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異世界での職業は○○  作者: タクマ
4/5

~三章~仕事を決めましょう

「イヤだイヤだイヤだイヤだ。俺もリースみたいな魔法騎士とかそんな格好良くて強そうな職業がいいーーー!」


健は23にして駄々をこねていた。

というのも気付いたら異世界にいた自分は適正の職業を調べて貰ったら勇者とかまではいかないまでも。格好良い仕事につけるのではと淡い気持ちが少なからずあった結果ともいえる。


「しょうがないじゃないか。決まってしまったものは、ププッしょうがないだろう。」


笑いのツボにはいったのか適正の職業が分かって10分ぐらい経過しているのに未だに笑いをこらえながら健をなだめているリース


「てかさ何芸人って、漫才とかするわけ?てかどうやって稼ぐべきなの?大きい町とかいって路上パフォーマンスとかして細々と稼ぐとかってか下手したら働いても一円にもならないとかやだよー」


「まぁしばらくは私が付き合ってやるからその間にどうにかしたらいい。」


「りーーすーぅーー!えっぐ、おまっえうぃーばつばなー、ぐすっだよ、俺のりあいしゃ、ありがっとうぐす。」


リースの優しさに感動して呂律がまわらない言葉を発しながら号泣して抱きつく健

「よせっ恥ずかしいじゃないか。てか何いってるか本当に分からんぞ。ってかキャッどこ触ってるんだーバカーー!」




数分後


「ゴメンリース。取り乱した。」

健の頬には見事な手形がついていた。他者がこの現場を見ていたら間違いなく見事なビンタだった。


「まぁお前の希望通りの結果という訳ではないだろうが、あくまで結果とは過程に過ぎない。努力次第でこれからどうにでもなるさ。」


この言葉に健はリースの背後に後光がさしてみえて、

「ありがたや、ありがたや。」

と両手をあわせて拝んでしまうのは健にとっては当たり前のことだったのかもしれない。

その行動にリースが

「恥ずかしいから止めてくれ」

と言うのも当たり前であった。


「とりあえず職業は決まったんだ。今日は色々あって疲れただろう。帰ることにしよう。着いてこい。心配するな。しばらくは飯ぐらいなら出してやる。」


「あなたは神ですか仏の生まれ変わりですか。」


「お前何いってるんだただのバカか。いいから早く行くぞ。」

リースに頭を小突かれて健はリースと共にリース邸に向かうことになった。


~リース邸前~


「ほえーー。でかすぎだろ。」

健はギルド程ではないものの人が生活するだけにしては大きすぎる豪邸に呆気にとられていた。


「自分でいうのもあれだが私って結構凄い奴なんだぞ(笑)ってお前の住まう倉庫はこの邸宅の端にあるぞ」


「マジですか。早く案内してくれ」

元々は屋根があるだけでも感謝とかその程度に思っていたが。この豪邸を見てもしかして倉庫も豪華なのではと期待する。


「ここだここ。」


「えっここ」

そこには筋○ハウスを想像させるお世辞にも綺麗とはいえないオンボロの倉庫がそこにはあった。


「何かギャップの差がスゴくね」

目の前のボロ倉庫と豪邸を見比べて呟く


「しょうがないだろう。ずっと整理してないんだから。まぁ飯と風呂とトイレは館のやつを貸してやるから安心しろ。と言うよりももうこんな時間か。もうご飯にしようか。」


「えっそうだな。(どんな飯でるんだろう?この屋敷ならきっと凄いご馳走がドキドキ)」


「よだれたれてるぞ健」

倉庫はともかくご飯に関してはリースと同じものを食べるのだから期待して健は想像だけでよだれがたれていた。



そをな感じのやり取りがありつつも二人はリース邸に入る。

玄関までは凄かったのだが中に入ると少し違和感を感じた。

家の中は閑散と静まりかえっていた。


(あれっ広い家なのに従者さんとかいないのかな?いやでも他にも何か違和感があるような。)



マンガやアニメの知識ではこの大きさの屋敷とかなら使用人がお出迎えとかありそうなものなのに、もしかしたら本来ならこういうことは普通の事なのかもしれないがとか色々考えながら健それが少し寂しく思えた。

そして20畳ほどの広い食事をとる部屋に案内された。


「広っ。スゲー。話変わるけど少し気になったんやけどリースの屋敷 、使用人とかはいたりしないの?」


「あぁ母上が生きていた時はいたけど一昨年の秋に病気で他界してな、それからは他人とコミュニケーションをとるのが少し苦手になってしまい使用人に申し訳ないがと説明し、5年ぐらいなら遊んで暮らせる位の退職金を渡した上で辞めてもらったんだ。」


