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第十四話 先生に教えます①

二巻の発売まであと一カ月です。

よろしくお願いしますm(__)m

 先生に無属性魔法を教えるのは、休日にすることになった。

 平日は、ヘルマンに勉強を教えないといけないからね。

 休日なら、ベルがそこそこ強くなるまで、当分は冒険者の依頼を受けるつもりもないし、他に何かやることもないから大丈夫だ。


 そんなわけで、さっそく休みになり、いつも魔法の授業で使っている訓練場で先生に教えることになった。


「レオくん、せっかくの休日を私の為に割いてくれてありがとう」

 練習を始めるなり、先生は感謝の言葉を言ってきた。


「いえ、気にしないでください。特に何か予定があったわけではないので」

 それに、無属性魔法を教えるのはそこまで難しくないからね。

 ほとんど本人の努力次第だし。


「そう? それじゃあ、時間を無駄にしないためにも頑張らないとね」


「ええ、そうですね。それでは、まずは無属性魔法を使う為に必要な土台から作っていきましょう」


「無属性魔法の土台? 無属性魔法を使うのに、何か必要なことがあるの?」


「はい、魔力操作というスキルです」

 まずは、魔力操作をしっかり使いこなせるようにならないとね。

 無属性魔法の練習はそれからだ。


「そういえば、そんなこと言っていたわね……それで、魔力操作はどうすれば身に付くの?」


「それは、自分の魔力をひたすら動かし続けるんです」

 この方法を教えるのはもう何人目か……。


「魔力を動かす? 魔力って、魔法を使う時に勝手に減るだけじゃないの?」

 先生は、そう言って不思議そうな顔をしていた。

 やっぱり、先生でもそう思っているんだな。


「そんなことないですよ。魔力操作を極めれば、魔法を自由に動かせますし、魔法の威力を自由に変えることが出来ますし」

 先生に説明しながら魔力操作を使って、魔法を自由に動かしてみせたり、大きさを変えてみたりしてみせた。


「そうだったのね……」

 先生は、魔力操作の凄さに本気で驚愕してしまったのか、黙りこんでしまった。

 魔法の研究をしていたって言っていたし、先生にとっては凄く衝撃的な事なのかもな。


「まあ、とりあえず練習を始めてしまいましょうか。まずは、魔力を認識することと、少しでもいいので動かせるようになることが今日の目標ですね」

 そうすれば、これから一人でも魔力操作を鍛えることは出来るからね。


「わかったわ。それで、どうやったら魔力を認識することができるの?」

 そうだった。あれをやらないといけないんだった。

 先生相手にやらないといけないのか……。


「えっと……それは、僕が「「ちょっと、レオ(くん)」」動かせば……はい、なんでしょうか?」

 あの方法を説明しようとしたら、後ろで見守っていたシェリーとリーナが声をかけてきた。


「あれを先生にもやるの?」


「あれって?」


「もう、わかっている癖に! 先生の魔力を動かしてあげるの? って、聞いているのよ!」

 そんなことを言われても……。


「そうだけど……仕方ないじゃん?」

 他にいい方法を知らないんだもん。


「レオはやっちゃダメ! 私がやる!」

 どういうこと? あれをシェリーがやるの?


「わ、わかったよ……」

 もしかして、俺にこれをやらせない為だけに参加したいって言ったのか?

 まあ……気まずくならないし、やって貰えるならいいか。


 俺は、シェリーに任せることにした。

「それじゃあ先生、私がやらせていただきますね?」


「え、ええ……ちょ、な、何を!?」

 シェリーがいきなり、近づいて来てお腹を触ってきたので、先生は思わず驚きの声をあげてしまった。


「少しの間だけですから耐えてくださいね、先生」


「は、はい? い、いったいな、なにを!? ん、んん~~~」

 先生の甲高い声が聞こえてきた?

 え? 見てないのかって?


 目はリーナに隠されちゃっている。

「見ちゃダメです。耳もふさいでください」


「は、はい……」

 なんかリーナの声が怖かったので素直に従うことにした。


 それから、十分くらい経ち

「もう大丈夫ですよ」

 やっと解放された。


 先生の方を見てみると、シェリーと何か話していた。

「魔力がどこにあるのか、わかりましたか?」


「はい。お陰様で、たぶん……動かせるようになったと思います」

 そう言って、先生は目を閉じてお腹に手を当てた。

 うん、ちゃんと動かせているな。

 やっぱり、この方法が魔力操作を取得するのに一番簡単な方法なのか……。


「う、動きました。これぐらいで大丈夫でしょうか?」


「はい、大丈夫ですわ。あとは、毎日動かし続けて動かせる範囲を広げることですね」


「は、はい。ありがとうございます」


「いえいえ。それと、魔力を自由に動かせるようになったら次の練習が始まるので、それまで頑張ってください」

 シェリーがちゃんと教えちゃってるよ……。

 小さい頃はあんなに甘えん坊だったのに、成長したな……。


「わ、わかりました」

 先生は、教えてくれたシェリーに頭を下げていた。

 うん、これで今日はこれで終わりだな。


 って、あれ? 今日、俺は必要だったのか?

 俺、魔力操作の説明とリーナに拘束されていたくらいしかやっていないぞ?


「それじゃあ、今日はこの辺にしましょうか。先生、頑張ってくださいね」


「はい。頑張ります。今日は、三人ともありがとうございました」


 それから、俺たちは先生と別れて訓練場を後にした。

 そして、女子寮の前でシェリーとリーナと別れようとしたのだが……


「もしかして、これでバイバイなんて考えてないわよね?」

 突然、シェリーが俺の肩を掴んで真顔で聞いてきた。


「え?」

 ちょ、怖いんですけど?


「まさか、これから私たちの相手をしてくれますよね?」

 俺が戸惑ってどう答えようか悩んでいると、更にリーナの追い打ちが飛んできた。


「え? あ、うん。も、もちろん。ハハハハ……」

 図星を突かれて、笑ってごまかすことしかできなかった。

 そうだよね。よく考えたら、二人が先生の為だけに休日を潰すなんてことはしないよね……。

 それに、ここのところ二人と遊んでいなかったし……。


「良かったです。これで今日はお別れなんて言われていたら、悲しかったですよ? 最近、私たちのことをほったらかしにしていたんですから、もちろん、今日くらいは私たちの為に時間を割いてくれますもんね?」

 リーナの念押しが怖い。

 わかったから、そんなに言わなくても今日は二人の相手をするから。


「う、うん。そうだね。どこにする? 流石に僕が女子寮に入るのはマズイでしょ?」

 それに、シェリーが外に出るのもダメだよね?


「レオの部屋でいいじゃないのよ」

 え? 俺の部屋?


「シェリーとリーナが男子寮に入るのも見つかったらマズイんじゃないかな?」


「見つからなければいいんでしょ? それなら、大丈夫よ。レオには転移があるんだもの」


「そ、そうだね……」

 確かに転移なら大丈夫だけど……。

 そういう問題?


「じゃあ、お願いしますね」

 リーナが逃がさないとばかりに俺の手を握ってきた。


「は、はい」

 これは諦めるしかないか……。

 俺は、二人の手を握って転移を使った。


 あれ? そういえば、部屋に転移しても大丈夫だったかな?

 なんか嫌な予感がするな……。


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