プロローグ
───穏やかな風が吹き抜ける草原
ここは「エンリーフ」のそばに存在する狩場であり、ドロップするアイテムも良質なものが多いため人気のエリアだ。
そんな普段であれば誰かしらが狩りに励んでいる場所だが、この時は周囲に人影はなかった。
──ある者達を除いて
「…おい、準備は整っているのか? まともに機能しなければ意味はないぞ」
「わかっている。首尾は順調だ。あとはあれの一部さえ手に入れば……この国は終わる」
この心休まる風景には似つかわしくない格好をした者。全身を黒い布で包み、話し合いにふけっているがそれを咎める者はいない。
「籠は手に入った。既に核はこちらの手の中にあるんだ。民衆が呑気に過ごしている間に我々は着々と用意を整えてきた」
一人の男が手に持っている鳥籠のようなアイテム。一見何の変哲もないように思えるが、彼らはそれが使いようによって恐ろしい効果を発揮すると知っている。
「ではタイミングは追って知らせる。くれぐれもぬかるなよ?」
「誰に向かって言ってるんだ。…この〈ラピット・ツァルト〉が失敗することはない」
それで会話は終わったのか、そこにいた者達は姿を消していく。
自然が共生する国「エンリーフ」。その地で、底知れぬ悪意が動き出そうとしていた。
ここから第二章開始です!
新たな舞台での冒険が始まりますので、お付き合いのほどよろしくお願いします!
そして活動報告でも述べましたが、ここからは今まで通り毎日投稿を続けるのは難しい時があるかもしれませんので若干の不定期更新とさせていただきます。
できる限り更新は継続していきたいと思っておりますので、これからも暇なときにでも読んでいただけると幸いです。
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