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第20話 野営

 日が暮れてきたな。

 この世界の夜空は星がよく見える。

 日本では星なんて滅多に見れないからな。


「あそこの丘の上で野営しようか。

 もう少しだけ頑張ろー!」


 ああ、また上り坂か。

 俺が前で引いてるときばっか上り坂じゃないか?

 上り坂のときはフェリシアは魔法の練習をやめて後ろから押しているみたいだが。

 どうせなら引くのを変わってほしい。

 絶対後ろから押している方が楽だ。


 坂を上りきり周囲を見ると、見晴らしのいい景色が広がっていた。


「周りに大きな森は見えないし、良さそうだね。

 森で薪を拾うのと、水を汲んでくるのどっちがいい?」


 水を汲んでくるとか絶対重いだろ。


「薪を拾ってくる」

「分かった。じゃあ、また後でね」


 そう言ってフェリシアは2人分の革製の水筒と着替えを持った。


「なんで着替えまで持っていくんだ?」

「汗かいたし、ついでに水浴びしようかなって」


 水浴び!?

 絶対に覗きたい。

 いや、覗くだけですませないが。

 いっそのこと二人で水浴びすればいいのでは?

 俺ってば天才!


「なあ。水浴びするなら一緒にしないか?」

「あはは、冗談もほどほどにね」


 そう言って、フェリシアは川に向かって歩いていった。

 冗談じゃなかったんだが。

 まあ、フェリシアの裸はあとで沢山見せてもらうか。


 ◇◆◇◆◇


 森で落ちている小枝を集め、ついでに野苺も拾ってきた。

 時間が余ったから生成魔法で水浴びもした。

 夜がいい感じに更け、雰囲気はいい感じだ。

 フェリシアを抱く準備は万端。

 っていうか薪を拾ってきたが、火はどうやって起こすんだ?

 木を擦って火を起こすのって何時間もかかったはず。

 今からそんな重労働するくらいなら火は無くても良いんだが。


「あっ、コーマ速かったね!」

「ああ。森は近かったし、小枝は沢山落ちていたからな。

 野苺も取ってきたぞ」

「本当だ!よく見つかったね!

 あれ、コーマも水浴びしたの?」

「ああ、時間が余っていたからな」

「ごめん、待たせちゃったんだね。すぐに火を起こすね」


 そう言ってフェリシアが薪を組み立て、木を一本持ち深呼吸をした。

 木を持った反対の手を木の下にかざすと、その手から少し離れた空中に火が出現した。


「火魔法!?そんなことができるの!?」


 魔法で火を出しているところなんて初めて見た。

 魔法って水魔法と風魔法しかなかったんじゃなかったのか?


「ユフィに教えてもらって最近できるようになったんだ」

「どうやってやるんだ?」

「高温になると燃える空気と燃えるのを助ける空気を生成魔法で同時に高温で出すんだよ。

 空気っていうのはね、私たちの周りにある見えないもので……」

「空気くらい知ってる」

「えっ!?そうなの!?」


 高温になると燃える空気って、メタンガスのことか?

 燃えるのを助ける空気っていうのは酸素のことだろ。

 っていうか空気も知らないなんて思われてたのかよ。


 生成魔法で水を出すとき、熱い水をイメージしたら熱湯が出てきた。

 それと同じ要領で、もっと高温で出せばいいんだろ。

 メタンガスと酸素を同時にイメージして……。

 くそっ、難しいな。

 手のひらから違うものが同時に出るってどうイメージすればいいんだよ。


「最初は両手を使って、それぞれの手から出すとやりやすいよ!

 流石のコーマでもすぐには難しいと思うけど」


 両手……右手からメタンガス、左手から酸素っていう感じか。

 これならイメージしやすい。

 高温のメタンガスと酸素……。


「えっ、嘘!?」


 手から綺麗な青色の炎が出現した。


「ふっ、これが俺の力だ」


 こんな短時間で新しい魔法を習得するなんて、流石俺だ!

 やはり俺は天才。

 教えてもらえばどんな魔法だって即座に習得できるんだ。

 縦に伸びる綺麗な青い炎を見ているとなんでもできるような気がしてくる。


「私はイメージするだけでも時間が掛かってたのに……」

「気にすることはない。俺が天才なだけだ」

「うん、そうだね。コーマはすごいよ」


 ガスを出すのを止め、荷車から晩飯を取り出す。


「晩飯にしよう。腹が減っただろ?」

「私はお昼に沢山食べたからあんまり……。

 コーマって本当によく食べるよね」

「そうか?普通だと思うが」


 そう言えば前世はこんなに食べなかった気がする。

 この世界に来てからよく動くようになったし、そのせいか?

 前世は家と学校の往復と体育の授業ぐらいでしか身体を動かさなかったし。


 フェリシアが荷車からパン一つと干し肉を取り出して食べ始めた。


「じゃあ、少しいただくね」

「ああ」


 フェリシアが野苺に手を出し、それを口に入れた。

 よしっ、これでもう俺の誘いを断れないだろ。


 ◇◆◇◆◇


 晩飯を食べ終え、腹が膨れると共に下半身の膨らみを感じる。

 フェリシアってエリーに負けず劣らず良い体してるよな……。


「近くに大きな森は無いけど、ゴブリンがどこから来るか分からないから一人ずつ寝よっか。

 コーマから寝ていいよ」

「野外とはいえ夜に男女が二人きりでいるんだ。

 そうしたらやることは一つだろ?」

「えっと……どういう意味?」


 この反応……処女か?

 まあ、それでも構わんがな。

 むしろ良い!

 エリーは気持ちいいって言ってたし、俺のテクニックで喘がせまくってやる。


「俺とヤらないかって言ってるんだ」

「……私、コーマと付き合ってるわけじゃないよね?

 そんなに軽い女だと思ってたの?」


 あー、身持ちの固い女か。

 そういうのも嫌いじゃないぞ。


「なら付き合おう。さっきも見せた通り、俺ほどの天才はそうそういないぞ」

「そんな言い方で私が「はい」って言うとでも思ったの?」

「違うのか?」

「言うわけないでしょ!

 ……はあ、もう信じられない」


 なんで俺は断られたんだ?

 フェリシアはベルハイムで俺が沢山稼いでいたのを知っているし、依頼中も俺のおかげで助かった場面が何度もあった。

 さっきも即座に火魔法を習得してみせたし、俺が天才だと知っている。

 しかもイケメンだ。

 前世では俺の顔が原因っていうのもあるが、俺が有能なんだと周りは知らなかったせいでモテなかったんだ。

 今世ではその全てのマイナス要素が無くなっている。

 なぜなんだ……。


「……さっき、野苺食べたよな?」

「まさか、それだけでやらせろなんて言ってるの?」

「……金か?金なら沢山あるぞ!」

「はあ!?私をなんだと思ってるの!?」


 エリーは金を払ったらやらせてくれたのに、なぜフェリシアはやらせてくれないんだ。


「もういい。私少しそこら辺を歩いてくる」


 そう言ってフェリシアは立ち上がり、どこかへと歩いていった。


 なぜ駄目だったんだ……。

 それより、このいきり立った息子をどうすれば。

 ……誰もいないし、1人でするか。

 ああ、フェリシアとやりたかったなあ。

最後まで読んでいただきありがとうございます!


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次回の更新はの2026年1月26日の予定です。

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