第二十五話 結婚式
前話に続き、今回も長いですm(_ _)m
創造士のところに会いに行ってからしばらくした頃……。
普段から賑わっているミュルディーン領だが、今日はいつも以上に賑わっていた。
それもそのはず。
何と言っても、今日は当主の結婚式だから。
「まあ、と言ってもこの国は王国とか前世みたいに神の前で誓ったりはしないんだけどね。仲の良い人たちを集めてお披露目パーティーをするだけ」
パーティーの派手な衣装に着替え終わった俺は、そんな説明をカイトにしていた。
「前世で言うところの披露宴だけみたいな感じ?」
「そう。帝国はあまり神を信用していないから。なんせ、建国者は神嫌いの創造士だし」
帝国を建国した創造士は、神に祈るとかそういう行為がよっぽど嫌いだったらしく、この国では自分のステータスを調べる時以外は神頼みなんてしない。
そして、パーティーが大好きな国民性……そんな理由から、結婚式もほぼほぼパーティーだったりする。
「なるほど。この世界の歴史というのも面白いものだな」
「そうなんだよね。ふう。シェリーたちは準備が終わったかな?」
毎日会っているけど。こう……改めて会うとなると緊張するな。
「流石に終わったんじゃないか? 時間的にはもうそろそろだろ? あっ」
あ? と思ったら、父さんが部屋に入ってきたようだ。
「お、勇者と話していたか」
「あ、すみません。それじゃあ、俺はこの辺で失礼するよ。また、会場で」
「うん。楽しんでいってね」
「勇者、死にかけた割には元気だな」
そう。カイトの奴、俺がダンジョンから帰ってきて溜まった書類仕事に追われている間に目を覚ましやがった。
落ち着いたら、創造魔法でどうにかしてやろうと思っていたのにな。まあ、起きたならいいんだけど。
「リーナのおかげだよ。あと、エレーヌの愛と赤ちゃんの生命力を貰えたおかげだと思うよ」
そう。どうやらカイトが目を覚ました日は、カイトとエレーヌの赤ちゃんが産まれた日らしい。
なんでも、赤ちゃんの産声を聞いて目を覚ましたとか。
「そうか。子供というのは、妙に力を与えてくれるものだからな。なんかわかるぞ」
「へえ。俺も親になったらわかるかな」
「ああ。きっとそんな日が来るさ。それにしても……遂に、そんな俺の子供たちが全員結婚することになってしまうとはな」
「早かった?」
「ああ。早かったな。特にお前はあまり世話もできずに独り立ちしちまったから、余計に寂しいよ」
あれ? 普通は手が掛かった方が寂しく感じるものじゃない?
「俺、そんなに世話が掛からなかった? 結構、やりたい放題やっていた気もするけど」
「いいや。お前ほどの子供が優秀ではなかったとしたら、この世界の人間は皆悪ガキだな」
「こ、皇帝」
今度は皇帝陛下のご登場だ。
シェリーのところに行ったんじゃなかったの?
「結婚おめでとう。これからもシェリアを頼むよ」
「はい。任せてください」
絶対に幸せにしてみせます。
「まあ、そんな心配はしてないんだがな。なんなら、俺よりレオの所にいた方が絶対安全なんだから」
「ハハハ。それは違いない。何と言っても、勇者を退けた男だからな」
「そうだな。まったく……レオには助けられてばかりだ。これから、西側の荒れた土地も開発し直して貰うことになっているし……これからも一生頭が上がらないな」
「あの広大な西の土地をレオ一人でか……。まあ、親父にできたことだし、レオならできるか」
いやいや。何を言っているのさ。
「あまり期待しないでよ。じいちゃんの時は、魔の森の資源でどうにかしたんでしょ? あそこには、何にも資源がないんだからフォースター領と比べものにならないくらいキツいんだから」
まずは、何か特産品をつくるところから始めないといけないんだよ?
