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第七話 姫様を接待①

修正を入れたので他の話と違和感があると思います。

これから他の場所も修正していきますm(__)m

 翌日、俺は屋敷の玄関の前で、そわそわしながら皇帝を待っていた。


 いくらうちが上位貴族で、父親と皇帝の仲がいいとは言っても、まさか一臣下の屋敷に皇帝陛下が自ら足をお運びになるなんて、にわかには信じられなかったのだ。

 屋敷の中ではうちの使用人たちが朝からバタバタと慌ただしく走り回っている。いつも慌てたところなんて見たことのなかった冷静なセバスチャンすら、皇帝のご来訪に浮き足立っている様子だ。


 と、メイド長が大きな身体を揺らしながらドタバタと玄関に駆けつけた。

「皇帝陛下、ご到着でございます!」


 声とほぼ同時、敷地内に何台もの護衛の馬車に囲まれた、一際豪奢な馬車が入ってきた。

 ……本当に来た……。

 え、これ前世で言うなら、天皇陛下がうちに来たみたいな感じでしょ?

 いやいや、ハハハ……。……え? ほんとに?

 玄関の前で馬車が停車すると、屈強な護衛がわらわらと降りてきて、そのうちの一人が豪奢な馬車なドアを開ける。


 すると皇帝が馬車から降りてきて、その辺に散歩に来た、とでもいうような気軽な感じで両腕を広げてにっこりと笑った。

 そして、皇帝はさらに父さんに向かって、

「3年前は代替わりでお互い忙しくて、しばらく会えなかったが元気にしてたか?」

 

 すると、父さんは恭しい態度で

「ええ、お陰様をもちまして。皇帝陛下もますますご健勝のこととお(よろこ)び申し上げます」


「おいおい、公式の場以外は敬語はよせと言っているだろ」


「ああオルトン、わざと茶化してみただけだ。皇帝としてここに来るのは初めてだろ?」


「お前も当主になって初の『皇帝接待』だろ」


「そうだとも、おかげでうちは今朝から大騒ぎだよ」


「それは申し訳ないな。皆には公務外だと言っておいてくれ。今さら遅いかもしれんがな」


皇帝と父さんがそう言いあって笑い合っていると、横合いから愛らしい声が響いた。


「お父さん出口で長話しないでよ」

 そう言いながら皇帝の背中を押しのけて出て来たのは、俺と同じくらいの年頃の、銀髪の少女だ。


 か、かわいい。これは相当な美少女だぞ。

 口を尖らせているその女の子の頭を、皇帝がぽんぽんと撫でる。


「ああ、すまん。――ディオルク、この子が私の娘のシェリアだよ」


「おっ、噂通り可愛いお嬢さんだな。初めまして、シェリアちゃん」

 父さんがその女の子、シェリアに挨拶すると、シェリアはスカートをつまんで軽く膝を折り、一人前のレディのように挨拶してみせた。


「はじめまして。シェリアでございます」

 か、かわいい……!

 いやいや、別にロリコンってわけじゃなくてね? 小動物的な意味でね!?


 胸中で無意味な言い訳を誰かにしている俺を、父さんは皇帝に指し示す。

「これが俺の息子のレオンスだ」

 俺も一応、マナーに則って皇帝とシェリアに一礼する



そこにさらに馬車の中から声が聞こえた

「あら、かわいらしいわね。将来確実にいい男になるわね。流石ディオルクさんとカーラの子供だわ~!」

 甲高い声とともに馬車から降りてきたのは皇妃だ。その瞳はきらきらと輝いていて、まっすぐに俺を見ている。


「久しぶりねアシュレイ! 会いたかったわ!」

 母さんが皇妃に駆け寄って行く


「私もよカーラ!」

 そう言って抱き合う二人は、今にも手をつないでくるくる回り出しかねないほどに浮かれている。


 そんな二人に、父さんは呆れ混じりに笑った。

「はいはい、積もる話は山ほどあるだろうけど、続きはあとでゆっくりと。まずはおいしい昼食を皆で楽しもうじゃないか」



 それから、皇帝たちを昼食のある部屋に案内した。

 この昼食は、朝早くから家の人たちが用意した物だ。

 どれも、いつもより断然豪華になっていて、とてもおいしそうだ。


「みんな席に着いてくれ!」

 父さんが全員を座らせる


 そして、酒の入ったグラスを1つ持って

「それじゃあ、オルトン、アシュレイ、そしてシェリアちゃんを歓迎して乾杯!!」


「「「「「「乾杯!!」」」」」」

 こうして、緊張する昼食が始まった。


 そして、それぞれ気になる料理に手を伸ばす

「いつ来ても、ここの料理は凄くおいしいよ。いつも城に帰ると、無性にまた食べたくなってしまうんだよ」

 皇帝がうちの料理を美味しそうに食べながら大絶賛した。

 

「私は、こんな珍しくて美味しい食べ物は初めてですわ!」

 皇妃はこの世にこんな食べ物があったのか、みたいに料理を満面の笑みで頬張っている


「そういえば、アシュレイとシェリアはフォースター家の料理は初めてだね。この料理は勇者様の故郷の食べ物なんだ」

 そう言いながら、皇帝はハンバーグを大きめにナイフで切り、口の中に放り込んだ。


 そして、皇帝に言われて俺はうちの料理が前世の物だと気がついた。

 テーブルに並ぶのは、唐揚げ、ピザ、グラタンなど....

 俺はうち以外で料理を食べたことは無かったので、この世界の食文化について考えたことが無かった。


「あら、勇者様の故郷の味ですか? それはおいしいに決まってます!」


「喜んで貰って嬉しいよ。これは親父がうちの料理長と一緒にレシピを考え出した自慢の料理だからね」


「ディオルク申し訳ないのだが.....そのレシピを貰えないかな? 一生のお願いだ!毎回、3年もこの料理を食べるのを我慢するのが、嫌で嫌で俺が皇帝になったら絶対お前に頼もうと夢見ていたんだよ」

そう言いながら、皇帝は机に頭が着いてしまういそうなくらい必死に頭を下げて、父さんに頼み込んだ。


「そんなことを考えてたのか? 別にレシピは、秘密にしているわけでは無かったから、頼まれればいつでも渡せたぞ」


「そ、そうだったのか......どうして、どうして俺はレシピについて聞けなかったんだ......」

皇帝は頭を抱えて、自分の行動に悔やんでいた


どんだけ、うちの料理が好きなんだよ。

レシピを貰うのが夢で皇帝になったなんて......


「おいおい、もっとポジティブに考えようぜ! これからは毎日食べることが出来るようになるんだぞ」


「こ、これから毎日!? そうだよこれまでのことを悔やんでいても仕方がないな.....これから毎日食べれる.....」

父さんの言葉に、死んだ目をしていた皇帝は一転して、今度はこれからが楽しみでしょうがないと言うような、生き生きとした目になった。


「おお、元気になったみたいだな。レシピは料理長に帰りまでに用意しておくようにしておくよ。とりあえず、今ある料理を楽しむぞ。そして、食べ終わったらお楽しみの温泉に入りに行くぞ」


 それから大人たちは楽しく話しながら、子供たちはただそれを聞きながら昼食は続いた....

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