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第十二話 シェリーに会いに連れてかれる

 家を出てから、おじさんは猛スピードで街を通り抜けて行く。

 人の間や屋根の上など、とにかく最短距離で城に向かった。

 ただ、隠密の影響で俺たちに気がつく人は誰もいなかった。


 それから、すぐに城に着いた

「おじさ~ん、別にこんなに急ぐ必要はなくない?」


「何を言っているのだ。女の子を待たせるなんて男としてどうかと思うよ」


「う、うん」


「ただでさえ、君は寝坊したんだから」


「は~い」


「じゃあ、行くよ」

 そう言って俺を担いだまま城壁を飛び越えていく


「え~!? 普通に門を通ろうよ」


「何を言っているんだ。今回はお忍びなんだから門なんて通ったら意味が無いよ」


「でも、こんな簡単に飛び越えられるなら防犯が心配だよ」


「それもご心配なく、こんなことが出来るのは俺と勇者(とうさん)くらいだから」


「え~本当?」


「もしも、そんなことが出来る奴が来たら俺の仕事だよ」


「おじさんの仕事って何するの?」

 特殊部隊とは言っていたが、どんなことをしているんだろうか?


「皇帝の直属の部隊だな」


「それは騎士とは違うの?」


「騎士は動かすのに大臣の許可が必要で数が多く、戦争の時や治安の維持が仕事で、俺が所属する特殊部隊は少数精鋭で皇帝を護衛したり、今日みたいに皇帝に頼まれる仕事をしているみたいなかんじ」


「へ~少数精鋭か~すごいね」


「ありがとう、着いたぞ姫様の部屋だ」

 そう言って、俺を下ろしてドアの前で止まった。


 コンコン


「姫様、レオくんを連れて来ました」


 シーン


 あれ?反応が無いぞ?

「シェリー、いるの?遅くなってごめんね」


 すると、ドアが開き

 シェリーが機嫌悪そうに顔を出した。

「遅い」


「すいません、レオくんがなかなか起きなくて~」

 それを聞いたシェリーは、こっちに向かって睨む


「レオは私のことなんかどうでもいいの?」


「そ、そんなことないよ! ただ、昨日のパーティーで疲れちゃって起きれなかったんだよ」


「むう、私だって昨日行きたかったのに~」

 そう言いながらシェリーは涙目になってきた


「泣かないで!本当にごめん。何でもするから許してください」


「ふぅ~ん、何でもね....わかった許す」

 ふぅ、なんとかお許しを得ることが出来たみたいだ。

 ただ、何をやらされるのだろうか.....


「じゃあ、仲直りが出来たようなので私はこの辺で」

 おじさんはそう言って、一瞬でいなくなった。

 本当に、隠密は便利だな....


「じゃあ、部屋に入って」


「女の子って感じの部屋だな」

 部屋は全体的にピンクでぬいぐるみがたくさんある


「そう?」


「うん、ぬいぐみが好きなの?」


「うん、そうだよ」


「じゃあ、ちょっと待ってて」

 俺はそう言って創造魔法を使う


 材料は無いので、魔力だけでぬいぐるみを造ろうと思う。

 それからペンギンのイメージをして、パッパッと造った。


「はい、これをあげるから機嫌を直して」


「いいの?わかったわ直してあげる」


「あ~、よかったー」

 これで、一安心だ。


「それじゃあ、私からもプレゼント」

 ミスリル製の綺麗なネックレスをくれた。


「ありがとう。着けていい?」


「待って、その前にこの魔石も返す」

 シェリーがそう言って、俺の魔石と変わらない輝きの魔石を出した。


「おお、頑張ったね。でも、まだいいよ」


「いいの。わたし、貰った魔石にずっと魔力を注いで、こんな輝きになったから、今度は自分で一からやってみることにする」


「なるほどね。わかったよ」


「それに、これを使ってこのネックレスに魔法を使ってるところ見たかったし」


「そっちが本音かな? まあ、いいよ」


「やったー」


「じゃあ、やってみたいことがあるからシェリーのネックレス貸して」


「いいわよ」


 ネックレスと魔石を受け取り、創造魔法を使う

 それからは、いつものように光って成功した。

 そして、成功した物は丸い魔石のついたネックレスだった。


「成功したみたい」


「どんな効果があるの?」


「うん~、ちょっと待ってね」


<念話のネックレス>

 この魔石に魔力を注いだ人と登録した魔法アイテムを介して離れた場所でも念話することが出来る

 登録方法はこのネックレスに接触させるだけ

 接続中(登録アイテム):シェリー(愛の首飾り)


 おお、予定通り念話が出来るアイテムを造ることが出来た。

 この世界には、電話のような便利な連絡手段が無いので欲しいと思っていたんだ。


「とりあえず、これを返すから首にかけてみて」


「わかった」

 


 そして

(シェリー)


「え?」


(聞こえる?シェリー)


「何これ?」


「これは相手にこう伝えたいと思うと相手に伝わる物なんだ」


「え~凄すぎるよ。使ってみるね」


(レオ、レオ聞こえる?)