フォースター領並みに栄えさせるとしたら、あと何十年必要になるかわからない。
「冗談だよ。もちろん俺たちが全力で援助するさ。なあ?」
「もちろんだ。今日からレオは皇族になる。皇族の土地なら、俺としても堂々と援助できるからな!」
「助かります……」
「あなたたち、こんな時でも仕事の話をしているの?」
「まったく……今日くらい忘れて思いっきり楽しみなさいよ。ねえ、皆?」
そう言って入ってきたのは、母さんと皇妃様……そして、今日の主役たちだ。
「「「おお~」」」
五人の美しさに、俺たちは思わず声が出てしまった。
「ど、どう? 綺麗?」
「うん。皆、凄く綺麗だよ」
白を基調としたドレス。五人とも似合っているな。
「それじゃあ、ちょっとの間六人だけにしてあげましょう?」
「そうだな。ほら、泣いてないで行くぞ」
「な、泣いてなんかいない!」
涙を流す皇帝の背中を押しながら、父さんたちが部屋から出て行った。
「ふふふ。なんか、もうずっと一緒に生活してきたのに……改めてこうなると恥ずかしく感じてしまいますね」
「そうですね……」
さて……何を話せば良いのだろうか?
やっぱり、一人一人に何か言っていくのが良いよな。
うん。そうしよう。
「えっと……シェリー」
「なに?」
「シェリーと会ったのは五歳の時だったね。あの馬車に二人で乗ったときのことは今もしっかりと覚えている。あの時、俺の創造魔法を純粋に褒めてくれたのは本当に嬉しかったな。それから……俺の為に魔法の練習を頑張ってくれて……本当に心強い奥さんだと思う」
やべえ、なんか自分で言っていて泣きそうになってきた。
「きゅ、急にどうしたのよ」
「いや、この機会に皆との思い出を振り返っていこうと思ってね」
「そ、そう。でも、なんか恥ずかしいわね」
「ふふ。良いじゃないですか。次は私の番ですね」
「リーナは、八歳の時だね。じいちゃんが死んでしまって……元気がなかった俺を優しく癒やしてくれた。初めてリーナが俺に聖魔法をかけてくれた時のことを覚えてる?」
「もちろんです。旦那様がいきなり自分の手にナイフを突き刺した時は、どれほど焦ったことか」
「ハハハ。ごめんよ。好奇心には勝てなかったんだ」
めっちゃ痛いけど、リーナの前だから痛がるのを我慢したのは懐かしい思い出だ。
「レオって昔からしっかりしているようで、どこか好奇心とか勢いに任せて行動することがあるわよね」
「ご、ごめんって。それで、リーナに初めて聖魔法をかけて貰った時のことは忘れられないねって話。そして、いつもリーナには癒やして貰っているよ。ありがとう! ということで次!」
ちょっと恥ずかしくなってきた俺は、すぐに次の人に目を向けた。
次は……ベルだ。
「ベルは……ベルと会ったのも八歳の時だったね。なんか、懐かしいな。真面目なんだけど凄くおっちょこちょいで、触り心地が凄く良い。特に一緒に寝ると……」
「ちょっと? その発言は正妻として聞き捨てならないわよ?」
おっと。思わず失言をしてしまった。
「ご、ごめん。えっと……ベルとの印象深い思い出と言えば、寮での生活が始まった日のことだね」
そんな話をしていると、ベルはもう泣きそうになっていた。
ベルは昔から泣き虫だったな。
「泣かれてしまった時は本当にどうしようかと思ったけど、あれがあったからこそベルとこうして結婚できたような気がするよ」
「ぐす……こちらこそ。こんなメイドをお嫁さんにしてくださり、本当にありがとうございます。これからも、ずっとレオ様に尽くしますので、どうか捨てないでください……」
