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第四話 新入生歓迎会

 魔法の授業が終わり、クラスの皆があーだこーだ言っている頃


「ヘルマン」

 俺はヘルマンに話しかけていた。


「どうしたんですか?」


「先生が言ったことは気にするなよ」

 兎に角、これを伝えたかった。


「えっと……どのことですか?」

 言われてみればあの先生、ヘルマンにいくつもダメ出ししていたな……。


「魔力と無属性魔法のことだよ」


「ああ、それなら既に諦めているので気にしなくていいです」

 今まであの先生のような言葉を言われてきたんだろうな……。


「だから、諦める必要はないんだって……」

 無属性魔法は……


「無属性魔法が努力すれば使えるのは、わかっています。僕のお父さんは勇者様に教わり、無属性魔法を習得してますから」


「え!? ヘルマンのお父さんがじいちゃんの弟子?」

 そんな話、聞いてないぞ!?


「はい、僕の家はお父さんが勇者様の下で働いた功績で準男爵になりました」

 へ~あとでばあちゃんに聞いてみるか。


「なるほどね。でも、それならどうして習得出来ることを知っているのに諦めてるの?」


「魔力ですよ」

 魔力?


「もしかして、魔力が少ないから諦めたとか?」


「そうです。僕には全く魔力が無いんです」


「そうなの?」


「はい。だから僕は諦めたのです」


「うん~」

 どうフォローすればいいんだろう……。

 困ったので鑑定してみる。


 ヘルマン・カルーン Lv.1


 年齢:8

 種族:人族

 職業:剣士見習い


 体力:6/6

 魔力:1/1


 力:8

 速さ:7

 運:20

 属性:無

 スキル

 剣術Lv.4 無属性魔法Lv.1


 称号

 なし 


 少ないけど……

「魔力が全く無いわけじゃないんだ」

 あ、思わず口に出しちゃった。


「え!? どうしてわかるんですか?」


「えっと……なんとなく?」


「そうなんですか、でも……無いに等しいですよ」


「大丈夫。 少しでも魔力があればどうにか出来るよ」


「そうなんですか?」


「そうだよ。とりあえず今日、学校が終わったら家に来てよ」


「え!? いいんですか?」


「うん。それじゃあよろしくね」

 学校終わってからが楽しみだ。



 ヘルマンを家に招待してから少し時間が経ち


「これから新入生歓迎パーティーがあるから会場に向かうぞ~」

 先生に案内されて、俺たちはパーティーの会場に向かった。

 この学校、パーティー会場まであるのかよ……。


 会場に到着すると、既に上級生達が来ていた。

「それじゃあ、他のクラスが到着したら生徒会長の話が始まるからそれまで少し待ってろ」


 それからしばらくして、会場に新入生が揃った。


 全員が揃ったことを確認した生徒会長は、初めの挨拶を始めた。


「新入生の皆さん、初めての授業はどうだったでしょうか? このパーティーでは先輩達がたくさんいますので、これからの学校生活ついて聞きたいことを遠慮なく聞いてください。それでは皆さん、楽しみましょう」


 こうして、パーティーは始まった。

 パーティーが始まると、上級生達はシェリーの所に集まって来た。


 自分より背の高い先輩に囲まれたシェリーは、何も出来ずに戸惑っていた。

 本当、自分を売り込みたいのはわかるけど……これ、逆効果じゃないかな……。


 そんなことを思いつつ、助けようかと思った時

「君達!今日はそういうのはやめようよ」


「か、会長!?」

 そこには会長がいた。


「今日は1年生に楽しんで貰う為のパーティーなんだから、こういうことはダメだよ。皆、他の後輩たちと会話をしようか」


「は、はい」

 会長に言われて、先輩たちはバラバラに散って行った。


 俺は、一人残されたシェリーの所に急いで駆け寄る。

「大丈夫?」


「う、うん」

 シェリーは力なく頷いた。


「助けてあげられなくてごめんなさいシェリー」

 リーナも来てくれた。


「気にしなくていいわ」


「すみません。先に僕が注意しておくべきでした」

 会長が来たと思ったら、謝りに来てくれたようだ。


「いえ、こちらこそ助けてもらってありがとうございます」

 シェリーも頭を下げた。


「とんでもございません……君は……確か、レオンス君だったかな?」

 会長は、シェリーの横にいた俺を見て名前を当てた。


「え? どうして僕の名前を?」


「あ、うん。それは……偶々入学式で見かけてね。それと……フォースター家は有名だから」

 なぜか、会長の歯切れが悪くなった。


 そんな会話をしていると

『あれが無能だって噂のレオンス・フォースター?』


『そうみたいだね。無能のレオンスだよ』


『どうしてあんな奴が会長や姫様と仲良くしているんだ』

 などなど、会長と会話している俺に聞こえるように周りの先輩達が陰口を始めた。


「き、君たち、何を言っているんだ!?」

 会長が周りの先輩達に怒ろうとした。


 ああ、そういうことか。


「気にしなくていいですよ。話の続きをお願いします」

 一々気にしていても仕方がない。


「いいのか? それよりも話の続きか……」


「あ、レオ。ここにいたのね」


 声がした方向を見てみると姉ちゃんがいた。

「ね、姉ちゃん!? どうしたの?」


「弟の制服姿を見に来たのよ」


「制服姿?」


「そう。似合っているわね。ねえ、先輩?」


「う、うん。そうだね」

 会長の歯切れがまた悪くなった。

 それに、姉ちゃんの顔から目をそらしていた。


「あ~ そういうこと」


「な、なんだい!? レオ君?」


 俺は会長の近づき

「会長、もしかして姉ちゃんのこと好きなんですか?」

 と耳元でささやいてみた。


 すると、会長は顔を赤くしながら

「そ、そんなことないよ!」

 とわかりやすい反応をしてくれた。


SIDE:ヘレナ


「あなたがシェリアちゃんとリアーナちゃん?」

 レオと先輩が楽しそうにしているので、私は二人に話しかけることにした。


「「は、はい」」


「可愛いわね……ニ人とも、レオのこと好きなの?」


「「え、えっと....」」

 ニ人は顔を赤くしながら言いよどんだ。


 うん~かわいい!

「本当、可愛いわね」


「「あ、ありがとうございます....」」


 この後、レオは会長のことを、ヘレナはシェリーとリーナをからかっていた。

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