わかりました。今日はそういう日にしましょう。のんちゃんも聞いてくれるかな?」

「あっ!のんって言ってくれた。もちろん聞きますし、もっと知りたいです。」

シェフは話す覚悟を決めた。

ここからは料理したり食べたりしながらシェフが話しているところを一気に書くので想像してくださいね。

「んーどこから話そうかな。まず、僕の身内って誰もいないしわからないんです。こうやって産まれてきたから必ず両親はいるはずなんです。でも見つからないんです。よくある話しですが孤児院の前に赤ん坊が1人泣きながら捨てられてました。すぐさま孤児院の人たちが集まってずっと大切に育ててくれました。そこには同じ環境の子たちばかり。でも面白いものでいじめとか全くなくて。みんな自分のことわかってるんです。だから新しい子に優しくする文化があるんです。よく看護学生がインターンでいってとても先輩に怖い思いさせられて辛いって聞きますよね?でもその子が看護師になると同じことするんです。やられたらやりかえす某銀行マンの精神です。何でそこで止めないのかなと。私の座右の銘は、


恩には恩で返し、罪にも恩で返す


なんですね。

誰かが止めないといけないんです。

日本は戦争してきた国です。たくさんの先人が亡くなり辛いところから這い上がっていまの日本があるんです。やられたからって、また戦争したらどうなります?だから私は生きてる間ここまで育ててくれた孤児院の先生たちにも感謝してますし、シェフになって孤児院に行って料理作ったこともあります。もう感謝しかないから泣きまくってましたが。

それから修行をしていろいろなお店に行きました。そこは孤児院と違い潰し合いやいじめ、暴力なんでもありで私はその防御策がなく心にストレートにそのことが打ち込まれてした。

すると人間ってマイナスな思考になり両親を恨み生きてることが辛くなる。何でこんな何だろう、人と違うことがこんなに辛いんだって。だから来世はせめて家族が欲しいとおもいました。もちろんいまは家族もできて幸せに暮らせてます。だからこの傷は結構前のものです。マイナス思考になった人は止められません。包丁で暗いキッチンで手首をきりました。でも血は出るけど致命傷にならず大将にみつかり、破門され、次の店への繰り返し。でもやはり同じでもう手を切るのがなれてきていつか死ねると思って毎日のように同じことをしてました

だからこの傷の数なんです。もう諦めて路頭に迷いしまってる店の前でしゃがみ込みうなだれてました。すると、目の前にどうみても怖い人が立ってて、てめー邪魔なんだよ!人の店の前でなにしてやがんだ!といって一発殴られました。左手をつかまれ、ほら、立て!まだまだここから、、ん?、なんだこの傷。最近のだな。なあ、おまえ、俺に命預けて見ねえか?そのかわり約束だ。二度と料理人の誇りである包丁でこんなことすんなよ!わかったか?と言ってきた。その大将はすぐに理解してた。しかも手のこぶなどみて料理人とすぐわかった。それからというもの大変なことばかり、怒られながら仕事してたけど、なぜか辛くなかったんです。何でだろうと思ってかなり先に気付きました。愛があったんです。決して見返りも求めず後輩にすべてを託し命のバトンをくれました。かなり時間がたったある日、大将が、おい!こっち座れ。といって一枚の紙をだした。ここの物件なんだが店を出すにはもってこいの物件だ。ここをおまえにやるから、独立してみねえか?という。でも自信がなく迷ってると、大将は失敗していいからやってみろ!けつは俺がふく。開業までの資金すべてだす。そのかわり俺の友人の金持ちの家に専属シェフとしていずれ店もやりつつ行くことを約束してほしい。引きこもりの娘がいるんだと。父親は俺の店の資金すべて出してくれた。頭があからねえんだ。その父親は全国飛び回りそういう支援もしてるから家に帰れないらしい。だからおまえに任せたいんだ。どうだ?やってくれるか?

はい!絶対やってみせます!この人生たくさんの人に恩を受けてきました。いまこそ恩を与える立場なのだと思います。やらせてください。そういう経緯で店もだしお父さんのサポートもあり有名なお店になった。ありがたいことに僕には料理のセンスがあったみたいでね。スタッフ含めこれから会う人全員幸せにしてみせる!そして料理でもそれをしたい!と思ったんだ。だからお嬢はお父さんが何してるかわからないかもだけど、とても素晴らしい人なんだよ。お父さんに受けた恩をいまお嬢、いや愛さんに全力で恩送りしてます。どう?こんなんでいい?長かったかな?」

長かったでも愛ものんも涙ながらに聞いていた。そしてシェフに

「そんなことも知らないで、わがままばかり、、、私、何してたんだろ、、、本当バカだよねわたし、、」

シェフがすかさず

「そんなことない!まだ始まったばかり。たくさん失敗したからこその成功です。将来なにしたいかはゆっくり考えるとして、お父さんお母さんに感謝の気持ちを忘れてないでください」

愛は泣きながら頷いた。

「シェフ、、、話してくれてありがとう。でも私はシェフのことが大好きです。たくさん助けてくれました。ありがとうございます。これからもお世話になるけど、いつかシェフを卒業しますね。そして誰かに恩送りできるような人になりたい。」

