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第二十二話 救出成功


 しばらく馬車を走らせ、(ようや)く城に到着した。

 城の門には既に何人ものおじさんの部下と騎士達が待機していて、俺とシェリーを見つけると急いで駆け寄って来た。

 俺は、おじさんの部下に荷台に気を失った誘拐犯がいることを伝えて、運び出して貰った。


 犯人たちが運ばれて行くのを眺めていると城から大きな声が聞こえた。


「シェリア~」


 声のする方を見ると……。

 そこにはシェリーのお母さん、皇妃様がこっちに向かって走っていた。

 後ろから必死に皇帝が追っているのも見えた。

 そして、皇妃様はシェリーに抱きついた。


「本当にごめんね。恐かったよね」

 皇妃様はそう言いながら泣いていた。


 邪魔しては悪いので離れた。

「お疲れ、大活躍だね」

 だ、誰?


「おじさん……気配を隠して後ろから話しかけないでよ」


「ごめんごめん。今回はレオくんに任せてごめんね。僕たち大人の仕事なのに本当に不甲斐ないよ」


「いいっていいって。僕が勝手に探し出しただけだから」


「そうか……それでも本当にありがとう。姫様が無事で何よりだよ」


「うん、本当に無事で良かったよ……。それと、今日はもう帰っていいかな? なんか、安心したら眠くなってきた」


「ああ、もう日が昇って来る時間だ。子供なら寝ている時間だから眠いはずだよ。帰るんだったら姫様に一言ってから帰りなよ。それと、明日……じゃなくて今日、起きたら学校に行かないでそのまま城に来てよ。いろいろ聞きたいことがあるから」


「わかった。それじゃあ、シェリーの所に行ってくる」


「いってらっしゃい」


 シェリーの所に行くと……

 既に皇妃様は泣き止んでいて、シェリーと皇帝の三人で話していた。


「あ、レオ君。この度は、娘を助けてくれて本当にありがとう」

 俺が近づいてきたのを気がついた皇帝が深々と頭を下げた。


「っちょ! 頭をあげてください! 僕がシェリーを助けたくて助けただけですから」

 俺は慌てて皇帝に頭をあげてもらう。


「いや、娘の命の恩人に頭を下げるなんて当たり前だ。本当に感謝する」


「は、はい……。そ、それじゃあ、僕は一旦、寝に帰らせて貰います」


「おお、そうか。それなら城に泊まっていきなさい」


「え?」

 城に泊まる?

 城って、俺なんかが泊っていいの?


「なに、どうせ起きたらすぐに城に来なくては行けないんだ。それなら泊まった方が楽だろう?」


「は、はい……。それじゃあ、お言葉に甘えて……」

 とりあえず眠いから早く寝たい。


「よし、それじゃあ中に入るぞ!」

 皇帝は俺の肩をがっちり組んで中に案内してくれた。



《それからしばらくして》


 ザバ~~ン


「ふう、やっぱり風呂は気持ち良いの」


「はい、そうですね」


 皇帝に城に案内されるなり、風呂に入るように言われた。

 戦闘で汚れた体で寝るのも申し訳ないので、風呂に入らせてもらった。

 そしたら、皇帝も入って来た。

 今はそんな状況だ。


「・・・」


 どうしよう……何か話さないと。


「えっと……」


「レオ君」


「は、はい?」


「娘のことは頼んだぞ」


「へ?」

 た、たのんだ?


「まあ、大事に育て過ぎて我が儘で気難しいところもあるだろうがこれからもよろしくな」


「は、はい……」

 これからもいつも通りによろしくってことかな?


「シェリアはな……アシュレイとの間でやっと出来た子供なんだ……」


「そうなんですか……」


「ああ、なかなか産まれなくてな。シェリーを身籠ったのがわかった時のアシュレイの喜びようは凄かった」


「なるほど……」


「逆にメリッサはあの時からおかしくなってしまったな。今まで自分の子供が皇帝になるのが確実だったのが……それを脅かす存在が出てきたと思ったんだろうよ」

 そうだったんだ……。

 こういうのはどう反応していいかわかんないな……。


「あ、そういえばクリフさんは今どうしているんですか?」

 クリフさんなら、ちゃんと自首しに来たはず。


「クリフならもう寝ているんじゃないか? とりあえず話だけ聞いて、処罰はシェリーが見つかってからすることにした」


「なるほど……それで……どんな処罰をするのですか?」

 なるべく軽い罰にして欲しいな……。


「いや、するつもりはない。今回の罪は今のところ全てメリッサにある。クリフについては自首したから、無かったことにしようと思う」


「本当ですか!? それは良かった......」


「ただ。罰を与えないのも良くないから、成人パーティーまで謹慎で自分の部屋から出ないということにしようかな」


 まあ、それぐらいの罰ならいいかな。


「それと、だいたい落ち着いたらレオ君に褒美を与えないとな」


「え? この前貰ったばかりなのにいいんですか?」

 ほんの数カ月前に貰ったばかりだぞ?


「ああ、功績をあげた奴には褒美を与えないといけないからな。ただ、こんな頻度で貰う奴なんて初めてなんじゃないかな」


「そうでしょうね……」

 そんな成り上がり貴族がいたら伝説になってるよ。


「まあ、そんなことでよろしくな」

 そう言って、皇帝は風呂から出て行った。

 まあ、今回も断れそうにないな……。



「ふう、疲れたし寝るか」

 俺は少しリラックスしてから風呂から上がった。


 その後、城で働くメイドに泊まる部屋に案内され、そのまま寝た。

 寝る頃には、外が少し明るかった。


<約8時間後>

「……ください……起きてください」


 ああ、もう朝か……ベルか?


「んん~ん?」

 重い瞼をこじ開けて、起き上がると見覚えのない場所だった。

 そして……何か体が重い……。

 え? シェリー?


 なんとシェリーが俺の上で寝ていた。


 ……どういうことだ?

 あ、そうだ。

 シェリーを助けた後に城に泊めて貰ったんだ。

 でも、どうしてここにシェリーが寝ているんだ?


「おはようございます。レオンス様。昼食の用意が出来ております」


「う、うん。わかった。すぐに行くよ」

 昼食? あ、そうか……もう昼なんだ……。

 折角用意してもらったんだから行かないと。


 って、シェリーはどうするの?

 とりあえず起こすか……。


 シェリーの肩を揺する。

「ん、うんん……」


「起きて、起きるんだシェリー」


「ん? レオ? そうだ、私寝ちゃったんだ……」

 シェリーは眠そうに目を(こす)りながら体を起こした。


「どうしてシェリーがここにいるの?」


「えっと……レオを起こして来るように言われて……来たんだけど……そのまま寝ちゃった」


「なるほどね。わかった。わざわざ起こしに来てくれてありがとう。それじゃあ、ご飯を食べに行こうか」


「うん、わかった」

 と言いながらも、シェリーは首をコクコクしていて今にも寝そうだ。


「ほら行くよ」

 仕方が無いので、俺はシェリーの手を引きながら昼食に向かった……。


今日は投稿を始めて五カ月です。

最近、投稿頻度が悪くなってしまい、本当にすみません。

これ以上頻度を落とさないように頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします。


それと、↓のブックマーク、評価をして貰えるとありがたいです。

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