「もちろん。捨てないし、これからは俺がベルに尽くすよ」
とは言っても、それ以上にお世話になってしまう気もする。
俺はもう、ベルなしでは生きていけない体になってしまったからね。
「エルシーと初めて会ったのは奴隷商だったね。創造魔法の適性を持っていたエルシーを師匠に勧めたのがきっかけだったけど……あの久しぶりに会いに行った時のことは本当に衝撃的だったな~」
まさかのヤンデレになっていた時はビックリしたな。まあ、可愛かったから良いんだけど。
「あれだけ放置されていたら、誰でもああなってしまいますよ。でも、そんな私でも優しくしてくれるレオくんには本当に感謝でいっぱいです」
「こちらこそ、エルシーには凄く感謝しているよ。この街の発展はエルシーなしでは絶対に無理だったし、戦争で冒険者がいなかったら俺は簡単に負けていたかもしれない」
金銭面でエルシーにはたくさん助けられたな。
エルシーの助けがなかったら今俺はどうなっていたのかな? などと思うと、一生俺はエルシーに頭を下げ続けないといけない気がする。
「最後はルーだね。どう? 久しぶりに首輪がないのは?」
そう。今日のルーは首輪を取っている。
そりゃあ、新婦が奴隷の首輪を着けているのはおかしいからな。
それに、もうルーが俺を裏切るとは思えないし。
「うん……なんか首がスースーして気持ち悪い。これが終わったらすぐ着け直す」
「そうなんだ。まあ、もう首輪はルーの好きにして良いよ。ルーはもう奴隷じゃなくて、俺の奥さんになるわけだからね」
「う、うん……」
俺の言葉に、ルーは顔を赤らめて照れた。
普段はお調子者だけど、こうやってたまに見せる照れた顔がまた可愛くて良いんだよな。
「初めて会った時の衝撃度で言ったら、ルーが一番だね。なんせ、命がけだったし」
「うん。あの時は完敗だったね。また、レオと戦いたいな~」
「いつかね……」
いや、絶対にやらないけどな。絶対俺が死ぬ。
「ふふふ。それにしても、角は隠さなくて良いの?」
「まあ、結婚する以上もう隠すのは難しいでしょ。それに、今なら教国も文句は言えないから」
もちろん。帝国国内で俺に文句が言える奴はいないし、王国はカイトだから大丈夫。教国は、俺の影響力を考えて、表だって批判はしてこないと思う。
聖女様の教育もしてあげているわけだしね。
コンコン
「皆様、もうすぐ入場の時間となります。準備の方、よろしくお願いします」
「おっと。それじゃあ、パーティーを楽しもうか」
拍手されながら中に入ると、すぐに大泣きしている皇帝が見えた。
いや、これから皆の前でスピーチをするのに、そんな泣いていて話せるの?
でも……可愛い娘が結婚するんだから、大泣きするのも当然か。
そんなことを考えていると、同じく大泣きしている元聖女様を見つけた。
聖女様も、リーナが唯一の家族だったわけだからね……。
そして、俺たちが席に着くと、会場がシーンとなった。
これから、新郎が新婦たちを紹介するのが慣例だからね。
「皆さんこの度は、遠路遙々お忙しい中お集まり頂きありがとうございます。さて、今日私は五人の素敵な女性たちと結婚することになりました」
「まず、シェリア。僕の祖母である魔導師にまだ技術でこそ負けていますが、魔力の量は凄まじく、彼女が魔導師になる日もそう遠くないでしょう」
「次にリアーナ。皆さんも知っての通り、世界一の聖魔法使いです。彼女の聖魔法に何度助けられたことかわかりません」
