44話 探索メンバーですの!
「それではミロス、スコット、探索にレッツゴーですわ!」
「「おー!」」
「おー」
…………。
「お二人さん、この緑色の嬢ちゃんは誰なんだい?」
「みどりいろのじょーちゃん」
「この子はチャンドラですわ」
森の拠点で一夜を明かし、わたくしたちは朝早くから準備をして東岩山エリアの探索に出発した。
メンバーはわたくしアーシア、人狼族のミロス、ドワーフ族のスコット、そして……アルラウネ族のチャンドラ。
「なるほど、この島の原住民……」
「スコット、ひげひげ」
「おいこらチャンドラ、スコットの髭を引っ張るのをやめろ」
「じゃあミロス、もふもふ~」
「ミロスのもふもふはわたくしのですわ!」
「アーシアのでもねえよ」
「ほっほっほ! 賑やかになってこりゃあ良いんだな」
スコットは明らかに人間や他の亜人族とも違うチャンドラをすぐに受け入れた。
アイル王国で強制労働させられていたとはいえ、自分たちで船を作って国外逃亡を図ったり、魔物に襲われて仲間を失い、こんな島に流れ着いてもすぐに気持ちを切り替えて探索に付き合ってくれているところからも、中々に豪快な性格なのかもしれない。
「アーシア、どこ行くの?」
「あそこに見えている岩山ですわ。家を作る材料を探しに行きますの」
「チャンドラの特技、岩は無理」
「特技ってなんなんだな?」
「チャンドラは植物を操ることが出来るんですの」
「みせたるみせたる」
チャンドラは進行方向にあった木のツルを触らずに動かし、道を整備してくれた。
「ほほ~すごいなお前さん」
「ふふ~。ミロス、チャンドラすごい?」
「おう、どかしてくれてありがとうな」
「ふふふ~」
ミロスに撫でられてご満悦のチャンドラ。
ぐ、ぐぬぬ……なんだかずるいですわ。
―― ――
「今日はこの辺で野宿だな」
「島に来たときからずっと野宿ですけどね」
「はははっ、違いない」
森の拠点から東に向かってしばらく歩き続け、岩山まであと半分ほどという所で日暮れも近づいてきた。
これ以上暗くなると危険なので、今日はここまで。
森の中の開けた場所に簡単な拠点を作り、ごはんを作ることに。
「それにしてもスコットもけっこう戦えるんですのね」
「まあ体力と腕力だけはそれなりにあるんでな。ただまあ、海の上じゃあどうにもならんかったが」
「それは……仕方ありませんわ」
スコットはこの島へ来る前に巨大なタコの魔物に襲われて仲間を失っている。
「水中でも戦えるのはセイレーン族くらいだろう」
「せいれーん?」
「魚類型の亜人ですわ。上半身が人の姿で、下半身がお魚なんですの」
「せいれーん、美味しそう」
「食べちゃダメですの」
そういえばセイレーン族は性別として女性しか存在しないらしい。
いったいどうやって子供を産んでいるんだろう。
「ねえミロス、セイレーン族って女性しかいないのにどうやって子を為しているか知っていますの?」
「あ? セ、セイレーン族の繁殖方法か? まあ一応知ってはいるが……」
「教えてほしいですわ!」
「チャンドラにも教えて!」
「オイラもオイラも」
「スコットお前、知ってて言ってやがるな……」
森で狩った魔物を捌きながら、ミロスがセイレーン族の繁殖方法について説明してくれる。
「セイレーン族は卵生でな、子供が生まれる有精卵と生まれてこない無精卵があるんだが……まあこの辺りはハーピィ族と一緒だな」
「それでそれで? どうやったら有精卵になるんですの?」
「それはな……アーシアが大人になったら教えてやろう」
「ええ~」
ミロスは話を誤魔化した。
うーん、なんだろう……とっても気になるわ。
「ミロス、あとでチャンドラにだけ、こっそり教えて」
「あっズルいですわ!」
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