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67話 宴ですの!



「それではマージンス島の発展と繁栄、そして平穏を願って、かんぱーい!」



「「「「かんぱーい!!」」」」



 昼過ぎのマージンス島、草原エリア。

みんなで食材を集めて料理を作り、完成した本拠地でパーティーが始まった。

わたくしとミロスが獲ってきたホグノーズポークの丸焼きの他に、マヨルカが育てている葉野菜と森で採ってきたキノコ、トゥーイたちが獲ってきた海の幸も盛りだくさんだ。



「いやあ、最初に島に流れ着いたときはどうしたもんかと思ったが、ここは食べ物が豊富で良い所なんだな」



「お魚、おいしい……」



「ワンド族長国にいたときよりもちゃんと飯が食えてるぜ」



「おれも。海賊船に乗せられてここにたどり着けたから、あいつらにはちょっと感謝してるかも」



 孤児だった子供達が美味しそうに料理を食べてくれているのを見て心が暖かくなる。

ギリス王国で暮らしていた頃のわたくしは公爵家の生まれで何不自由なく生活できていたから、今の島暮らしの方が良い、ときっぱり言える彼らとは少し違う思いもある。



「ミロスさん、丸焼きはどうですか?」



「ん、そうだな……表面の皮はもう食べごろだ。削いで器に盛って、そしたら皮の下の肉を焼いていく感じだな」



「あたし、ホグノーズポークの丸焼きなんて初めて」



「あたしも初めて。ワイルドで素敵ね、ミロスさん」



「ワイルド? 丸焼きがか?」



「お肉を豪快に焼いてるミロスさんが」



 家の外では石を積んだ窯と焚き火を使ってホグノーズポークの丸焼きの世話をするミロスたち。

魔物が大きくて中まで火が通るのに時間がかかるので、肉を回しながら表面を焼いて、焼けた部分を削いで食べ、残りをまた焼いて……というのを繰り返していくらしい。



「それにしても、あんなに付きっきりでいなくても良いでしょうに……」



「あらアーシアちゃん、リアちゃんとミアちゃんにヤキモチかしらあ? かわいいわね~」



「そ、そんなのじゃありませんわ!」



「まあまあ、ヘビの塩焼きでも食ってもちつけ」



「それを言うなら落ち着けですわ……って、チャンドラ!?」



「よっすー」



「シャンドラもいるぞ」



 いつの間にか家の中でマヨルカが作ったヘビ肉料理を食べているチャンドラとシャンドラ。

肉の焼ける匂いにでも釣られてやってきたのだろうか。



「アーシア、またアルラウネフルーツがいっぱい実ってきたから、後でミロスと収穫にきてほしい」



「1年に1回じゃないんですのね」



「何度でもよみがえる」



「よみがえってるわけじゃないと思いますけど……」



 チャンドラ達アルラウネ族は、植物質の髪にアルラウネフルーツという果実が定期的に実る性質を持っていて、これをミロスが収穫すると何故か快感らしく、たまに森林エリアの西にあるアルラウネ族の集落に行って、フルーツの収穫作業をしている。

最近はこのアルラウネフルーツを発酵させてお酒にしようということで、マヨルカたち大人組が色々と試行錯誤しているらしい。



「マヨルカ、お酒ってそんなに美味しい物なんですの?」



「そうねえ、お酒独特の苦みがあるから、好きな人は好き、苦手な人は苦手かしらねえ。酔ったときの気分も人それぞれ症状が違うからねえ」



「酔うと楽しくなるものじゃないんですの?」



「アタシはそうだけど、お酒が苦手な人はただ気分が悪くなって眠くなるっていうわよお」



「ふーん」



 ギリス王国にいた頃、お屋敷で行なわれていたパーティーではお酒を飲む大人が多かった。

みんな楽しそうにしてたけど、空元気の人もいたのかしら。



「チャンドラ、特技いきまーす」



「おっ良いぞ~!」



「おもしろそう!」



「えっなに急に……」



「ムシャムシャムシャ」



 いきなり席を立ち、ヘビの一本焼きの尻尾部分を持って頭から食べていくチャンドラ。

そのまま尻尾の部分まで丸呑みするように食べ進めていったところで、口の中から尻尾を取り出していくと……



「じゃじゃーん」



「すげえ! きれいに骨だけ残ってる!」



「チャンドラ、どうやったんだそれ!?」



「ええ……なにそれ」



 チャンドラのヘビ肉消失マジックは種も仕掛けも意味もよく分からなかった。

いやまあ、うまいこと食べたんだろうけど。口の中どうなってるのかしら。



「つづきまして、アーシアのカニ踊り食いマジックをどうぞー」



「そんなの出来ませんわ!!」



 賑やかで楽しいパーティーは、日が暮れるまで続きました。



————  ――――



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