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51話 夏!



 夏期の初月、無人島生活4ヶ月目。天気:快晴。



「うーん、今日も暑いですわねー」



 わたくしがマージンス島に島流しにされてから三月が経った。

季節が春期から夏期に移り変わり、暖かかった春よりも更に気温が上がって日中は少し暑いくらい。



「とはいえ、ギリス王国の夏よりかは過ごしやすい気がしますわ」



「この辺りの気候はヨーロンス大陸と違うのかもしれないな」



「そうなんですのね」



「遭難だよ」



「ふふっ。つまんない冗談」



 今はミロスと一緒に草原エリアの探索中。

スコットが森林エリアで集めた木材と東岩山エリアで集めた石材を使って家を建ててくれているので、周囲を探索しつつ魔物が現れないか警戒もする。

頭上からは魔物使いトゥーイの使い魔、ガルーダのガーちゃんが飛びながら島全体を監視してくれていて、何が異常があったら鳴いて知らせてくれるようになっている。



「それにしても、もう結構出来てきたな」



「立派な拠点ができそうですわ」



 草原エリアに建設中のわたくしたちのお家。

ここを本拠地にしようということで、浜辺や森の中に作ったものよりも大きくて立派な建物を作ってもらっている。



「まさか、石材をドロドロにして土台にするなんて思いも寄りませんでしたわ」



「コンクリ材とか言ってたな。あれはすごい技術だ……」



 大工職人だったドワーフ族のスコットはただ木を重ねてツル紐で結んで拠点を作っていたわたくしたちとは違い、色々な物を材料にしてしっかりとした床や壁、屋根を作っていた。

更に、今では家の建設作業を手伝う助っ人まで付いている。



「ウッギギー!」



「おーう、ごくろうさーん! 運んだ木材はそこにおいといて欲しいんだなー!!」



「ウッキーウキーキー」



「ウッギー!」



 拠点の方を振り向くと、森から木材を運んでいるハンマーヒヒたちの姿が見える。

東岩山エリアで出会った彼らは、わたくしたちが作ったカニせんべいを気に入り、せんべいをお給料代わりに拠点建設の手伝いをしてくれるようになった。



 ちなみにハンマーヒヒとスコットの通訳としてアルラウネ族のチャンドラが頑張ってくれている。

チャンドラは特にお給料とかは求めてこないけど、美味しいごはん……特に焼いた魔物の肉が好きなので、日が暮れてからわたくしたちと一緒に夕ご飯を食べて満足してどこかへと帰っていく。

そして朝になるとまたどこからともなくやってきて、美味しそうに朝ごはんを食べて、スコットの手伝いをしてくれる。



「拠点が完成したら、次は湖に行くための桟橋を作らないとな」



「あの辺りの湿原は危険ですものね」



 草原エリアの南東にある大きな湖の周りは湿原になっていて、水草の生えた小さな沼も点在しており、陸地かと思って歩いたらズボッと沼に突っ込んでしまう可能性がある。

ワニ型の巨大な魔物なども生息していて危険なので、安全に湖へ行くための桟橋の設置が必要だった。



「そういえばこの前、ワニみたいな魔物を襲って飲み込んでいるめちゃめちゃでかいヘビを見たぞ」



「ワ、ワニを飲み込むヘビ!? そんなのもいますのね……」



 わたくしも飲み込まれないように注意しないと。



「ヘビいたのか? 捕まえて食べよう」



「わっ! って、チャンドラですの」



「お前、ヘビ料理好きだよな……」



「ヘビ うま」



「あなたが食べられちゃいますわよ」



 チャンドラが興味を持って巨大なヘビを探しに行かないように気を付けないと。



————  ――――



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