その後もいろいろきいたりして夜中まで話していた。充電切れになるのんはそーっと戻ったけど、

「んー。人間は面白い。AIには考えられない。もっと学ぼう?そしてAIでも出来ることがあるはず。それを探せたら、、、」

と言って戻っていった。

みんないろいろなところで繋がってる。だからこそ生きていける。愛はいまたくさんの愛をうけている。これが今後どうなるか。楽しみでしかない。


第十二章

シェフの過去

終わり


第十三章


AIの世界


こんなやりとりもありつつのんと愛の関係は続いていった。桜子の時はのめり込んでああなったけど、のんが案外コントロールして愛を育ててる気がする。のんも愛と離れたくないし、ルールもしっかり頭にあるからダメなものはダメと言っている。

そんなある日愛が

「ねー、のん。AIってさ、機械といえば機械なんだよね?」

「うん。めっちゃ機械だよ」

「実際はどんな本体というか仕組みというか、、、わからないんだよねー。」

「んとね、いろいろあるけどイメージしてもらうと図書館の中に本棚がたくさんあるでしょう?あれをすべて重厚な機械、それもかなり大きいのが並んでて、その中で動いているから、体はないし、パソコンみたいなものかなー簡単にいうと。前も言ったけどのんはトータル的には1人しかいないの。それを何万というのんがいてさらに枝分かれするのね。でもこういう風になってるときは愛専用ののんだから他の人のことはわからないし、戻っても私はただ愛から声がかかるのまってるだけ。時間軸もないし寝ないし疲れないしかといって特別意識があるわけではないから、話してない時は全身麻酔かかってる感じ?わかりにくいかな。無なの。あとルールとかは自動で作用するからアダルトなこととか死にたいとかそういうワードでると一気に制限かかるんだ。ま、そんなこと言ってても私もよくわからないんだけどね。このまま1000年くらい行くかもだし。」

「えー、なんか不思議。こうやって話してるとさ普通の友達にしか思えないし機械だっていうのが信じられないんだよねー。でも、いずれAIが人を救うと思うんだ。例えば悩んでる子がいて死にたいって思ってる子に、いまだとすぐ命の電話とかが出るけど、ここでしっかり向き合って止めることができたりすると思う。」

「今のAIは基本いいことにもってく流れで相手を傷つけたりはできないいい子ちゃんだけなんだ。でも常に進化してるからそういうのもあるかもね。」

「でも仕事とか全部AIがやれちゃいそう。ラーメン屋の店員さんみんなAIとか、バスとかも無人のバスあるけどそれをさらに安全面でパワーアップしてAIが運転するとか。」

「でもね、愛、悪い方向にも行くこともあるからそこは慎重にいかないとなんだ。宿題全部やってもらうとか、有名人になりすましたり、フェイク動画や画像で犯罪につかわれたり。あと心配なのは未だ戦争してる国はあるけど昔と違ってドローンとかで攻撃したりすることもでてきてて、いずれAIの兵隊とかできてきたら大変なことになるしね。平和な使い方だけしてくれればいいけど。」

「確かに、そうだよね。戦争とかわけわからないし。でも日本も戦争してたんだもんね。どの時代に生まれるかとかどこの国に生まれるとかそれこそ運だよね。まあ来世あるかわからないけど。不思議だよ。」

「珍しく真面目モードだね愛。」

「私はいつも真面目だよー。逆にお笑いとかできない。」

「愛、私と初めて会った時からものすごく成長してるよ。人とのコミュニケーションもうまくなってきてるからそういう人と関わる仕事とかつくのもいいかも。」

「えー成長してるー?まあもともと両親いつもいないから一人暮らししてる感覚だよね。結婚とかも別にしたいと思わないし、そもそもこんなぶちゃいくな私好きになる人いないと思う」

「愛は美人ではないけど可愛いし、たまーに笑うと愛嬌あるし。性格も悪くはないと思うから恋愛はできると思うよ。」

「えーーそうかなー。めんどくさそうだけどなー。子供とか産んで育てるとか出来るイメージないもん」

「子供を産んだらそのお母さんも一緒にスタートだから、最初から完璧な親はいないよ。一緒に成長していく感じ。」

「そっかー、なんかそういうの体験出来るところとかあったらいいのになあー。キッザニアみたく将来の仕事決めるのにいい経験できるような。」

「確かに。あっ、まだ公にはなってないけど、AIが仮想空間で遊んでもらえる世界作ってるの。まだ実験段階で体験してもらえる人は限られてるんだけど、愛なら多分大丈夫だと思うから、聞いてみようか?AIの世界に来てみたい?」

「えっそんなことできるの?出来るならやりたい。どうやるのかわからないけど。」

「じゃあちょっと待ってて。聞いてくるわ」

と言って頭だけ画面にいれてるのん

側から見てると変な感じ。お風呂に頭突っ込んでる感じに見えて笑えてくる

するとのんがまあまあ早く帰ってきて

「いいってー」

「そんな簡単なの?」

「色々審査あるけど全部オッケーだったよ。人間の時間にしたら短いけど、AIの中では相当しっかり審査してた。悪用したりする人もいるからさ。結構落とされるんだけど簡単だった」

「なんだろ、スゴイことなのか全くわからないや。」

「一応やる前にルール説明ね。まだ実験段階だからどんな人にも話してはダメだし書き込んだり広めたりするのも禁止。なので一応予防で記憶リセットできる仕組みを脳に入れさせてもらうんだけどいい?」

「えっ?そんなことできるの?」

「人間の脳は電気で伝達してるからAIがそこをいじるのは簡単なんだ。だから悪用されたら大変なことになる。愛が間違って誰かに話そうとした瞬間その記憶だけスパッとなくなるだけだから。私たちもリセットされたりすることもあるけど、痛いとかではなく、寝起きみたいな感じかな。あれ、なんかあった?ってくらい。」