「えっでも俺とは普通に話せてたじゃん他にも定食屋とかギルドの受付の人にも話せてたじゃないか。」


「あぁいう仕事とか生活に必要な所では話せるように頑張ったんだ。でも確かに健とは普通に話せたんだ。それは自分でも少し不思議に感じるよ。」


考えてるポーズをとるリース。


「ふーん不思議なこともあるんやね。てか夕飯どうするの?もしかしてリースの手作りとかだったり,,,,」


「あぁ心配するな。飯ならあっちの台所の方に少しまっていてほしい。」

といいどこかへ消えるリース。

しばらくすると大量の缶詰めと近くのパン屋で買ったと思われるきれいに袋詰めされたパンを持ってきた。


「さぁ遠慮するなさぁ食え。」


「えっ手料理じゃないの?」


「振る舞ってやりたいのは山々なのだが私は料理は苦手で」


「いやそれならいいけど少し期待してた分残念かなっ て女の子の手料理を食べれる男って何かステータス的何かが上がるようなきがして。でも少しほっとしたかも」


「ほっとした?何故だ。」


「いやっリースって見た感じ完璧だったから苦手な所とかあってやっぱり普通の女の子なんだなって思って」


「バカ。やめろ恥ずかしい。」

健の言葉に頬を染めるリース


「そういう訳ならしゃあない俺が料理するよ。」


「えっいや気にしなくていいから。ってか健は料理出来るの?」

「勿論だ一人暮らしも長かったし食堂での仕事経験もありだ。これまでお世話になりすぎたと思ってるし、たのむそれぐらいさせてくれ。」


頭を健は下げた。


「そこまでされると、でも、」


「じゃあ俺が好きで料理するこれはリースのためじゃなく温かいものが食べたい俺の為これならいいでしょ?」

懇願する健


「そこまでいうなら止めない。ただ,,,,」


「調理場はどこ?」


「この部屋を出て右つきあたりがそうだがでも,,,,」


「了解ありがとう。旨いの食べさせてやる。」

ニッコリ笑って調理場にむかう


「いやっそうじゃなくてだな、健待ってくれ。」


後ろからなぜか慌てたリースが着いてくる。

不思議に思った健であったが調理場につくと理由がすぐわかった。


「到着ってうわっ。」

健が見たものは何かのソースらしきものがカピカピに固まってる皿や

ひっくり返った鍋

何かのキノコが生えてるごみ袋

つまりは物凄く汚い現場がここにはあった。


「だから待ってくれと言ったのに」

と涙ぐみながら見つめるリース、不覚にもその顔を見て可愛い過ぎだろと思いながら


「私は少し掃除も苦手なのだ。すまない」

そう健が屋敷に入ってから感じたもうひとつの違和感は外観に比べて中が汚いということだった。


「えっでも屋敷の外は綺麗だったのに。」


「屋敷の外は定期的に業者に頼んでるが、家の中とかに知らない人入れるの嫌でさ」


申し訳なさそうにするリース。


「よし飯食う前に掃除だな。」


「えっいいよ悪いしなんなら今日は飯屋に行こう明日私が片付けするから」


「何いってるの、掃除苦手なんだろう。心配するな俺掃除業者でも仕事経験あるんだぞ。」


健は以外とハイスペックな人間であった。


そういうとさっと掃除をする健

リースは驚く何故なら掃除に無駄な動きがなく。リース一人なら3時間位かかりそうな掃除がものの一時間程で終わる。

「健お前スゴすぎるだろ。」


呆気にとられるリース

「よし次は料理っと」

そういうと缶詰めとパンだけでパパっと料理する。


「簡単だけどピザトースト作ってみた。本当はもっとこったの食べさせてやりたかったけど缶詰めとパンだけでだと出来る料理も限られてさ。さぁ食べて食べて。」


そう言われてピザトーストを口にするリース。

「旨いの!」

リースは健の作ったピザトーストに感動した。


「そりゃ良かった」

ニコッと笑う健


「健って色々出来てスゴイスゴイの!」


その喜んでいるリースを見ていると

普段から市販の物とこ缶詰めだけを食べたり部屋の掃除とかもろくに出来ないダメな部分のリースを見て健は


「よし決めたぞリース。」


とテーブルを叩き立ち上がる健。


「何をだ?」

首を傾げるリース


「恩返しだ。俺はお前の執事になる。」


「えっ」

「ってもあくまで恩返しだ、無給で構わない。勿論屋敷の外でも働こうと思う。なので休みの日とか限定だけどな。」


「でもそれって大変じゃないの?」


「大丈夫だ任せとけ」


「わかったありがとう。頼むよ健。」


「おう!」

こんな感じで健はリースのお手伝いさんに昇格した。


~おまけ~

テレテテッテッテー

健はレベルが2上がらなかった。


健「えっレベルが上がらないの?じゃあ何この効果音?」


ただの効果音の演出でした。


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