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健康な食事をつくります!

この家では薄味の美味しくもなく、まずくもない料理がだされる。

時代が違うし、こんなものなのかなと思っていたし、お母様の病人食にあわせてるのかな~って思っていたから文句を言うことはなかった。


だが、今は違う!


自分で言うのもなんだが、こんなに可愛いサーティリアをただの血液提供目的、むしろ食材としてしか見ていない野蛮なヴァンダイア族に嫁がせるための布石だったと知った。


ヴァンダイア族に好まれる血液をつくるための味気ない食事なんてまっぴらである。


食改革だ!!!


私は強く決意する。


庭師のフィクトルに新鮮野菜作りの布石は打ったが、やはり料理の食材についてもルート確保をしておきたい。


そして、料理についてもどんどん手をだしていきたい。


見た目は美少女なお母様にも美味しくて健康な料理を食べさせてあげたい!


献血マニアとして、健康な血作りを日々心がけていた私からすればここの料理は全くもってダメダメである。


こんなんじゃ献血センターにいっても採血の成分検査に合格せずに強制帰宅コースにされちゃうよ?!ちょっぴり恥ずかしい思いをして帰ることになっちゃうよ?!?!


こんな料理じゃお母様の体が弱る一方であることも納得のすけである。


とはいっても、この広い屋敷のどこに誰がいるのか私にはさっぱりわからない。

食材担当とか料理担当とかどうすれば出会えるのだろうか?

私はとりあえず給仕をしてくれているククリスに話しかける。


「このお料理を作ってくれてる人とお話できる?」


「それはどういった理由でしょうか。」と淡々と尋ねてくる。


ククリスはクーデレ美少女なので常に淡々としている。

ちなみにまだデレの部分はみたことがない。いつ見せてくれるのか楽しみである。


「料理について知りたいの。オゼノービリス先生がヴァンダイア俗に嫁入りのための食事作りについて教えてくださったから・・・」と健気さをアピールする。


私は嘘は付いていない。教えてもらったことを実践するのだ、正反対の方向で!!


私は脱食料、婚約破棄計画を遂行するにあたり、協力者を絶賛募集中である。


その中で観察した結果、侍女や家庭教師などの上位の使用人は私をヴァンダイア族に嫁がせることを目的としている印象を受けた。


私に興味があるわけではなく、あくまでもヴァンダイア族のために行動している様子が伺えた。

ククリスもそうだと思う。髪は茶色に近いブロンドだけど、紅い瞳の美少女だから。

というか、基本的に私好みの美女とイケメンはヴァンダイア族推しだと思う。

用心するにこしたことはない!


しょせん、血液の善し悪しなんて見た目ではわからない。

こっそりと最高に健康でヴァンダイア族が嫌う血液を作ればいいのだ。

献血もなく、採血結果も届かないこの世界ではノープロブレム!!!!


私って天才!!


あくまでも私は嫁入りのために頑張ってますよ感をアピールしてひっそりと善意の第三者をふやし、健康になるのだ!ふはははははは!


ククリスは「そういうことでしたら承知しました。後ほど手はずを整えましょう。」と約束してくれた。


ククリスは基本的に私の身の回りのことをすべてしてくれているので、洗濯やベッドメイキングなどで側にいないことも多い。


ドレス作りをするときに針子の調整をしたり、いろいろな手配をすべて一人で行う超有能クーデレ美少女なのである。

デレはみたことがないが。超貴重なところもまた良い。



ククリスが紹介してくれた料理人は赤茶の髪にブラウン系の瞳の親しみやすい下町の看板おかみという感じの美人さんだった。

名前はコクトゥーラ。

子育ても落ち着いて孫育てに精を出してそうな年齢だが、まだまだ現役のようだ。

なんとなくだけど料理人といえば男性のイメージだったので、ちょっぴり意外であるが嬉しい誤算である。


高貴な美人をみてばかりいたので、親しみやすい美人さんは大歓迎である。

そして私統計ではブラウン系の髪と瞳は私の敵ではなく、善意の第三者として活躍してくれる予定の存在だ。



ククリスが同席する場面ではあまり突っ込んだ話はできない。

今日の料理の感想や今後嫁入り先に(いかずにすむように)あわせた味付けを慣れ親しんでいきたいので、協力してほしいことだけを告げる。


「よろしくお願いしますね、コクトゥーラさん!また時間ができたらお話しにいきたいです!」とにっこり微笑みかける。


「トゥーラで良いですよ、お嬢様。いつでもお待ちしていますから。」と愛想の良い笑顔を浮かべてくれた。



ククリスがいない間を狙って、早速トゥーラのもとにいった。下町の料理について聞くとやはりこことは違うもっと濃い味付けのようだ。

育ち盛りのお嬢様にこんな病人食のようなものを出すのは気が進まなかったと困ったように笑っていた。


トゥーラには嫁入りに向けてみんなには内緒で料理の味付けになれたいこと、そのために協力してほしいことを伝えたら、孫をみるかのような微笑ましい顔で「えぇ、えぇ、よろしゅうございますよ。」と頷かれた。


事情を知らないトゥーラには嫁入りに行くことが楽しみな子供にみえているのかもしれない。

正確には全く逆であるが、その方が全力で協力してもらえそうなので勘違いしておいてもらおうと思う。


「じゃぁ、トゥーラ。見た目はいままでの料理と変わらない感じで、盛り付けてね。お肉や新鮮な食材を使って濃い味付けにしてね。できるだけ私も来るから!」と念押しした。


ちなみに食材は移動販売のようなものを利用して地元の人が館に売りに来た際に購入することが多いとのこと。次回は同席させてもらう約束をした


。ちなみに肉類はお取り寄せになるようで、頼んだら後日手に入れたときに持ってきてくれるとのこと。


これで脱食料に向けた食材をゲットする方向で動きやすくなった。大変よくできました、私!!!


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