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76話 新たな漂着者ですの?



「結構採れましたわね」



「これだけあったら大金持ちなんだな」



「あの洞窟は凄いな……おそらく良質の魔原石が生成される環境が整っているんだろう」



 東岩山エリアで新たに発見された魔原石を採取して草原エリアの本拠地に帰ってきた。

この魔原石に火や水を使って変化を加え、性質を固定することで火の魔石や水の魔石などにすることができる。

ただ、今のところはなにかに使う予定も無いし、魔原石……白の魔石状態のままの方が需要が高かったりするのもあって、多くはこのまま保管しておくことに。



「とりあえず変化させる魔石はこれくらいで良いだろう」



「これで島の水が干上がってもしばらくは大丈夫なんだな」



 非常用の飲み水として水の魔石だけいくつか作ってみた。

魔力を込めると手のひら大しかないこの魔石が大量の水に変わるらしい。

魔石って不思議な物なのね。



「魔石、綺麗ね」



「宝石みたい」



「マヨルカとスコットにお願いしてアクセサリーでも作ってもらいましょうか」



「おいおい、貴重な魔石をそんな細工物にするなんて……」



「ミロスさんは女の子のことが分かってないわ」



「そうですわ。使わない魔原石より可愛いアクセですの」



「俺が悪いのか……」



 そんな感じで女子3人組で魔石を眺めていた時だった。



「たっ大変だ……!」



「海岸に凄いのがいる!」



「大物だぜ!」



 本拠地に慌てて戻ってきたトゥーイたち男子3人組。



「そんなに慌ててどうしたんですの?」



「もしかして、また漂着者……それとも別の海賊船か?」



「ち、ちがう……いや、漂着してはいるんだけど」



「オオルカだ! オオルカの子供が打ち上げられてるんだ!」



 ―― ――



「こっちだよ……!」



 トゥーイたちの案内で浜辺エリアの西側へ向かうと、そこには巨大な白黒の魚が1匹打ち上げられていた。



「こ、これがオオルカですの?」



 一見するとサメのようにも見えるが、背中側は黒、お腹側は白の不思議な模様をしている。



「目が真っ白で大きいですわね……」



「その部分はアイパッチという模様だな。よく見ると目はその前に小さいのがあるだろう」



「あ、本当ですわ。黒い肌の中に小さくて黒い目が……分かりにくいですわね」



 目の後ろ辺りにアイパッチという大きな白い模様があり、それが目にも見える。

打ち上げられたオオルカはキングリザードの成体くらいの大きさがあるが、これでもまだ子供らしい。



「キュイッ……キュ~イッ……」



「尾びれになにか巻き付いてるな」



「これは……布と紐? 難破した船の残骸か」



 どうやらこのオオルカは尻尾にゴミが絡まってうまく泳げなくなり、浜辺に流れ着いてしまったらしい。

周りを見ても、親のオオルカは発見できない。どうにかして助けてあげないと。



「ここで活躍するのがわたくしの愛刀ですわ!」



「アーシア、そのおっきなハサミって……?」



「前にミロスがオオハサミエビモドキの殻を加工して作ってくれたんですの!」



 オオルカが暴れてハサミで怪我をさせてしまわないようみんなに抑えていてもらいながら、絡まっている紐を切っていく。

さすがミロス特製、布だろうが紐だろうがジョキジョキ切れる素晴らしいハサミですわ。



「よし、あとはここを切って……これで全部取れましたの!」



「オッケー! じゃあ水の中に戻してあげよう!」



 オオルカの子供はかなり衰弱している様子だった。

無事に泳ぎだしてくれるといいのだけれど……



「キュイ……キュイ~……」



「がんばれー! せーのっ!」



「キュッ……キュイッ……!」



「「「やったー!!」」」



 海に戻ったオオルカの子供はしばらくじっとしていたものの、再び砂浜に戻ってくることもなく、広い海へと泳ぎだしていった。



 




 

————  ――――



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