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脱生贄のため、健康野菜生活を目指します!

ヴァンダイア族への嫁入りが実は吸血鬼一族への血液提供という生贄だった。

私はのほほん令嬢ライフを捨て去り、婚約破棄に向けて全力で取り組むことになった。


翌日には早速日光浴がてら庭で一日を過ごすことにした。

屋敷内は日当たりが悪い欠陥住宅のため、あまり適切な環境ではないのだ。


前世を取り戻すきっかけとなったときにお世話になった庭師にまだお礼も言えていないのでちょうど良い。



外にでると庭師のおじいちゃんが花の手入れをしていた。


「おじいちゃーん!この間は助けてくれてありがとう!」


私がにっこりと話しかけると、おじいちゃんも安心したような笑顔をみせてくれた。


「これはわざわざどうも。お嬢様が外に出るなんて珍しい。」


そういって嬉しそうに笑ってくれた。


この庭は立派な花があるのに、テラスやベンチがない造り。

あくまでも窓から見るための楽しみ方しかしていないようだ。


貴族といえば庭でお茶をするようなイメージだったので意外である。

あ、あれか。吸血鬼が好む血液造りのために日光に浴びさせないようにしてるのか。


おじいちゃんに名前をきいたところ、フィクトル・ヤンガーというらしい。

このおじいちゃんと仲良くなるのは私のミッションでもある。


そう、この庭に家庭菜園を造り、新鮮な野菜を食べるのだ!!


脱生贄、婚約破棄計画の重要なミッションである!!


いきなり野菜を作ってくれといったらあやしすぎる。


特に冷酷イケメン家庭教師にバレたら、何が起こるかわからない。

とりあえず、いまある庭の植物について知ること、食べられるものがあるか知ることが目下の目標である。


そして、さりげな~く野菜作りをリクエストするのだ!!


「この花はなんという花なのかしら?」私はできるだけ愛想が良く好奇心が強い子ども感を出して尋ねてみる。


おじいちゃんは嬉しそうに花の名前やこれから咲く花の名前なんかを教えてくれる。

残念ながら食べられる花はないようだ。


まずはミントやローズマリーの植物っぽいものからリクエストして健康ハーブティーを作り、そこから自然な流れで野菜に広げていく!!


「ねぇ、フィクトル。私、お花に興味を持ったわ!図鑑とかってあるかしら?」この世界に食べられる草花がどんなものがあるかをまずは調査せねば。



「あぁ、ありますよ。明日にでもお持ちしましょう。」とにっこり笑ってくれた。


ビンゴー!!!


「楽しみだわ。このお花って本当に素敵。食べても大丈夫なお花ってあるかしら?紅茶は葉っぱなんでしょ?ここにも飲める葉っぱはあるの?」


さりげなくきいてみるとフィクトルは嬉しそうに教えてくれる。


(とりあえずハーブティー計画はいけそうね!そこから野菜生活を始めて脱生贄!目指せ婚約破棄!!)


翌朝、太陽光に浴びすぎて、肌がやけて痛みに打ち震えることも知らずに、私はにんまり笑うのだった。



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