「そしてベル。彼女は可愛らしい獣人族のお姫様です。この可愛らしい見た目に騙されてしまいますが、実は勇者ですら手も足も出せない程の実力の持ち主です」
「その隣にいるエルシーは、帝国の人で知らない人はいないでしょう。そう、ホラント商会の会長です。前会長であるホラントさんが亡くなった今、とても大変だと思いますが、これからもっと商会を大きくしてくれることを期待しています」
「最後に、ルーです。見ての通り、魔族の少女です。旧ミュルディーン領地下街に監禁されていたところを助け、今ではミュルディーン家の切り札として生活して貰っています」
「以上この五人を僕は幸せにすることを誓います」
ルーのところで少しざわざわしたが、すぐに拍手の音でかき消されてしまった。
まあ、拍手の大きさ的に、問題無いかな。
そして拍手が鳴り止むと、皇帝が立ち上がった。
凄いな。いつの間にか泣き止んでいて、いつもの威厳のある皇帝だ。
「さて、一人の父親として、まずはシェリアとレオ、そしてリアーナ、ベル、エルシー、ルーに結婚おめでとうと末永く幸せに暮らして欲しいということを伝えさせてくれ」
その言葉に俺たちは頭を下げて応えた。
「それでは、皇帝として今回の結婚について話をさせて貰おう」
「新郎のレオンスは、皆の知る通りこれまでたくさん帝国に貢献してくれた。忍び屋撃退から始まり……最近では王国をもほぼ自力で返り討ちにしてしまった。そんなレオンスに感謝と結婚祝いとしてミュルディーン家を今日より公爵家としたいと思う」
「ありがとうございます」
「そして、今日から皇族の一員となったレオンスには、西の荒れた広大な土地を再開発して貰うことになった」
「西の再開発は、かつて勇者様が行った東の開発以上に苦戦が強いられるだろうが、是非ともレオンスには頑張って貰いたい」
「はい。しっかり、皇族としての責務を果たしてみせます」
「ああ。頼んだ。国としても、最大限の援助はしていくつもりだ」
「ありがとうございます」
「それでは、思う存分六人を祝い給え」
こうして、皇帝を称える拍手と共に楽しいパーティーが始まった。
「久しぶり。元気にしてた? 今日は結婚おめでとう」
パーティーが始まり、すぐに挨拶に来たのはフランクだった。
学校を卒業してからずっと会えていなかったからな。見てない間に、結構背が伸びていた。
「ありがとう。一応、元気だったよ。それより、その隣にいるのは……」
「紹介するね。婚約者のアリーン」
「はじめまして。ご結婚おめでとうございます」
「ありがとう。やっぱり、レリアに似ているね」
そりゃあ双子ならそっくりなのは当たり前なんだけどさ。
「そうだよね。さっき、レリアさんと会ってきたけど、本当に二人の見分けがつかなくて困ったんだから」
「ハハハ。それは愛でどうにかしないと」
「うう……それを言われると困っちゃうな」
「ジョゼとも上手くいっているの?」
今はリーナと楽しそうに会話しているジョゼに目を向けて、フランクに聞いてみた。
まあ、あれだけアツアツだったからそんなに心配していないんだけどね。
「もちろん。毎日三人で楽しく生活しているよ」
「それは良かった。今度、ヘルマンたちも誘って皆で酒でも飲もうよ」
せっかく、皆成人したわけだしね。
「それは良いね。いつでも行けるから誘って」
「了解。また今度誘わせて貰うよ」
そして、しばらくたくさんの貴族たちを相手していると、初めて見るおばあちゃんが来た。
誰だ……?
「お前さんがベルの旦那になる男かい?」
「え、ええ……」
ベルの関係者?
「お、おばあちゃん!?」
ああ、あの孤児院の!