(聞こえるよ)


(凄い!会話が出来てる)


(遠くにいても使えるよ)


(やったー)


「これでいつでもどこにいても会話が出来るね」


(ゾクゾク)


 なんか、怖い物を造ってしまった気がする


「う、うん。」


「楽しみだね」


「そ、そうだね」


「そうだ。わたしね、魔石のおかげで凄く魔力増えたんだよ」


「頑張ったね」

 さて、愛の首飾りの効果はいかほどか....


 シェリア・ベクター Lv.1


 年齢:7

 種族:人族

 職業:姫


 体力:3/3

 魔力:6510/6510


 力:3

 速さ:3

 運:500

 属性:無、水、雷、氷、魅了

 スキル

 水魔法Lv.1 雷魔法Lv.1

 氷魔法Lv.1 魅了魔法Lv.1

 無属性魔法Lv.1 魔力操作Lv.3


 称号

 魔術師



 この成長はやばいな~(お前が言うな)

 やっぱり、アイテムの成長促進は凄いなー


「あと、ちゃんと毎日魔力操作の練習してるからね」


「えらいえらい」

 そう言って、頭を撫でてあげた。


「へへ、それとレオに頼みたい事があるんだよね」


「頼みたい事?」


「そう、私の魔力いじって」


「そ、それだけは勘弁してください」


「さっき、なんでもするって言ったじゃない」


「う、わかったよ」

 男に二言は無いからな


「じゃあ、お願い」

 そう言うとシェリーはベットに寝転がった


「はぁ、じゃあやるよ」

 俺は、諦めてシェリーの魔力を動かす


「あれ?動かすのが楽になった」

 やっぱり、成長しているんだね。


「そう?毎日やってるからかなぁあ~」

 ああ、始まってしまった....


「ひさしぶりできもちすぎるぅう~~」

(無心だ無心)


「ふぁあ~~~~」

(無心、無心、無心、無心.....)


 それから10分以上は経ったと思う

 もう疲れた


 シェリーは寝てしまった


「楽しそうだったね」

 背後から急に声が聞こえた

 急いで振り向くとそこにいたのは、おじさんだった。


「びっくりした~おじさん、今の見てたの?」


「うん、この部屋が防音でよかったね」


「あ~、最悪だ~」

 今のが人に見られていたのか?

 あ~!恥ずかしくて死にそう.....


「まあ、何でもするなんて言ったからには、男は言うこと聞かないとね」


「うぅ....」


「それより、他人の魔力を操作するなんてこと、その歳でよくできるね」


「たまたま、シェリーに魔力操作の方法を教えようと思って、やろうとしたらできちゃっただけだよ」


「いやいや、その歳で魔力操作できるだけでも凄いんだからね?」


「え~そうなの?」


「うん、最近は魔力を吸収する魔法具を使って魔力を鍛えるから、魔力操作が出来る人すら少ないんだよ」


「そんなのあるの?」


「あるよ。もともとは魔法使いを牢屋に閉じ込めておく為に魔力を吸収する物だったのが、今では、魔力を全て吸収させたら休憩してを繰り返すようにして、魔力鍛錬をやる方法が見つかったんだよ」


「へ~それは便利だね」


「まあ、魔力操作をレベル3まで鍛えてから、魔石に魔力を注いで魔力を鍛えるのはめんどくさいし、魔力操作が無くても魔法は使えるからね」


「え~、でも僕が創造魔法使う時は魔力操作が必要なんだけど」


「そういえば、レオくんは創造魔法を普通に使っていたね」


「使えるよ」


「誰も使えない魔法をね....」


「まあ、ぼくは魔力が多いから」


「それが1番の原因だろうけど、もうひとつ魔力操作も原因なのかもね」


「なんで?」


「さっき言った魔法具のせいで魔力操作を使える人はほとんどいなくなってしまって、もし創造魔法に魔力操作が必要なら、使える人がいないのも納得だ」


「なるほどね」


「さて、そろそろ暗くなってきたし帰るよレオくん」


「うん、わかった」


「姫様に何か言ってから帰らなくて大丈夫かい?」


「大丈夫だよ。これがあるから」

 おじさんにネックレスを見せる


「創造魔法って、そんな物まで造れるんだね」


「うん、今のレベルになってからだけどね」


「そこまでレベルを上げれるのも凄いけどね」


「そんなことないよ」


「またまた~ 謙遜して、じゃあ帰るよ」

 おじさんはそう言うとまた俺を担いだ。


「え?また担がれるの?」


「帰るまでがお忍びだからね」

 それから、帰りもおじさんに猛スピードで運ばれた....


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