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第三話 一旦家に帰ります

百回目の投稿です。

まさかここまで続くとは……。

これからもよろしくお願いしますm(__)m

 それから昼を済ませ、帝都の家に転移することになった。

「それじゃあ、行ってくるよ。たぶん一、二時間で戻って来るから」


「はい。わかりました。お待ちしております」


「うん、じゃあまた後で」

 エドワンさんにそう言って、俺はシェリーとリーナと一緒に帝都の家に転移した。


 家の玄関に転移すると、呼び鈴を鳴らした。

「はーい。どちら様でしょうか? あれ? レオ様……どうしてここに?」

 なんと、休みをあげたはずのベルが出てきた。

 どうしてベルがここにいるんだ?


「えっと……あっちで料理人が足りないらしくてね。それで、連れて行くことにしたんだ」


「あ、そういうことですか。サムさんなら、厨房にいますよ」


「わかった……それより、どうしてベルがここにいるんだ? 休みにしただろ?」

 俺が質問すると、ベルは申し訳なさそうな顔をして、答えてくれた。


「えっと……働いてないと落ち着かなくて……」

 真面目かよ!


「そうなのか……孤児院には帰ったの?」


「はい。邪魔になってしまうので長居は出来なかったのですが、帰ってきました」


「なら、よかった。それじゃあ、どうせここで働いているなら一緒に来て、あっちで働いてくれない?」


「え? いいんですか?」


「うん。シェリーたちの身の回りのことをやって欲しいんだ」

 あっちのメイド達が安全かどうかはまだわからないから、ベルに任せた方が安心だよね。


「ちょ! 黙って聞いていれば、何を言っているのよ!」

 今まで、後ろで俺達の会話が終わるのを待っていたシェリーが、急に怒鳴ってきた。


「あ、ごめん」

 そういえば、本人の前で面倒をみてあげてって言うのは、流石に失礼だな。

 しかも、ベルとシェリーの仲は、良くはなったけど……まだ距離があるしな。


「別に、ベルを連れて行くのはいいけど。私が身の回りのことが出来ないみたいな言い方が気にくわないわ。それに、あっちにもメイドがいるんでしょ?」


「いるけど。信用できないじゃん」

 どこの誰かもわからない人に、二人を任せることはできないからね。


「はあ? 何を言っているの?」

 あ、これは失言だった。


「まあまあ、レオくんなりに何か考えがあるんですから、従っておきましょうよ」

 俺がどうシェリーを治めようか悩んでいると、リーナが助けてくれた。


「ごめん。理由は後で話すから」


「……わかったわ。後で、絶対に教えなさいよ!」

 俺が謝ると、シェリーは諦めてくれた。


 本当、リーナには助けて貰いまくりだな。

 俺もしっかりしないとな。


「約束するよ。てことで、二カ月の間は、シェリーとリーナのメイドをしてくれる?」


「わかりました」

 シェリーと約束しつつ、ベルにメイドの仕事を頼むと、すぐに快諾してくれた。


「ありがとう。それじゃあ、ベルはあっちに行く準備をしておいて。その間、俺はサムさんのところに行ってくる」

 そう言って、俺たちはサムさんのいる厨房に向かった。


「サムさん、いますか?」

 厨房に顔を出してサムさんを探すと、すぐに見つけることができた。


「ん? この声は!?」

 サムさんも声に気がついてくれて、すぐにこっちに来てくれた。


「お久しぶりです。少しいいですか?」


「はい。大丈夫です。もしかして、何か新しい食材を!?」

 新しい食材か……今度、魔の森で探し、おっと。


「いやいや、魔の森に行くことは禁止されているので無理ですよ。今回は、料理人を二人ほど新しい領地に連れて行きたくて」


「ああ、そういうことですか。それなら……おい! エマとジム!」

 サムさんが厨房に向かって名前を呼ぶと、男の人と女の人が一人ずつでてきた。

 どっちも若くて、凄くイキイキとしている。


「はい。なんでしょうか?」


「レオ様がお前たちを新しい領地に連れて行きたいそうだ」


「「ほ、本当ですか!?」」

 おお、息がピッタリだな。


「ええ、この後すぐ出発することになるんですが、大丈夫ですか?」

 ダメなら、明日迎えに来るけど。


「「大丈夫です。今すぐ支度してきます」」

 息がピッタリな二人は、急いでどこかに行ってしまった。


「あの二人は、ここの料理人の中でも頭一つ出るくらい料理への情熱があるので、きっとあっちでも上手くやってくれるでしょう」

 腕じゃなくて情熱ね……。

 流石サムさん、見ているところが違うな。


「そうですか。それなら、安心ですね。それじゃあ、また二か月後くらいには帰ってきますので」


「はい。それまでに料理の腕を上げておきますので、期待していてください」


「わかりました。楽しみにしておきます」

 サムさんに期待してと言われたら、嫌でも期待してしたくなっちゃうじゃん。


「私たちもその料理を食べていい?」

 二か月後のことを考えながら舌なめずりをしていると、シェリーが話に参加してきた。


「え? ああ、いいよ。それじゃあ、フランクとヘルマンも誘って、クラス替え試験のお疲れ会をやるか」

 ちょうどいい。これなら、ヘルマンとフランクの二人も喜ぶだろう。

