魔術
俺は目が覚めた。
ここは何処だ?
天井が見えた。
「起きたわね」
その声の持ち主は魔導師レイミーだった。
「あなた気を失っていたの」
レイミーはティーをついでいた。
俺はベットに横たわっていて、
俺は起き上がろうとするがレイミーから止められた。
レイミーはティーを注ぎ終わり俺の分をベットの近くにある机に置いた。
そしてレイミーは言う。
「それにしてもあなた何者なの?異世界の人間にしては強すぎるわ」
「俺は普通の人間だ。」
「そう」
ガチャと扉が開く。
「おう、レイミーいるか?必要なもの買ってきたぞ」
武装した男が荷物を抱え部屋に入ってきた。
「ありがとう。そこに置いといて」
レイミーは荷物を置く場所を指差した。
俺は新たなる人物が現れたことに戸惑っていた。
それを気づいたレイミーは話を始める。
「そういえば紹介してなかったわね。こちらはヴィル・アズベル。彼は私と共に魔王退治に同行している仲間、剣術を習うならヴィルのほうがいいわ。」
「君があの第5団隊長ディールを倒したのか。」
ヴィルは驚嘆を隠せずにいた。
「…ええ、まあ」
俺は返事に困った。
「だから私達と一緒に魔王を倒す活動に参加してもらうわ。他に仲間いるからその都度紹介していくわ」
レイミーは勝手に決めていく。
「待て、俺は誰も参加するなんて」
俺は魔王退治に勝手に参加させられるのは御免だ。
「どちらにしてもあなた元の世界には当分帰れないわよ。専用の道具が不足しているし、魔術で返すにもかなり洗練された術師じゃないと危険だわ」
レイミーは魔道の杖を片手に持ちそれを伝える。
「今日から君は俺達の仲間さ。よろしくな。」
ヴィルは俺の所に近寄り肩に手を置いた。
「これから魔術や剣術、道具の使い方について教えるわ。」
「おいおい、まだ速いんじゃねえか。満はまださっき戦ったばかりだぞ」
ヴィルは俺に気を使う。
「速くないわ。魔王はこの近くの町まで進攻して制圧しているから速めに鍛えておかないとこれからの戦場で使いものにならないわ」
レイミーは支度をしていた。
~広場~
辺りは草原が一面広がっている。
空は青空一面だ。
「これから魔術について教えるわ。」
レイミーは手を翳した。
「魔術を使う人は魔力が必ず必要になるからそれを引き出すため気を集中させて。無心になるの。」
レイミーは言ったとおりにすると紫の気が手から放出される。
俺は言われるまま試してみた。
気を集中させ、無心になる。
グオン、音が鳴った。
その音が気になり俺は目を開けた。
周りの風景は一面暗黒になっていた。
「なに、これ?」
レイミーはまたも驚いていた。
俺の手から膨大な魔力が放出されていた。空に一面に紫の気が立ち込める。
周りの草は朽ちていく。
俺は驚くがとめ方が分からない。
「手を翳すのやめて!!」
レイミーは激しく大声で言う。
俺は言われたように行動を移す。
魔力の放出されるが止んだ。
「何が起きているの?」
その状況にレイミーは意味が分からない様子だった。
「次の魔術はなんだ?」
俺は促した。
「…ええ、次は攻撃魔法から。そこに的を置くからそれを狙って」
レイミーは攻撃魔法の呪文を唱える。
雷撃が放出された。
そこらにある的を破壊する。
「満、あなたもやってみて。」
レイミーに促される。
俺は呪文を唱えた。
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ。凄まじい轟音が鳴り響く。
目の前の地面が深く抉りながら攻撃が進み山を消し去った。
「どういうことよ」
目の前の風景を目の当たりにしたレイミーは絶句していた
「次ないのか、レイミー。」
俺は次の魔術を使いたくてたまらなかった。
それから俺は魔術を習得した。攻撃系、防御系、回復系等様々の魔術を。
それを習得したあとの広場は元の風景は跡形も無くなくなっていた。