「久しぶりね。随分と美しくなってしまって……あいつもきっと天国で喜んでいるわ」
「やっぱり、おばあちゃんはお父さんのことを知っていたんだね」
「すまなかったわね。あなたを守るにはどうしても、秘密にしないといけなかったのよ」
そういうお婆さんの顔は本当に申し訳なさそうだった。
そりゃあ、あんな化け物から守るにはそうするしかないよな。
「謝らないで。私は、凄くおばあちゃんに感謝してるから」
「そう言って貰えると助かるわ。レオンス……」
「はい」
「私の役目、あなたに任せたわ」
「はい。任せてください」
お婆さんの真剣な顔に、俺も真剣な顔で応えた。
「ふう。それじゃあ、私はこの辺で失礼するよ」
「まったく……素直に泣けば良いのに」
「恥ずかしいんでしょ」
ベルのお婆さんが行ってしまってすぐに、ばあちゃんと聖女様がやってきた。
そういえば、二人も知り合いだったね。
本当、あのおばあちゃんは謎が多いな。
「結婚おめでとう」
『ありがとうございます』
「レオ、リーナを頼んだわよ」
「はい」
任せてください。
「リーナも守られているだけで、満足するんじゃないわよ? 私の教えをしっかりと思い出して、これからもっと精進しなさい」
「うん。おばあちゃんを目指して頑張る」
「嬉しいことを言ってくれるじゃない。ああ~。また涙が出てきた。もうダメ。カリーナ、行くわよ!」
「待ちなさい。私も孫と話させなさいよ!」
ハンカチで目頭を押さえながら、聖女様がばあちゃんを引っ張って行ってしまった。
「アハハ。相変わらず、ばあちゃんたちは元気だな」
まだまだ長生きしてくれそうだ。
「そうですね」
それからまたいろいろな人と挨拶を済ませ、コルトさんがやって来た。
「レオ、エルシー、結婚おめでとう」
「「ありがとうございます」」
「エルシーは念願の夢が叶って良かったな」
「はい。私は凄く幸せです」
「それは良かった。兄貴もきっと喜んでいるさ」
「そうですね……」
「コルトさん、ここで言うことじゃないけど師匠の葬式に出られなくて申し訳ありませんでした」
結局、師匠の葬式は俺がダンジョンに潜っている間に行われてしまった。
あれだけお世話になったというのに……俺は何をしているんだろうな。
「ああ、そんなこと気にしなくて良いぞ。それこそ、兄貴も自分の葬式に出るためにレオが辛い目にあったら嫌だろうからな。たまに墓に顔を出してやるくらいで良いと思うぞ」
「わかりました。今度、落ち着いたら全員で結婚の報告に行ってきます」
既に、もう十回以上は顔を見せているが、また明日にでも行ってこようかな。
「それは兄貴も喜びそうだな」
うん。喜んでくれるといいな。
そして、最後の方に差し掛かってきて、カイトがやって来た。
今回、エレーヌは子供がいるため不参加だ。
「結婚おめでとう」
「ありがとう。エレーヌと赤ちゃんは元気なの?」
「ああ。元気だよ。エレーヌに似て、凄く可愛らしいんだ。もう、今すぐ会いに帰りたいくらいだ」
「すまないけど、当分は我慢してくれ。平和条約を結び直さないといけないんだから」
これから、皇帝と新国王になったカイトの間で長い平和交渉が行われることになっている。
まあ、ほとんどは王国側が謝罪する為の場所だな。
「ああ、わかっているよ。それくらい我慢する。あ、でも……ちょっとだけ転移で連れて行って貰えない?」
「まあ……ちょっとだけなら良いかな」
俺も赤ちゃんには会いたいし。
「ありがとう! レオ、お前は一生の大親友だ」
まったく……調子の良い奴なんだから。
「本当、元気になったわね」
カイトの後ろ姿を見ながら、シェリーがそんな感想をポツリと呟いた。
「ああ。すっかり元気になってしまったな。」
本当、一ヶ月以上も寝ていた奴とは思えないな。
「赤ちゃんの力は凄いですね」
「ああ。凄いな」
「というわけで、早くシェリーは子供をつくってくださいね。正妻の責務ですよ?」
「……!?」
リーナに耳元でとんでもない発言をされたシェリーは、顔を真っ赤にしてリーナに顔を向けた。
ただ、何て言い返せば良いのかわからないみたいだ。
ちなみに、俺も何てフォローしてあげれば良いのかわからない。
それから次の挨拶が来るまで……気まずい雰囲気が俺たちの間で漂うのであった。





