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第六話 師匠の店をどうにかしよう作戦④

 

「レオ様、レオ様! 起きてください! 朝ですよ」

 んん……ベルの声が聞こえる……もう朝か……。


「うんん……まだ早いよ」


「何を言っているんですか! レオ様がこの時間に起こしてって言ったんじゃないですか!」


「そうだっけ……? うんん……」

 まだ早いよ……寝てたいな……。


「何を寝ぼけているんですか! 今日はお師匠さんのお店の手伝いをするんじゃないですか?」


「そ、そうだった……起きないと……」

 瞼を擦りながら起き上がる。


「レオ様は相変わらず朝が弱いですね」


「うん……昨日は早く寝たんだけどな……」

 今日は大変だからって、夜更かしはしなかったはずなんだけど……眠い。

 そんなことを考えながら、俺は自分の部屋から出た。


「おはようございます。既にお店にはたくさんの人が集まっているようですよ」

 部屋から出るとエリックさんが待機していて、店の状況を教えてくれた。


「やっぱり……それじゃあ、急がないと」

 けど、眠いな……。


 眠気と戦いながら急いで朝食を取る。

 それから三十分程度して、身支度は終わった。


「それじゃあ、行ってきます」

 そう言って、俺は師匠の店に転移した。


「師匠! 来ましたよ!」

 俺が挨拶をすると師匠は作業部屋から出てきた。


「おお、来たか。もう外は大変なことになっているぞ」


「みたいですね」


 外を見てみると……

「おい! まだかよ!」

「こっちは昨日から待っているんだよ。早くしてくれ!」

 などと言いながらドアをどんどん叩いていた。


「早くしないと店が壊されそうだな」


「仕方が無いですね。早めに開店しましょうか」


「ああ、それじゃあ。頼んだ」


「僕が開けるんですか?」

 外に出たら危ないよ?


「そうだ。俺より強いお前の方が適任だろ? 頼んだ」


「わかりました……あ、そうだ! 整理券を作りましょうか」

 いいことを思いついた!


「整理券?」


「はい。番号の札を渡して、その順番で商品を選べるという物です」

 そうすれば、なんとか人数制限を出来るかな。


「それはいいな。それじゃあ、よろしく頼む」


「わかりました」

 そう言って、俺は籠とその中に番号が書かれた札を創造した。


「相変わらずその魔法は便利だな」


「そうですね。それじゃあ、これを配って来ます」


「おう、頼んだぞ」


 ガチャ


「おお、開いたぞ!」


「ちょっと待ってください! 今から説明しますから!」

 外に出ると視界が人で埋め尽くされた。

 開いた瞬間に入ろうとしていてみたいだが、なんとか抑えることに成功した。


「すみません。うちの店は小さく、この人数分の商品は無いため、買い物が出来る人数を百人までに絞らせてもらいます。それと、今からこの札を前にいる人から順に渡していきますので、受け取ってください」

 そう言って、俺は札を近くにいる人に渡した。


「なんだこれは?」


「これは、書かれている順番に買い物が出来るという物ですよ。一から百まであります」


「ああ、そういうことか。そうやって入店を規制するんだな?」


「まあ、そうですね。このまま始めても列の後ろの方の人は何も買うことが出来ません。お客様の貴重な時間を無駄にはしたくありませんので、こういう形で入店を規制させて頂きます」


「わかった。それじゃあ、貰ったら入っていいのか?」

 少し落ち着けって。どんだけ欲しいんだよ。


「まあ、待ってください。店の中が大変狭くなっているので、最初に中に入れるのは五人までにしてください。僕がこれを配り終わったら誘導しますのでしばしお待ちを」


「ああ、わかった」

「あと少しで入れるってことだな」


 それから百枚配り終わり、札を貰っていない人は謝って帰らせた。

 これだけで、三十分は費やした。

「それじゃあ、開店します。まず、先に言っておきますが目玉商品の剣は一日五本限定なので、そこら辺はご注意ください」


「何? これまで待たされて買えないのかよ。それはないぜ~」


「まあまあ、この店の売りは剣だけではありませんから。それを買えるのも一日百人限定なんですから」


「そ、そうか……剣は無理みたいだが……他の商品だけでも見させて貰うか」

 人は限定という言葉に弱い。


「ご理解ありがとうございます。それじゃあ、一から五の方! 札を持って店に入ってくださ~い」


「いや~ 昨日から並んでいて良かった。それじゃあ、目玉商品を見させて貰おうかな~」

「やっと入れる~」

「なんとかご主人様に剣が届けられそうだ」

「どんな剣なのか楽しみだ」

「あの剣を」


 五人は嬉しそうに店に入った。

「いらっしゃい。お目当てはこれだろ?」

 師匠は入って来た五人に五本の剣を見せた。

 性能は違うが、おじさんが使っていた剣と見た目が同じだ。


『うお~~』

 五人は剣を見るなり、声をそろえて感嘆した。


「それじゃあ、一本金貨五枚だ」


「た、高いが……思っていたよりは安いな……」

「あの性能を考えたらもっと高くてもいいくらいだ」

 そんなことを言いながら、五人は考えもせずにすぐに払った。


「高めに設定したつもりだったんだけどな……」

 だって、前世だったら約百万円だよ?

 少し値上げしようかな……。


「毎度あり! それじゃあ、剣の説明を始めさせてもらうぞ。この剣は普通の魔法具に比べてたくさん魔力を食う。だから、戦闘などで使う時は多めに魔石を持っておけ」


「一つ質問」

 五人のうちの一人が手を挙げた。


「なんだ?」


「使う魔石の属性は?」


「好きな物を使っていいぞ」


「好きな物? ということは何でも大丈夫ってことか?」


「ああ、その代わり、使う魔石の属性によって効果が変わるぞ」


「どういうことだ?」


「簡単だ。炎なら炎、氷なら氷って、使うことができる魔法が変わるってことだ」


「なるほど……それは面白いな……いろいろと試してみよう」


「それじゃあ、次が待っているから外で試しな」


 五人を店から出し、すぐに次の客を部屋に入れた。

「はい、五人ずつでお願いします。商品は一人二つまでです」


「やっとだ……さて、どんな魔法具があるかな~」

「二つまでか……しっかり考えて買わないとな」


 ぞろぞろと、また店内に人が入って行く。


「おお、これは雷魔法を纏うことが出来る棒か。これは護身用にいい武器になりそうだ」

「うおお! びっくりした! こんなビックリ箱見たことがねえ。これを買ってあいつに試してみるか。ククク……」

「この球はなんだ? なになに、これを見ているだけでリラックスできる? 睡眠にお困りの方にお勧め? おお、そんな物まで作れてしまうのか!? これは是非とも買わせてもらおう」


 皆、この店の魔法具に驚いてくれていた。

 剣以外の魔法具もちゃんと買ってくれるみたいでよかったよかった。


「はい、合計銀貨十三枚」


「はいよ」


「毎度あり!」


「次の人どうぞ!」


 《二時間後》


「「ありがとうございました」」

 最後の客が帰って行った。


「疲れた~ これを二人で毎日って無理じゃない? しかも明日から師匠一人でやるしかないですよ」

 凄い稼げるけどこれはきついって。


「確かにな……まあ、それは置いといて。早く終わったことだし、とりあえずお疲れ会でもするか」


「おお、いいですね。やりましょう!」


「それじゃあ、俺の行きつけの店に連れてってやるよ」


「いいんですか? ありがとうございます」


「おう、好きなだけ食っていいぞ」


「流石師匠! 太っ腹!」

 やったー!


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