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ホラー・ナイト 1  作者: 敦子ちゃんp
2/4

灰色の男


 昨日の話だったネ



 昨日は、土曜日で半ドン



 アタシ母校で、講師してんの


神崎川女子の中等部



みんな知ってるよネ? かな?

幼稚園から、大学までの一貫校

関西の女子校では、一応一流  かな?


高等部から5年に一人位の割合で、東大に合格する子が、出る


アタシ幼稚園から

お金で入ったの


ママが、アタシの頭では受験は無理て、知ってたから



アタシ教員免許持って無いから、本教員には、成れないけど


でも、いいの 実家 金持ちだし

アタシ 一人娘だし 


 ウッフん


 教員は大変だけど、講師は気楽

(その代わり、収入は本職の半分程度、当然かな)



でも時間が来たら帰れるし、職員会議の出席も自由


だったら、あんなウッとしい会議 出る分けないや




そう、昨日の話だったネ


昨日 いつもの場所で、

モンゲーやってた


 時間は2時過ぎ

と、いう事は4時間有る


(何の? )


デートよ、彼氏 6時に迎えに来てくれるの


彼 大阪府警の警察官

優しくて、強いの

アタシの事、

スゴく可愛がってくれる


彼の攻撃、マジ スゴいんだから

 アタシ、時々 失神する


でも、寝むらせてくれない


土曜日のデートは、アタシ明け方まで、ひたすら攻め立てられてるの


 私達二人共、超好き者同志


だから、日曜日はボロボロになって

昼過ぎまで、寝てる


 (好き者過ぎだろ)


彼ネ、まるで掘削(くっさく)ドリル


 ド、ド、ド、ド、


 て、


アタシ地球の裏側、ブラジルまで

貫通しちまうよ


(お前、それ、止めろよ)


何よ、そんな怒る事無いでしょ

自分が、モテないからって、ひがむ事ないよ


(そんな、問題じゃないよ

だったら、官能小説でも書けよ)


ゴメン、アタシの頭すぐ脱線する


(それ、脱線じゃなくて難破だよ

(ストーリー)続けろよ)



  分かったよ


 威張るな、バカ

 (何だと? )


 何でも無いよ


そう、昨日のゲームの話だったネ


昨日は、何故か調子 悪かった


 3回連続、初日処刑


 初日に処刑されるの恥なんだ

(情報の少ない初日に、

処刑されるのは

人間陣営でも、怪物陣営でも

不要と判断された証し


 クソ!)



 

 そして、あの4回戦目


 


部屋は、陰険な連中ばかりで


それに、妙な動きする奴がいた

 キャラはソニー

(アホ面ソニー)

盤面から、見れば

役職は、恐らくピエロだろう



 ゲーム歴の長い私は、動きで

相手の心理が、ある程度読める


のにソニーは、まるで(つか)めない



 そいつの動きは、まるで預言者

(でも預言者は、他者が既にカミングアウト済み)


 いや、コイツ預言者の上を行くな

まるで魔王、でも魔王の役職は上級部屋のみの存在のはず

ここは、普通部屋だ


 

 そうだ、これだけは言っとくネ


 ゲームを楽しみたいなら、

 上級者部屋には

 足を踏み入れない事


 そこは、別世界だから


 「モンゲー」2年やってる私でも 怖くて入れない


ゲームの案内板にも、普通部屋で熟練してからの、入室を薦めてている



上級者部屋の連中は、サイコパス

(裏で、金を賭けてるらしい)


 一度、興味本位で 上級部屋に(もぐ)りメチャ怖い思いをした


ゲームの序盤、

突然、他の9名 全員が

牙を|()き、アタシに襲い掛かかる


 (何で? )



 叩きなんて、そんな生易(なまやさ)しい物じゃない


 (ネットで、叩かれて

 死ぬ人の、気持ちが分かる)


奴等らは、剥き出しの煮えたぎる憎悪(ぞうお)に満ち満ちた罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせ掛けて来る


震え上がった、私、心底震え上がった


 (どうして?どうして?)


 思わず電源を切った


 でも、見たわ


 最後の言葉


 ソニーのキャラが、打って来た

最後の言葉


 《お前を、殺す》



    カタリ.


小さな物音にも、

恐怖で身体がしび)れる

 

 誰かが、私を殺しに来た

 何マイルも旅をして

 強い憎しみと、

 激しい殺意を胸に


その手には、私を殺す為の道具が

握られている


《何で、何でだよ、何でアタシ

殺されなきゃ なんないのよ!》


庭先には、何人もの男が

手斧や、(なた)を持ち

家内への進入口を、探している

その顔は、(にご)った欲望を果たす悦びに歪み輝いている


 の、だろう……か?