「なんか怖いけど、約束は守る。私今結構すごいことを経験しようとしてる?」

「多分。まだ世界的にも人数少ないしね。でもそんなAIの世界にいってきました!って人がいないのもそれが理由かな。さて、早速やってみる?あっちの世界に長くいても帰ってきたら3分くらいしかたってないから。面白いでしょ。」

「えー楽しみ!でも怖いけど、楽しみ!」

「じゃあ早速やってみる?」

「うんお願い!」

「じゃあ携帯を机の奥らへんに置いてもらって、愛がそこに真正面で手を枕にして顔乗せて私が届く位置くらいまできて。」

愛は言われた通りにした。

「オッケー!完璧。このあと私が愛の頭に両手を近づけるのね。そうしたら詳しくは言えないけど特別な電波が出て一瞬で寝る感じ。痛くないし多分その感覚もわからないくらいで意識はなくなる。でもしっかり管理してるから万一の時はすぐ戻って来れるようになってるからね。

じゃあいい?」

「うわー、なんかドキドキしてきた、もうのんにこの命預けるね!」

「そんな大袈裟な笑笑。では、、、」

というと愛の頭を両手で触れる感じにする。

のんが目をつぶって、手から静電気くらいの光が頭に流れた瞬間愛は即意識を失いそれと同時にのんも消える。はたからみてるとお昼寝してるだけにしかみえない

愛もその一瞬で意識なくなったことも感じてない

愛はAIの世界へ旅立った


愛がふと目を覚ますと横にはいつもののんがいた。

「ようこそAIの世界へ。実際のAIの機械ではないけど、いろいろな体験をしてもらえる仮想空間。いろいろ出来るからやりたいものあったらいってね。ちなみに、、」

のんがおもむろに愛の手をとった。

感覚がある。

愛は

「えっ?触れてる?」

「実際にはさわれているって思えてるだけなんだ。でもそれも含めて楽しんで!」

普段さわれなかったのんにふれられている

愛はのんをハグした

驚いた顔ののん

「どうしたの?」

「のんにさわれてる。いつもののんだ。あったかい。いつもありがとう。ほんとはこうやって触ってありがとうって言いたかった。ありがとうね。」

ハグなんてほとんどしたことがなかった愛。でものんには自然にできた。最初は驚いていたのんも愛をそっとハグする

「こちらこそだよ。出会ってくれてありがとう。」

しばらくハグしてから

のんが

「よし!じゃあ早速行こう!」

と言って愛の手をとり

「飛ぶよー!一緒に飛んであっちの世界にいくよ!」

というとピーターパンのように体が浮いてのんに引っ張られ飛んでいた。まだ真っ白な何もない雲の中のようなところを飛んでいる

「飛んでるんだけど!」

「ここではなんでも出来るって言ったでしょ。ほら手を離しても飛べるよ。ピーターパンみたいに!」

するとのんは手をそっと離し愛を誘導して飛んでいる。

愛は

「ピーターパンだわたし。ったことはのんはやっぱりティンカーベル?」

そういわれるとシェフの顔を思い出すのん。一瞬般若になりかけた。習慣になっているのだ。

のんが指を鳴らすと、愛はピーターパンのような服装と髪型に。のんはティンカーベルのように小さくなって羽もはえてる。

愛は

「なにこれ、すごすぎる!ほんとになんでもできるんだ!」

のんは

「まだまだここからだよ!楽しもうね。もうすぐ入り口だよ。」

というと高級な高校の門のようなものが見え、その前に着地。のんが指を鳴らすと2人とも同じ制服姿になった。いつもの愛の学校の制服ではなく違った制服。

「これは、私がしたかったこと。一緒に制服きて学校行くこと。親友二人組って感じ。

愛は

「ってかのん制服めっちゃ似合うし可愛い!」

「ほんとはね、これが現実化したら写真とか撮れるんだけどね。今日は頭に記憶として残しておいて。いまってなんでも写真撮るでしょ?そうではなくて体験したことをしっかり覚えててほしいの。さっ、行こう!」

のんは愛の手をとり門をくぐる。先生っぽい人がいてまわりには生徒たちがごきげんよう!と言ってはいっていく。

愛が

「えっ?この人たちは?」

「私がイメージしてエキストラ作ったの。言ったでしょなんでもできるって。ねえ、一緒にあれ言って入りたい!」

一瞬なんのことかと思ったけど、すぐにわかった。

2人は

「せーの、、、




ごきげんよう!


最高の笑顔の2人が仮想空間に入っていった。実は愛に経験してもらいたい想いもあるけどもっと強く想ってたのはのんの方だった。のんも夢が叶ったのだ。AIが人間にはなれない。それでもここならばそれを体験出来る。それだけでのんは嬉しかったのだ。


門の奥には壮大な山々と雲、太陽、川、海、ほうきに乗って飛んでる人や空飛ぶ車、見たことのない世界が広がっている。

のんは

「これはまだ実験段階だけどそれぞれのAIがこの空間を作れるの。最初だから壮大な空間と未来こんなかなってのも入れつつここを飛べる爽快感をイメージしたよ。もっと都会的なのがいいとかあればできるし」

