45話 東岩山エリアですわ!
「ミロス、山が見えてきましたわ!」
「そうだな……まあ、山というか、壁というか」
森の拠点を出発した2日後、わたくしたちは東の岩山と森の境目辺りまで到着した。
岩山はかなり急な斜面になっていて、この辺りから登るのは難しそうだ。
「ここから先は山沿いに歩いて行って、登れそうなポイントを探そうか」
「んだな。オイラが欲しい素材も少し登らにゃ手に入らなそうだ」
壁のような岩山の横を草原エリア方面に向かって歩いていく。
うーん、なんというか、どこまでも壁が続いてますわね……
「チャンドラ、登れる」
「えっ? それは本当ですの?」
「見ててみ」
チャンドラが近くにあった長いツタを持って岩山に近づいていく。
「あそこに引っ掛ける」
「ああ、なるほどな。ツタを上の出っ張りに括り付けて、それを伝って登っていくってことか」
「正解。ミロスえらいえらい」
「やめろ。ツタを使って頭を撫でるな」
「わたくしもやりますわ!」
「ツタで頭をひっぱたくな!」
―― ――
「ん~……はっ!」
シュルシュルシュル!
「できた!」
「これを登って崖に上がるんですのね」
チャンドラが吊り下げたツタをスルスルと登っていく。
さすがアルラウネ族、身軽ですわね……まあ、アルラウネ族に出会ったのチャンドラが初めてですけど。
「登れた―」
「チャンドラ~そこからなにか見えますか~?」
「うーんと……岩しかないー」
「まあ、そりゃそうなんだな」
「やっぱオレ達も行かないとダメだな」
崖の上を進んでいくチャンドラから目を離さないようにしながら、わたくしたちはわたくしたちで下からついていく。
「スコットー石あったー」
ぽいっ。
「おっと! なんだなんだ?」
「こらチャンドラ、危ないから石を落とすな!」
「はーい」
時々崖の上にある石を拾ってスコットに渡す……というか、投げ落とすチャンドラ。
ミロスに注意されてからはツタに巻き付けて降ろしてくれるようになった。
「ふむ、こりゃあ方解石だな……これなら消石灰が作れるかもしれんな」
「欲しかった素材ですの?」
「ああ、これを集めれば家の土台が作れるだんな」
「チャンドラー! これと同じ石を探して欲しいですのー!」
「はーい……あ、おっきいのあったー」
ぽいっぽいっぽいっ。
どすどすどすっ!!
「だからあぶねえって言ってんだろ!」
ついさっきミロスに言われたことを忘れて石を落としてくるチャンドラ。
「やっぱオレ達も行かねえとダメだな……」
「チャンドラ嬢ちゃんに力仕事させんのも良くないんだな」
「……スコット、あのツタ登ってチャンドラの所まで上がれるか?」
「多分千切れるんだな。ミロスは?」
「恐らく同じく」
……チラッ。
「わ、わたくしはちょっと、普通に登れませんわ。千切れはしないと思いますけどね、千切れは」
チャンドラよりはちょこっとだけ重いかもしれませんけど?
まあ、ツタが千切れるほどではありませんわよさすがに。
「おーい、大変だ大変だー」
「お、チャンドラが何か言ってるぞ」
「どうしましたのー?」
崖の上にいるチャンドラを見上げると、彼女の進行方向に何かが現れたのが見えた。
「ウギギギギィィィィ~!!」
「あれは……おサルさんですわ!!」
「敵襲だ敵襲だー」
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