アタシは、泣き出し


母に電話する


「ママ、帰って来て」


「今日は、泊まりだと言ったでしょ」


「お願いよ、後生だから、帰って来てよ」


 「子供みたいな事、言わないの

今回は、当時の担任先生が来て下さってるの」


母は、高校時代の友人達と梅田のホテルでパーティー、そのホテルで一泊して明日は京都旅行の予定


 「そんな事、関係無いでしょ!」


娘の金切り声に、母の態度が変わる


 「どうしたの、アンタ、泣いてんの、何か怖い事?」


 「そんな事、

どうでも良いから……」


後は、泣きじゃくり 言葉に成らない


 「どうでも良くないでしょ

ハッキリしなさい」


しかし、母の洋子は強い

不安を感じた


普段、親の自分でもムカつく程

冷笑的態度の娘が、これ程

取り乱したのは、初めてだ


電話の向こうで、あの子は泣いてる


「分かったわ、お母さん、今から帰ります


でも愛子、落ち着いて聞いて


怖い事が、起こったら


ママに、電話する前に、警察に電話して」


しかし、受話器から聞こえるのは

娘の(むせ)び泣く涙声


これは、決定的だ


「お母さん、今から帰ります、

 待ってなさい」


 時計を見ると、10時30分


 浴衣からスーツに着替える、洋子の ただならぬ様子に、ツインルームの隣で寝ていた、友人が身体を起こす


 「どうしたの、何か有ったの?」


 「起こしたね、ゴメンね

 私、帰るね


 愛子から、電話で

 帰って来て欲しいって」


 「何が、有ったの?」


 「それが、分からないのよ

あの子、泣いてばかりで」


 でも、アレは、我が子からの


 SOSだ


 「明日の、旅行もキャンセルする

代金は、いいから、田崎先生には謝っといて


 せっかく来て頂いたのに」


 「警察に、電話したら」


 「警察なんて、ダメよ 110番じゃないんだから、相談窓口に回され、周囲の巡回を強化しますで、終わりよ」


 「警備会社と、契約してないの」


 「ううん、料金 高かったから」


 「なに言ってるの、月々 一万円 程度じゃない、


愛ちゃん、みたいなキレイな()が、いるのに


先月だって、名古屋で アパート暮らしの、女子大生が……  」


 「チョッと、怖い話し


    しないで!」



   ******



 あれから、何度電話しても

 娘は、電話に出ない


《貴方の、お掛けなった……


……電源が、切られて……》


 何で! 誰が、切ったの?


(先月、名古屋の女子大生が……)


 それ、止めてよ!


 自宅に、向かう洋子


梅田から、西に走る列車の黒い車窓のスクリーンに浮かぶ、最悪の場面(シーン)


 列車が、停車駅で止まる度

焦燥感に、胸が()げる


クソ! 電車もっと真面目に走れ

私を超特急で、連れて帰れ



 (……愛ちゃん、みたいな

  キレイな子……)


    止めて!   




 洋子は、祈る


 愛子、どうか 無事でいて


 お母さんはネ


 お前、無しには


 生きて、いけないよ



 例え、他家に嫁いでも

 お前は、私の子供

     私の宝物



   *****


 家にたどり着いたのは、午前0時を少し過ぎていた


 春先の冷たい風が、吹き(すさ)ぶ、月も星も無い暗い夜だった


我が家は、漆黒(しっこく)の闇の中に(たた)ずんでいた


そんな(はず)は無い

怖がりのあの子は、

一人の時いつも、

家中の灯りを付けてるのに


 「クリスマス・パーティーでも してるのかと思ったわ」


 て、よく叱った


 でも、今 我が家は、

 闇に包まれている


 (まるで、死の家)


 止めて!


 (さあ、早く家に お入りよ


お前の帰宅を、待っている人がいる


満面の笑みを浮かべ


汗に濡れた手に、握られているのは

血塗(ちまみ)れのジャックナイフ


 アイちゃんを、切り裂いた


 血塗れの)


   止めろ!


その時、屋根のパラボラアンテナにボッと青い鬼火が灯る


あれは、魔物の降臨(こうりん)を告げるセントエルモの火


その鬼火は、瞬く間に、我が家を包み込み


そして屋根や庭に人の形をした

光の塊が、()き上がる


一つ、二つ、三つ……9匹の光の幽鬼が自分を、見下ろている


 何だコレ?


 我が家は、幽霊屋敷に成ったの?