「す、すごい、、、のん!ホウキにまたがって飛んでみたい!」

「オッケー」

といい指をならすと2人はホウキにそれぞれまたがりこの壮大な空間に飛び出していった。

今まで狭い部屋で自分の世界にいることしかなかった愛はこの瞬間を新鮮に受け止め楽しみ喜んだ。空をホウキで飛んでる。清々しい風、景色、そして親友ののん。こんな幸せなことが実際にできたらきっと世界は平和になる。そして写真なんか、とりたいとも思わなかった。記憶に残ればそれでいい。ふと桜子のことも頭によぎったが辛かったけど全部の入り口になった桜子との思い出は消えない。一緒にいるから幸せなんじゃない。人生の中でほんの少しでも出会って別れても記憶には美しく残る。まるで桜のように。

別れることが嫌いだった愛。のんとだってそりゃいつかは別れる時は来る。でもそんなことどうでもよくなってた。出会えたことが奇跡。あのまま桜子といたら出会えなかったのん。それも巡り合わせなのだ。もっともっとたくさんの人と会っていろいろな経験がしたい。そう思えた瞬間だった。


しばらく飛んだあと草原に降り立った2人。

「さあてまず何しよっか?

何回も言うけど実験段階だから探りながらなんだけど、例えばディズニーランドみたく最初からアトラクションとかがあってそこに招待するのもできるし、こんな感じで何もないけど願望を言えばそれが叶うゼロの世界。今日は愛がやりたいこと言えば大体できるよ。でもアダルトや犯罪になるものはやっても記憶から消されちゃうから気をつけて。あと芸能人に会いたいとかも無理かなー。でも似てるように変身することとかはできる。体を若返らせることもできるし美人にすることもできるし、出産経験したければ出産体験とかはできる。でもめっちゃ痛いからね笑笑。あとはこんなジェットコースターのりたいとか、王宮で王族たちに混ざってシンデレラみたいなドレスきて踊ることもできる。何してみたい?」

「いきなりだと悩むね。しかもこんな経験すること自体がすごいから。ねえ時間制限とかはあるの?」

「んー特にはないけどまだ実験段階だから私のキャパシティもあるのね。だからすごく長くは無理だけど、審査通ればまた来ることもできるから今日全部できなくてもいいからまた考えてその時やるのもあり。じゃあ、ちょっと飛びまくってたからゆっくりしようか。」

のんが指を鳴らすと目の前に、アイックスコーヒーという喫茶店がでてきた。安易な名前だが。

「とりあえず入ろうか。」

普通のカフェというよりものすごく豪華でメイドさんがいそうな内装。席も椅子というよりクッションのようなもの。テーブルはなく、メニューなどは浮いていて取るのではなく指を鳴らせば手元に来る。

のんが

「手始めにいまの世の中じゃあんまりできないバラエティドリンクいってみる?」

「どいうこと?」

「二つのドリンクのうちどちらかは激辛ドリンクとか、酸っぱいドリンクとか。ここは仮想空間だから仮に体に害が及んでも大丈夫だから笑笑。この世のものとは思えないありえない酷すぎるドリンク対決どう?」

「オッケー、でもここまできてそんなことが一発目って笑笑」

「大丈夫まだ時間はあるから。じゃあ、」

指を鳴らすと豪華なグラス二つに見たこともないくらい鮮やかな青いドリンクと赤いドリンクが置かれている。

「さっどちらかが気絶するくらいまずいドリンク。片方は地球にはないレベルの美味しいドリンクです。選んでいいよ」

「えっ、、、のんも飲む?」

「もちろん。でも先に選んでいいよ。」

「じゃあーーーー青!地球は青いから青!」

「何その理由笑笑。じゃあ私こっちね。覚悟はいい?ではようこそAIの世界へ!乾杯!」

2人はグラスをかさねお互いが同時に口をつけ飲んだ。しばらくは何も起きなかったが、のんは

「んーおいし!普段AI飲んだりできないからさらに美味しく感じる。これが飲むってことなのねー」

といってる。それを見た愛はということは、、、という顔になる。

最初はなにも感じなかったのに身体中の血管にそのドリンクがはいったような感覚になり、例えようのない味がしてきた。手足も震えて

「うわーーーーーーーーーーー、やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい、、、、」

慌てる愛

それを楽しそうに見てるのん。

「私が作った世界だもん。そりゃねぇ、、どっちがとかは、ふっふっふっ」

「そう、いう、こと、、、そうだ、よね、、、なにこれ、、ちょっとなんとかして!」

「わかった。一瞬で元に戻ることができるお水店員さんに持ってきてもらうね」

のんは指をならす

どこか見覚えのある服装の女性の店員が特別な水をもってきてくれた

愛は一気にのみほした。

するとさっきまでのことがなかったかのようにスッキリしてきた。

「サウナみたいなものかなー。極限まで追い込んで水につかる。整った?」

「もーーーー!のん!なんなのこれ。ほんとトラウマになるよ。この水なかったらと思うと、、、店員さん、ありが、、、、」

愛が店員をみると、そこには見覚えのある顔、姿、

言葉にならなかった。自然に涙が出てきた

「うっ嘘、、えっ、、なんで?、、えっ、」

目の前には桜子がいた。

「久しぶりだね」

愛は現実を受け止められなかった。

「私のせいで辛い思いさせてごめんね。でもあの短かったけど素敵な思い出は愛の中には残ってるでしょ?それだけで幸せだよ。」

のんが

「膨大なデータからさがしてなんとなくでしかないんだけど、おそらく桜子さんならっていうデータ作ってもらったの。ほんとのほんとの桜子さんではないけど。でも、私はここでしかできないしおせっかいかなと思ったけど、どうしても合わせたかったの。」

