表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

59/95

59話 覚えてろ~!



「アーシア!」



「あ、ミロス。子供たちはどうしましたの?」



「みんな逃がしたぜ。それより……」



「キャプテーン!」



「しっかりしてくだせえ!」



「ああっ! キャプテンのヤシの実が大変なことに……!」



「……どういう状況なんだ?」



 無事に海賊船から奴隷の子供たちを逃がしたミロスがわたくしの所までやってくる。



「そこで気絶して倒れてるのがロドス海賊団のキャプテン・ロドス船長で、そのまわりであたふたしてる3人が下っ端海賊団ですの」



「な、なんで海賊団のキャプテンが気絶してるんだ……?」



「わたくしを羽交い絞めにして捕まえてたのですが、お父様に昔教わった護身術でこう、プチッとしましたの」



「プ、プチッと……?」



 ミロスが少しだけ怯えたような表情でわたくしを見ている気がする。

や、やめてくださいまし。わたくしはただのか弱い乙女なのですから、そんな目を向けるのは……



「おい、お前ら」



「なんだ、いま取り込んでて……って、じ、人狼族!?」



「全然無人島じゃないですぜ……!!」



 気絶しているキャプテンの介抱に夢中で気が付かなかったのか、いきなり現れた人狼族のミロスにびっくりする下っ端海賊団。



「浜辺の拠点を荒らしてうちのお嬢様にまで危害を加えようとするとは……覚悟は出来てんだろうな」



「つ、強そうですぜこいつ……!!」



「しかたねえっ! ここは撤退だ!」



 臨戦態勢のミロスにビビッてそそくさと撤退の準備を始める下っ端海賊団。

三人で気絶したままのキャプテンを担いで猛ダッシュで海賊船へと逃げ帰っていく。



「撤退だ撤退だ~!!」



「つ、次こそは覚えてろよ~!!」



「あっこら! まちやがれお前ら!!」



「ミロス、わたくしは怪我などもしていませんから、ここは見逃してあげましょう」



「まあ、アーシアが良いならオレは構わねえが……」



 結局、彼らロドス海賊団は何も食料を手に入れることもできず、逃げた奴隷の子供たちも回収せず、船に乗ってマージンス島から去っていった。

この島に立ち寄った理由も、奴隷の子供たちの為の食料を確保する為だったし、まあ海賊って割にはなんだか憎めない感じだったわね。



「いやあ、それにしても、無事に子供たちを助けられて良かったですわね……あっ」



「おっと、大丈夫かアーシア」



「ええ、ありがとうミロス」



 危機が去って安心したのか、急に身体から力が抜けてしまう。

我ながら無茶をしましたわね……



「ったく、子供たちもアーシアも無事だったから良いものの、さすがに心臓に悪いぜ」



「いざとなったらミロスが助けてくれるって信じてましたもの」



「そうか」



 ミロスは浜辺にあるわたくしたちの拠点に目を向けて、溜め息を吐いた。



「オレたちが初めて作った拠点がめちゃくちゃだな」



「また作れば良いですわ……今のわたくしたちなら、前よりももっと立派な拠点が作れますもの」



「そうだな」



 浜辺に流れ着いた帆布と森に生えてた木と葉っぱで作った小さな寝床。

最初の頃はあの拠点でミロスに抱き着いて眠っていた。

最近はそういうことは無くなってしまったから、少し寂しいですわ。



「ミロス、他のみんなは……?」



「トゥーイが森の拠点まで連れて行っているはずだ。後で合流しよう」



「そうですか、それなら……」



 わたくしはミロスのもふっとした身体に抱き着いて彼を見上げる。



「まだ身体に力が入らないので、抱っこして連れてってくださいですの」



「しょうがねえな、今日だけだからな」



「やった~ですの!」



「元気そうだな」



 

————  ――――



読了いただき、ありがとうございます!


面白かったら下の評価から★を付けていただけると執筆の励みになります!



————  ――――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