 後で、手紙を書いて招待しないと。


「いいの? やったー!」


「そういうことになっちゃったから、よろしくね」


「わかりました。二カ月後を楽しみにしていてください。今までで一番の物を出させてもらいます」

 サムさんの一番か……。


「それは楽しみだな。それじゃあ、帰りがけにドラゴンの肉を食庫に追加しておくよ」

 ドラゴンの肉はあと少ししかないけど、サムさんに美味しく料理にして貰うのが一番いいよね。


「ほ、本当ですか!? わかりました。ドラゴン料理の新作を二カ月で完成させてみせます」

 ドラゴンと聞いた瞬間から、サムさんの目の色が変わったんだが……。


「う、うん。それじゃあ、よろしくね」

 ちょっと怖かったので、退散することにした。


「新作のドラゴン料理ですか……。今から楽しみですね」


「そうだね。きっとサムさんなら、前回よりもヤバいものを出してくるはずだよ」

 あの人なら、やってくれるだろう。

 本当、楽しみだな~~。


「それは楽しみですね。それで、次はレオくんの部屋ですか?」


「うん。リュックを取りに行かないと」

 冒険道具は持っていたけど、まさか魔石を使うとは思わなくて、リュックごと置いてきちゃったんだよね。


 それから俺の部屋に入ると、リュックはちゃんと部屋の隅に置いてあった。


「よし、あったね。それじゃあ、魔法アイテムを造りますか」

 俺は、リュックの中に手を突っ込んだ。


「え? ここで? あっちの(いえ)を改造するんじゃないの?」


「それとは別の物を造ろうと思ってね」

 シェリーの質問に、リュックを漁りつつ答える。


「何を造るんですか?」


「防犯グッズを造ろうかなと思ってる」

 もし、あっちで造っているところを敵に見られていたら、全く意味が無いからね。


「へえ……そうなんだ。それで、どうしてそんな物を?」


「あっちで、誰かが俺達を狙っているみたいなんだよね。俺はどんな相手でも大丈夫だけど、シェリーとリーナを守るためにはいろいろと準備をしておかないといけないでしょ?」

 やっぱり、道具に頼らないと何かあった時が怖いからね。


「なるほど……そういうことだったんですね」


「うん、そういうこと……。ん? あ……」

 作業に夢中になっちゃって、隠そうと思っていたことを普通に喋っちゃった……。


「ほら、やっぱりレオくんは、私たちのことを考えていたじゃないですか」


「わ、私だって信じていたもん。ただ、レオが教えてくれなかったから不安になちゃっただけだもん」

 顔を上げると、杖を持ったシェリーとその横で立っていたリーナの言い合いが始まった。


「そうですか? 信じられないから、魅了魔法を使ってレオくんから聞き出そうと言い出したのは、シェリーじゃないですか」

 リーナがニヤっと笑いながらそう言うと、シェリーは慌てだした。


「ちょ! そんなこと言ってないから! レオくんが一人で何か抱え込んでいるのを見ているのは辛いから、魅了魔法を使って聞き出してくださいって、リーナが言ったからやったんでしょ!」


「あれ……そんなことを言いましたっけ?」

 シェリーが必死に弁明するも、リーナはニヤニヤしながら惚けていた。


「ばっちり言っていたから!」


「ちょっと二人とも、俺をほったらかしにして喧嘩を始めないでくれよ」

 まあ、リーナがふざけているのは見てわかるから、これ以上はヒートアップはしないだろうけどね。

 それでも、俺をほったらかしにしないでくれよ……。


「あ、ごめんなさい。それで……誰かが私たちを狙っているって本当なのですか?」

 リーナは謝りつつ、そんな質問をしてきた。

 やっぱり、リーナはわかっていたのかもしれないな。


「まあ、聞かれちゃったのは仕方ないし……話してしまうか。えっと……本当です。誰が敵なのかもわかりません。もしかすると、城で働いている人の中にも紛れ込んでいるかもしれない……今はそんな状況です」

 これぐらいしか、わからないんだよな。

 おじさん、もう少し詳しく教えて欲しかったな……。


「そうだったんだ……。えっと……ごめんなさい。何も知らないのに、勝手なことを言い続けてしまって」

 俺に謝りながら、シェリーはシュンとしてしまった。


「いいよ。言わなかった俺が悪いし」


「うんうん、私が悪かったわ。本当にごめんなさい」

 もう、そんな暗くならないでよ!


「もう謝らなくていいって。それより、ベルと仲良くしてあげて。たぶん、俺がどうしても二人から離れないといけないって時には、ベルが二人の護衛になるから」

 なるべく二人とは一緒にいたいけど、お風呂の時とかベルじゃないといけないところが出て来るからね。


「わ、わかったわ」


「わかりました」


「うん、お願い」

 これで、ベルとシェリーとの関係は心配なくなったな。


「それにしても……誰がレオくんを狙っているのでしょうか……」


「それは、俺にもわからないな……俺、貴族からしたら凄く邪魔だろうし。それに、王国にも前から狙われているし……忍び屋とも何度も戦っているからな……」

 どうしてこうなってしまったのだろうか……。


「レオくんって……敵だらけですね」


「そうなんだよね……」

 成り上がると、国中が敵だらけになるんだな。


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