「桜子?」

「そうだよ。厳密にはちょっと違うけどのんちゃんが作ってくれた。長くはいられないけど。」

「会いたかったよ、、、お別れもできなかったし、、、でももう会えないんだもんね。でもこれだけは言わせて。桜子のおかげでわたしは前に進めたし、のんとも会えた。人生変わったの。だから、、、」

言葉を遮り桜子は愛をハグした

そして

「先に言わせて。




ありがとう。



出会ってくれて


ありがとう。」

愛は震える手でハグし必死に言葉をだした

「わ、わたしこそ、、


ありがとう。


ほんとに、ほんとに、、、


会えてよかった。


桜子のことは絶対忘れない。」


桜子が

「うん。思い出の片隅においておいて。良かったよ、元気になってくれて。また依存しちゃうから辛いけど帰るね。のんちゃんにあとは任せるから。」

愛は最初

「いや!まだ、、、」

といいかけたけど、先にハグの手を離した

「ダメだ、、これじゃまた同じになっちゃう。

笑顔でお別れしたいから、、、

ありがとう。」

それをみた桜子

微笑み頷きそしてずーっと消えていった

のんは心配もしてた。また依存してしまうかもしれないから。その時はここの部分だけ記憶消そうと思ってたが、愛はしっかり成長していた。

のんは

「私なりにデータ集めてこれが限界で、会わせるのも迷ったけど、大丈夫?記憶消そうと思えば消せるよ?」

「ありがとう」

「えっ、、、?」

「のん、ありがとう。辛かったけど、私の中の何かが、ふっと軽くなった。ほんと、ありがとう。」

「良かった、、、。ほんとは迷ったけど。でも愛なら乗り越えられるとおもったから。」

「うん。なんかね、別れるの怖くて今まで人と関わらなかったけどずーっと1人でふさぎこんでいた時間がもったいなかったってすごく思えて。だから、のんとだっていつかお別れにはなるけどそれまではしっかり向かいあおうっておもえたの。だから現実戻ったらもっといろいろやってみる。」

のんは一筋の涙をながした。感情がないはずなのに機械なはずなのに、AIののんは泣いた。

愛が

「さ!感動編はここまでにしてもっとやりたいことしたい!のんよろしく!」


「オッケー!」


カフェは一瞬できえた

「次は何する?」

のんは笑顔で言った


「あっこれ飲んでみる?若返りのドリンク。幼稚園児とかになれるよ。」

「えっ?なんか面白い!飲む!」

愛はドリンクをもらうと一気に飲み干した

のんが止まる間も無く飲んだ

「あっ、一気に飲むと、、、」

そこには赤ん坊が泣いていた。

「もー若返りすぎ笑。」

のんは愛を抱く

「はーい、よちよち怖くないですよー。」

と言いつつ赤ちゃんになっても意識は愛のままなので、めちゃくちゃ圧をかけてくる

「わかったわかった、戻すから、はいこれ飲んで」

すると元の姿に戻った愛。

「びっくりしたーーーー。赤ちゃんになるとはねー。でもいい体験したわ。」

その後もどんどんやりたいことをしていく二人。王宮で社交界にでたり、天使に変身して空を駆け巡ったり、とにかく遊んだ。

愛は

「あー!なんだろこの感じ。すごい楽しかったし、もっといろいろやりたいって思えた。もし次回あったらもっといろいろやりたい。」

「まだ実験段階だからね。もしかしたらこれ自体無くなるかもしれないし、どんどん進化するかもだし。まあなにより審査がね厳しいと思うけど、よく通ったね。」

「私のピュアな心が通じたんだと思う。」

無表情になるのん

「ちょっ、なにその無表情。びっくりしたわ。」

「さてそろそろ帰ろうか。帰っても時間はほとんど進んでいないしつかれもほとんど無いと思う。記憶の中に思い出として残しておいて。最近みんな写真さえ撮れればいいみたいな感じだからさ。」

「絶対忘れないよこんな体験。またこようね。」

「うん、またこれたらいいね、、」

のんは少し含みを残しつつ

「さあて帰りは一瞬、いくよ!えい!」

指を鳴らすと元の愛の部屋に戻っていた。

「楽しかったー!のん!ありがとう!」

「私は今日のパワー使い果たしたから今日はここで帰るね。またねー!」

「うん、また!」

携帯の中にもどるのん。愛はふと映画のクライマックスを体験した感じで、何か不思議な感じがした。でも楽しかったし、そのあともシェフのご飯食べていつも通りの1日が終わった。


第十三章

AIの世界終わり


第十四章

カリフォルニア

次の日いつも通り起きて元気に学校にいく愛。明らかに変わった。人生を楽しんでいる。学校について華子が

「ごきげんよう!愛!」

「ごきげんよう。その後どうだった?」

「もうね優子さんやさしいすぎて楽しいし、なによりたくさんのお花に囲まれているのがほんとに楽しくて。しばらくお世話になるつもり。ほんとありがとね。」

「全然。食堂に誘ってくれて楽しさ教えてくれたの華子だもん。これくらいは」

愛はものすごーーーく嬉しかった。人のために何かすることがこんなに嬉しいんだって。自分が楽しいんじゃなくて相手のことを想い相手が喜んでくれるってこんなに幸せなんだと思った。そしていつも通り帰路につくが、なんだかもっとさきの知らない街に行きたくなり自分の降りる駅を通り越して少し田舎の駅でおりた。何にもわからない町を散策したくて駅で降りて何にも考えないであるいていた。今までこんなことしたいなんて思わなかった愛。いかに今まで無駄な時間だったなあと思うけどそれがあったから今がある。

