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【詩集】花の咲く庭

静かすぎる空に

作者: につき

いみをみうしなった空に

なきさわぐ鳥たちのむれ

あめあがりの静けさに

とおくひびく人のいとなみのおと


くりかえされる俗なこういに

なみだのかれた涙のたに

しせんの先にあったのは

ききおぼえのない音のきおく


ぼうぜんじしつとしているのだ

こんなにも乾いてしまうとは

おりよく降りだしたあめの

なんというここち良さ


てつのきしむ音がした

だれか還ってきたのだ

かおもこえも知らぬ

わたしの先祖ひとりふたり


おしなべて世はことさらに

もとめることを止みはしない

なきじゃくる幼ごもまた

おしなべられているじじつ


ながれをやめた川のみずは

よどみくさることから逃れられない

さまたげられない川はなく

みな さまたげをよけて流れていく


みずの流れのおわりはにごっていても

はじまりの源流はすみきっているから

いっぽんの川をはじめることを

はじめつづけることを

静かすぎる空に……

お読み頂いてありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめつづける、という表現がいいなと思いました。 絶え間なく降る雨は、澄んだはじまりだけをずっと繰り返しているようで、だから時々、雨のリズムが心地よく感じるのかなと思います。 よどむことも…
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