43話 家を建てますわよ!
「というわけでスコット、草原エリアにちゃんとした家を建てたいんですの!」
「前置きがなにも無かったんだな」
「悪いなスコット……ウチのお嬢様はこういう所があるんだ」
森の拠点で作業をしていたマヨルカとトゥーイにもスコットを紹介し、そのまま全員で夕食にする。
今日は新しい島民であるスコットの歓迎会も兼ねて、いつもよりちょっと豪華な食事だ。
「ここの半地下型の拠点はお前さん達で作ったんね? 中々よく出来とるね」
「ミロスが設計して、みんなで作りましたの!」
「だがまあ、オレの知識だとこれが精一杯だ。石組みの家や高さのあるちゃんとしたログハウスは、半端に作ると倒壊しちまうかもしれねえからな……」
「それはまあそうだな。枠組みにするか軸組にするか、石材や木材の性質、強度も調べんといけんしな」
ドワーフ族のスコットは、元々アイル王国で大工職人をやっていたらしい。
木を組んで作る家や、泥を固めた家、焼いたレンガを積んで作る家など、その土地や用途に合わせた家を作ることが出来るんだとか。
「この森の拠点まで来る間に色々見てきたが、まあ、材料に関してはなんとかなりそうなんだな」
「他になにか必要な物があるのかしらあ?」
「そうなんだな……コンクリ用の石材があるとかなり丈夫に出来るんだがな」
「石材……森だと採れない?」
「粘土なら採れそうだがな……コンクリに使うセメントの材料には石灰と軽石が必要だかんな……」
「石灰と、軽石……」
さすがスコット、わたくしたちが知らない大工知識を色々と持ってますわ。
それにしても、この辺りで他に材料が採れそうなのは……
「それじゃあ、岩山エリアに行ってみるのはどうですの?」
「岩山っちゅうと、浜辺の東西の崖のことなんだな?」
マージンス島の東側と西側は岩壁で覆われていて、この岩壁をわたくしたちは岩山と呼んでいる。
浜辺からだとかなり急な崖になっていて登れないし、島の両端なので、森や草原からだと距離があるため、探索は後回しにしていた。
「そういえばあの辺りはまだ行ったことがなかったな……明日辺り登れそうな場所が無いか調べてみるか」
「ついでにスコットが欲しがってる石灰とかも探してみるですの」
「危険な魔物が棲んでるかもだから、気を付けてね……」
というわけで、わたくしたちは新たな材料を探しに岩山へ向かうことにした。
「それで、東と西、どっちの山に向かうのかしらあ?」
「どっちも見た目的にはあまり変わらない気がするが……」
若干、東の方が植物の生えてる量が多いかしら?
「二手に分かれて行くには、ちょっと人数が心もとないわねえ」
「ぼ、ぼくは拠点の見張りしてるよ……」
「アタシもトゥーイちゃんに付き合うわあ」
岩山に向かうのはわたくしとミロス、そしてスコットの3人。
まずは東か西の岩山どちらかだけだろう。
「それじゃあまずは東にしよう。日が落ちる方角の関係で、西側よりも暗くなるのが遅いはずだ」
「そうだな、オイラも東の岩山が良いと思うんだな」
「わかりましたわ。それじゃあ明日からの岩山探索の為に、今日はしっかりご飯を食べて休みましょう!」
「おう……ところでアーシア、この化け物の丸焼きみたいな料理はなんなんだ?」
「ガーちゃんが捕まえた魔物ですわ」
「……これは、多分ドロヒドラの仲間。草原エリアの湿地帯にいた」
「初めて見たな……で、美味いのか?」
…………。
「ミロス、あ~ん」
「おいオレに毒味させるな」
———— ――――
読了いただき、ありがとうございます!
面白かったら下の評価から★を付けていただけると執筆の励みになります!
———— ――――