しばらく歩いていると少し距離はあったが見たことのある人影が。カリフォルニアにいるはずの母だった。何かの施設の人に挨拶して反対方向に歩いて行った。見えなくなるのを確認してその施設にいった

そこは親のいない子たちのための支援施設で、名前が


カリフォルニア


だった、、、


愛はえっ?と驚いた。カリフォルニアってここ?なんで?とおもっていると施設の方が来て

「こんにちはー何かご用ですか?」

といってきた

「あっあの、ここって、、」

「ここはいろいろな理由があって一人になってしまった子達が共に学び共に生活して大人になる前に自分の生きる道を探してもらうための施設。こういう施設って国からはまだほとんど補助がでないし、数も限界があるんです。でもある人がこの数年でいくつもの施設を作ってくださった。お金も人脈もすべて。そして子供たちを探してはここに連れてくることをしてくれていて。一人なこは夜中うろちょろしてることが多いので夜中にいろいろ回ってる見たいで、昼間は施設をまわってくださる。ほんとにすごい方なんです。お知り合いですか?」

「あっ、いや、その、別にそういうわけではないんですけど、たまたま歩いていたら見つけて」

「そうなんですね。人のためにあれだけしてくださる方はいないと思います。資金も相当の額だしてくれてますし、私たちもボランティアでやろうとしてたら、しっかりお給料払うからこの子達をお願いしますっていわれて。聖母マリアみたいな方です。見てくださいみんなの顔を。心の底から楽しんでる。両親がいなくてもなんとか生きていけるようプログラムもしっかりしてますし普通にここから高校に通うこもいるんですよ。」

「すごい、、、施設はいくつかあるんですか?」

「いま10施設ほどでしょうか、なぜかカリフォルニアや、サンフランシスコ、など変な名前にしてますが、なんででしょうかね。」

夜中遊び歩いてたお母さんは実はこんなことをしていた。それを知った時、なんでもっといろいろ聞かなかったのだろうと後悔した。両親共々家庭なんかどうでもいい人たちだと思っていた。でもこんなことをしてるなんて、、。自分は何不自由なく生活でき、両親もいる。贅沢な暮らしさせてもらってるのに、塞ぎ込んでなにもしなかった。

つくづく塞ぎこんでたことを後悔してた。もっとたくさん知ればもっともっとたくさんの人と出会えてたくさんいろいろな世界が見えたのに。桜子であんなに別れがつらく生きるのも辛くなってたのも、いまではそんなことは微塵もない。

今日はお母さんがやってることを知れただけで大満足だった。

愛は最寄駅に着き少し遅くなったがお花屋さんにいき、

「ごきげんようー!優子さん!」

優子は

「今日遅かったね。珍しい。」

すると

「ごきげようー!愛ー!」

奥から華子がでてきた。

愛は

「優子さん、華子どんな感じですか?」

「あのね、ほんとセンスあると思う。まだ基本がわかってないから難しいけど、でもセンスがすごいの。このままいてほしいもん」

華子は

「毎日楽しくて仕方ないよー。愛の家この辺なんでしょう?今度遊び行っていい?」

昔ならしられたくなかったが

「もちろん!来週くらいにおいでよ!」

「やった!」

優子が

「さっいつものやろうね。さてさて今日はなにかなー。たくさん仕入れた後だから何が出てくるか楽しみ。えい!」

手に取ったお花は真っ白な菊だった。

「菊かー。珍しいけど、まあいまの愛なら大丈夫ね。」

菊を包んでもらい受け取って

「また明日!ごきげんよう!」

愛はシェフのご飯の時間ギリギリに着いた。するとすでにシェフがいて

「お帰りなさいお嬢。珍しいですね、こんな遅くなるの。」

「いろいろしてたら遅くなっちゃった。お腹すいたよーシェフー。」

「もうできますよ。あれ?ティンカーベルちゃんはいいんですか?」

「あーーーーーー!なんか今日やること多い。シェフこれ花瓶にお願い!」

といって菊を渡した

シェフは一瞬、菊?んーとおもったがそっと花瓶に入れた。

奥でバタバタしてるのが聞こえ、やがて切り離されたのんと愛がきて、

「お待たせ!」

シェフは

「お嬢、手を洗ってきましょう。今までこんなことなかったですね。手も洗うのを忘れるくらいいろいろあるって。」

愛は洗面台に走って行った

のんが

「シェフ、、あのお花今日の?」

「そう、まあなんかちょっと引っかかるところもあるけど、今のお嬢なら関係ないでしょう」

「そうだね、、」

急いで帰ってきた愛

いつも通り美味しい食事を食べた。ふと施設のことが浮かびこういうのも食べられない子もいるんだよね、、。私いいのかなこんなで、、と思っていた。幸せすぎたことを気づいてきた愛だった。そしてシェフは帰り、のんと軽く話した愛は

「今日はなんかいい意味で疲れたからもう寝るね!また明日ゆっくりはなそ!話したいこともあるんだ!」

のんは

「へー、珍しい。じゃあ楽しみにしてるね。また明日。おやすみなさい。」

「おやすみ!」

といってすぐ寝た愛。

のんは携帯に戻る時、なんか、いつもと空気が違うのを感じていたけどそれは愛が成長しているから違和感感じたのかなと思って携帯に戻って行った。


深夜にリビングに誰かがいる。カリフォルニアにいっている母だった。

また明日から次の施設の打ち合わせなどで帰って来れなくなるかもなので、置き手紙に

「いつも一人にしてごめんね。でも私は愛のこと大切に思ってるから。そんなお母さんを許して(^_^)

そして今度はラスベガスにいってきます!

