経理に丸投げした店主
ジャンルをヒューマンドラマからコメディーに変えました。
ゲームを買うついでに、高卒でゲームショップを開店した弟にあいに来たときのこと。
「店長、失礼します。消費税の納付書、届きましたよ」
「ああ、いくらだ?」
「50万円ですね」
「わかった。いつもの口座から下ろして振り込んでおいて」
「わかりました」
そう指事を受けるとその人は部屋から出ていった。
「消費税の納付額が50万円て、儲かってるな」
「まあ、昨年の売上550万円だったからね」
「へえーそいつは、、、ん?」
ちょっと待て。売上550万円に対して納付する消費税が50万円?
「お前まさか、売上に対する消費税、全額納付すると思ってないか?」
「違うの?」
「、、、あのな、確かに食品以外の消費税は売上に対して10%だ。だけど実際に納付するのは、そこから仕入などの費用にかかる消費税、つまりお前が他の会社に払った消費税との差額だ!」
「?」
こいつ、わかってないな!
「例えば、このゲーム。販売価格が6600円(税込)だから消費税600円だろ」
「そうそう、だから1本あたり600円を納めないと」
「違う!?次はこのソフトを仕入れた時に払った分、例えば5500円(税込)払ったなら、その分引くんだよ。つまり600円-500円=100円、これが単純計算の1本あたりの納付する消費税だ。実際にはいろいろ計算したり、その年に仕入れたかどうかで変化するけどな」
「え?でもそれなら赤字のときに払わないことになるじゃん?」
「利益がないなら、払うどころか逆に返ってくるんだよ。還付金みたいにな」
「嘘だろ!今まで売上の1/11、経理が口座から下ろしていたはずだぞ!」
「それ横領されているんじゃねぇのか!?さっきの奴捕まえて納付書の金額確認してこい!!」
後日
やはりあの店員は差額を横領しており、警察に御用となった。
わざわざ口座から一度下ろしていたのも、実際の納付額が手帳に記載されないためとのこと。
その後、店長が経営状態の把握が出来てないのは問題なので、問答無用で簿記の知識を取得させることにした。
「勉強嫌いだがら大学行かなかったのに、この歳になって勉強することになるなんてー!」
「最低限の知識は持っておけ!!今回は差額を横領されていただけだからお前に罪は問われなかったが、もし全額盗られていたら、下手したらお前が脱税したことになっていたんだぞ!」
苦手を人に任せるなのは構わないが、人に放置するのはいけない。弟には是非ともこの経験を今後にいかしてほしい。
「うえーん!!」
転職時に勉強しましたが、実際に取得したのは就職後だったため、何かに使えないかと話の種にしてみました。
昨年まで、店に払った消費税そのまま全額その店から納付されていると勘違いしてました(というより払った後の金の流れに興味なかった)。
高卒の弟=簿記を勉強する前の自分、です。