 光の お化けが、話し掛けて来る


 「母ちゃん、遅かったな

俺達、アイコを肉鍋にして、

喰っちまったぜ


美味しかったよ


お母ちゃん、折角(せっかく)(ケツ)に帆を掛け、翔んで帰って来たのに、気の毒したな



 それにお前、惜しい事したぜ


田崎センセ、お前の初恋の相手だろ


お前、熱きバージン捧げたもんな



田崎センセ、今 明美と 奮戦の真っ最中だぜ


 ホテルで、隣に寝てた大親友の、辻本明美

ババアとは、思えない程、可愛らしい声を上げて、センセに抱かれてる


 ヤルよネ



元々、お前の描いたストーリーだろ


先年 妻を亡くした恩師を慰める会


でも、慰めて欲しいのは、自分だ



深夜、センセの部屋を高級ワインのハーフボトル持参で訪れ


二人で、乾杯し昔話に花を咲かし

笑い転げ、そして涙を流す(芝居だ)


 見つめ合う、二人


 口唇を合わせて


 ウフン


ドスケベ センセは、

明美のブヨブヨの乳房を、

コッテリ揉みしだき


 ベット・イン


 でも、乳首を吸わせるのは

消灯後よ

だって 黒焦げ乳首

食欲 減退するでしょう



明美は、お前のストーリーを踏襲(とうしゅう)してる


 流石、大親友


お前が帰る時、浮かべてた心配(ヅラ)は、お芝居に決まってるでしょ


内心は、欣喜雀躍(きんきじゃくやく)


  してやったり!


アイちゃん、偉い て、なモンさ


それに、もう一発 いい事

教えてやろうか


お前の、死んだ亭主と明美

しょっちゅう、ヤッてたぜ


 アイちゃん みたいな可愛い子が

欲しいの、種ちょうだい、て


お前の、亭主の※※を(くわ)えてた


 愛する夫と、大親友


 喜劇だよネ 」


そうだ、明美は独身を通した

でも、子供は、産みたいの、て

いつも、言ってたな

そう云う事か、


 クソ!クソ!クソ!




 お前ら、皆殺しだ!


(アイツら、皆、死んでるよ)


 「愛子! 」


洋子は叫ぶと、悪霊の城塞(キープ)と化した、我が家に突入する


()れど、母は 強しだネ



   to be contenue




 

















さて、さて、褌も閉直したところで、プシュ!

 クー、いつ聞いても、良い音だね。

 売店でビール買って来たんだ。(あんたネ! )

 500ミリリットル缶、ロングサイズ(呆れた! )

 コーラーにも同じサイズ有るから、ペットボトル・ケースに入れときゃ大丈夫


 手作りなんだ。真紅の生地に、無数のパンダシールを散らした、自慢の作、見たら欲しく成るよ。

 (いらないよ)


 さすがに裸ではネ。

 乙女だからネ(お前が、乙女かよ)


 だって、ガソリン入れな無きゃ、やってられないや。

 (嫁入り前だろ)


 そう、でも、もう直ぐ嫁入りするの。

 (エッ! )

 物好きが、いるんだ。

 後悔するのにな。

 (確実だ)


 でも、あたし、しょっちゅう、嘘泣きして、ワガママ言ってるの。

 彼、アタシの事、可愛いいって、抱きしめてくれるよ。

 (ご馳走さま! 悲劇だよ! )


 さて、そろそろスタートするか!


 あれ隣のオバサン、恐い顔して(にら)んでる。

 何だよ、酒飲んだら、悪いかよ?

 ガン、飛ばすな!


 ゴクゴク喉鳴()らして飲んで、プハーて、やったら

 「酷過ぎる」とか、何とかブツブツ言いながら、行っちまった


 ケッ!


 でも、オバサンて何で皆、あんな恐い顔してるのかな?

 亭主に、空き家にされて、怒ってるんダネ。

 (お前に、怒ってるんだよ)

 でも、良く考えたら、駅のベンチで、ビール飲んでる女、あんまり見ないよな。

 (良く考え無くても、お前だけだよ)

 大阪で、アタシ1人だったりして、3人は()てほしいな。

 (ない、ない、ない、)

 そうだ、今度ナイト・スクープに、調査を依頼しょう。

 (ご苦労さん)


さあ今度こそ、スタートだ!


 山荘ホテルに、チェック・イン。

 と、同時に配付されたカードは軍人だった。

 怪物が、良かっのにな。

 待っいたゴメスも、来なかった。フランケンのデッカイ拳骨(げんこつ)で、タコ頭が千切(ちぎ)れる(まで)殴って、やったのに。

 (勿論(もちろん)、中身が、別人なのは、分かってるよ。

 でも、こうしなきゃ、腹の虫が、収まらないんだ)

 アホ面ソニーに、マリーは居る。

 まず、この二人から血祭りだ。

 試合開始と、同時にCo(カミングアウト)で、飛び出した。


 {エッ?}

 {え}

 {まあ}

 {アンネ、初心者か?}

 ソニー{キッズさ、ズル休みして、ゲームしてる。今からでも、学校行ってこい}

 出たなアホ面、みてろ。

 マリー{いいじゃない、たまには、息抜きしなきゃ}

 (シャバイ事ホザきやがっって、お前も、見てろ)

 パウロ{アンネ、君は基本を理解してない、教えてやる。 軍人は身分を隠し

潜して、人々を守るのが、 務めだ、断じて初日に、Co(カミングアウト)するものではない}




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