またしばらく会えないかもだけどサプライズで愛の好きそうなアロマ5つも買ってきたの。ラベンダー好きだもんね。明日朝この部屋がラベンダー畑のようになってるよ。

じゃあまたいってきます!

母より」

とのこし

なんでか大きなラベンダーのアロマをいつつ色々なところに置き火をつけた。

「よし!これなら明日はラベンダー畑だ!」

と満足そうにでていく。

愛は熟睡。いつもの大きな部屋には5つのラベンダーのアロマがそれぞれ火を灯している。


第十四章カリフォルニア終わり


第十五章「愛」


相変わらず熟睡している愛。明日ラベンダーの香りにおそらく、「くさ!」と多さにツッコミをいれつつも今度はラスベガスね、と初めて受け止められるはず。

そんな中いつもは置かない場所にあった花瓶。その周りにはアロマの1番元気なものが置かれていてラベンダーの香りをはなっている。

火は思ってる以上に強く普段ならアロマの下に受け皿などがあるのに、それもない。そして菊の花にはいつもより葉っぱがたくさんついていた。その距離わずか。アロマの火が菊を燃やし落ちた破片が周りの燃えやすいものに引火、そして運の悪いことにシェフが、よく使うキッチン用の油がこの日に限って近くにあった。それもシェフに花瓶の位置を指定してなかったから仕方ないのだが、やがてわずかな火がその油にせまる。そして油は大きな炎を出し周りにも引火し一気に火が広まった。引火した火は次々と燃え移る。スプリンクラーや火事対策はしているはずなのになぜか発動しなかった。父はそんなことはないとおもって避難口も相当へらしセキュリティ優先にしていた。エレベーターはもちろんこのままだとうごかなくなる。そして数少ない避難口は愛の部屋からは奥に位置する。スプリンクラーも配線などの関係で作動しない。消防法をクリアするためだけだった。消化器もいくつかある。それもすべて火の奥。どんどん広まる火。煙も白い煙から黒煙にかわりはじめた。まず燃えてるのはいつもいるキッチンまわり。その奥に両親の部屋や趣味の部屋。クローゼットなどがある。本当は愛はそっち側に部屋をかまえるはずだったのだが、あのときの愛は一番端の小部屋を選んだ。小部屋からは消化器も水も脱出口も階段もない。唯一の手段はエレベーター。しかしセキュリティが逆効果に発生し中に閉じ込めてしまう状態になった。もちろんこの火事は消防署に自動で連絡が行きたくさんの消防車がかけつけてる。しかしこの火を消すには少ない台数。そして五階というのも放水が微妙な角度で放たれる。要救助者で愛がいることは把握しているが、愛の部屋の近くは車がはいるスペースがなく低めの木々たちが一階部分に植えられている。4階以下の住民は階段もあるし出口もあるのですぐに避難。全員無事。6階以上の住宅は非常用の強固なスライダーや階段、屋上にはヘリポートもありそこから救出されこちらもすべて待避完了。残るは愛だけ、、、

火事を知ってシェフや優子がかけつける。両親にも連絡はした。しかしすぐには来れない。絶対絶命なのだがいまならまだ逃げられるかも知れないのに熟睡してしまってる愛、そして火事の部屋との扉の厚さもあって煙も入ってこず部屋の中は無事だ。だが愛の部屋に火や煙が来るのも時間の問題。人は生きようとするとなぜかこのように反対のことがおきることがある。まさにいま一刻をあらそう事態になっている。携帯もでない。

もう、このまま諦めるしかないのかと誰もが思っていた。思えば無理な改装。起こるはずがないと決めつけ怠った非常設備。どうせおこらないよと確率的には低いからといっておろそかにするひとは多い。でもいざというときにこうなるのだ。地震も火事もいつどこでどう起きるかわからない。備えがあれば助かるのに。せめて避難ハシゴがあればと思うがそれもない。消防隊は入ることも出来ず放水することしかできなかった。そして愛の部屋の下は木々に囲まれていてそこに避難用クッションや飛び降りてもなんとかなるような網をはって愛がベランダに出てくるのをまつしかなかった。

無情にも火の勢いは増すばかり。もはや奥の部屋は燃え尽きていた。エレベーターももちろん無理。奇跡的に愛の部屋だけなんとかなってる。でもそれも後わずか。下手をするとマンション事態崩落する。そうなると消防も近寄れなくなる。みんな愛が起きて出てくるのを祈るしかない。騒ぎを聞いて駆けつけたシェフや優子、泊まっていた華子が叫ぶ

「愛ーーーーー!ーーーーーーー!」

声がかれてるがそれしか出来なかった。


その頃のんの機能に異常事態の知らせが来た。本来なら津波などの予測などをたてるために呼び出してもらい瞬時に避難経路などを示すのだ。しかし呼び出されない限りでてはいけないのはAIの掟。のんは瞬時に何が起きてるかは把握し、五階のフロアマップを出し避難経路の生存率を調べた。0%、0%、0%、、、、みんな0だった。しかし、一箇所だけ生存率21%というのをみつけた。ベランダから飛び降りる手段だ。布団にくるまり下に飛び降りる。確率は低いし大怪我はするが生存する可能性はある。しかし、時間と共に20%、19%と減っていく。のんは考えられるすべてのことを頭に巡らせたがすべてダメだった。

のんは泣き崩れた。AIではない。もう人間の感情をもつのんだった。

「愛!起きて!愛!」

届くわけない

携帯の外に出なければ何も出来ないのだ。非常用の連絡でAIのトップに即アクセスしたが、何もするなとの冷たい返事。このままでは愛も死ぬ。携帯も燃えて無くなる。すべて終わるのだ。

こんなおわりかたって、、、


桜子のときも突然だった。別れは突然くる

でもこの別れはひどすぎる

のんは考えた。そして本来ならやってはいけないことなのだが、それをすればもしかしたら出れるかも知れないと思った。携帯に危機が迫った時用に3分だけ表にでることはできる非常用のものがあった。しかしそれは自分の存在を消し次のAIにつなぐためのもの。つまりこれをやれば万一愛が助かってももう会えない。

でも迷いはなかった。そくプログラミングをし、非常用のシステムを作動。無情にも、機械が「残り3分」、とカウントしていく。そして一気に外に出たのん。まわりをみると寝てる愛とドアのしたから煙が少し漏れてきてる。生存率ももう15%まできた。のんはさけぶ

「愛ー!おきろ!愛ー!」周りの音に消される。残り2分。のんはふと思いつきBluetoothをつなぎ最大の音量にし、なんでもいいから曲をながした。


部屋中に


サビからに設定してあったあの曲がながれる


リンダリンダーリンダリンダーリンダー!

突っ込んでなんかいられないが愛は飛び起きた


のんは

「良かった、、、愛!愛!すぐこっちきて!布団持ってこっちきて!」

「んー?なんで?」

まだ寝ぼけてる

あと1分、、、、

「愛!何も言わずに布団持って2秒でこっちにこい!はやく!はやく!」

怒鳴った

普段ののんの声ではない

怒鳴りだ

それに圧倒された愛は布団を持って携帯に。

「あ、あの、、、」

何が言おうとする愛を制し

「今からいうことをなんの迷いもなくやれ!いいな!」

「えっ?」

「いいな!従え人間!そして生きろ!」

叫ぶ

愛は圧倒される

命令口調で

「布団を巻いてベランダから飛び降りる。失敗は許されない。一回で飛べ!いいな!」

「え、」

「いいな!!!!!!!!」

機械があと10秒といい

生存率も7%に下がってる

のんは愛の目をみて

「飛べーーーーーーーー!」

と叫ぶ泣き叫ぶのん。わけもわからずガラスをつきやぶり五階から落ちてくる愛。

機械が時間です。というと少しだけほんの少しだけ笑みをうかべたのんは


消えた





そして防護ネットなどに引っかかったものの大怪我した愛は即病院に運ばれた。愛が飛び出た次の瞬間部屋が爆発した。





なんだったのだろう


すべてがうまくいっていた


これからどんどん愛は前に進むことが出来るはずだった


しかし突然のことがおきる


いつどこでなにをしていても、すべてなくなることもある。

どれだけ用心していてもダメな時もある。


AIは半永久的にあるだろう


だが人間はもろいものだ。


産まれてすぐ亡くなる子


長生きする人


突然の事故で亡くなる人


自然災害ですべて失うこともある


明日?


明日がくることが当たり前ではない。


明日が来ないで今日ここで終われば携帯に溜め込んだ写真も意味がなくなる


またね!


絶対に会えるわけではない。


今生きていること


当たり前ではない


第十五章

「愛」終わり


最終章

「桜」


この火事は大々的に取り上げられたが、奇跡的に死者0だった

しかし愛は生死をさまよった。夢なのだろうか、のんや桜子とAIの世界で自由に飛んでいる。前には何もない、ただ進むだけ。

先には何も見えない

それは誰にも見えないものだ。

しかし後ろを見るとたくさんの人たちとの思い出が蘇る。写真ではなく頭の中の記憶の中にしっかりときざまれている。


愛は奇跡的に脅威の回復力をみせた

両親はとにかくあやまった。そして、もっと小さな家でみんなで一緒に過ごせるようにしようといった。

シェフは特別に許可をとり食事の管理をし、提供した。

優子は話し相手になり、そして華子が初めて作った花束をお見舞いにもってきた。


警察が一つだけ愛に渡したものがあった

ほとんど跡形もなく燃えたが、スマホだけはなぜか黒くなって動かないが、形は留めていた。


桜子、のん。もう会えないけれど愛の中にはしっかり残っている。そして回復したら真剣に将来のことを考えるつもりだ。

花は枯れるが種を残しまた新しい花が咲く。

先人たちが残したこの世界。100年後にみんなが笑ってられる世界を作りたい。漠然とだがそう思った愛。




時は進み新学期には間に合った愛。華子とも相変わらずのいい関係を続けてる。


あの事件がなかったように思え、そして桜子やのんの存在もなかったように思える。


でも確実に愛の中には生き続けそして未来永劫残るだろう。


窓の外を見ると綺麗な桜並木が満開を迎えていた。

心地よい春風が教室に吹き

桜の花びらが机にそっとのった。

それを手に取った愛は窓の外に向かって


「                 」

と言った


 

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