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ダンジョン穴掘り――ストレス発散のためにスコップを手にダンジョンでひたすら穴を掘ってたら奈落に落ちた――  作者: カンチェラーラ


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手押し車

「重すぎるなぁ。ギルドで荷車って借りれるのかな?」


 土曜日の朝早くからダンジョンで穴掘りを開始した僕は、お昼までスコップで穴を掘り続けていた。

 もちろん、途中で休憩は入れていたけれど、大きな休憩は取らず、タイマーが鳴るたびに水を飲み、ダンジョンバーを齧り、疲労を押さえながら動き続けた。

 その結果、集めた土は、土嚢袋で八袋分ほどになった。

 これが想像以上に重い。


 土嚢袋は土を入れると二十から三十キログラムはある。

 だいたい一袋で二十五キログラムだとして、僕の力では一度に二袋を持って移動するのは難しい。

 頑張れば持てなくはないが、下手に持って移動しようとしたときに袋を落としたら大変だ。

 袋が破けたり、入口が緩んで中の土があふれ出たら、そのたびに集めなおす羽目になる。

 それを避けるために僕はいつも一袋ずつ持ってダンジョンの中から外へ、そしてダンジョン入口からギルドの建物まで土を詰めた袋を持って移動していた。


 一度では運べないために普段でも二往復、いや、スコップなどを返すために三往復することもあるが、今日はそれがさらに多い。

 朝から昼までで八袋。

 それを運ぶのはかなりの重労働だ。

 これを減らすためにも土嚢袋を積んで運べる荷車が欲しい。

 そう考えた僕は一度目の土嚢袋を持ち込んだ際、ギルドで土を買い取ってくれる職員さんにそういう道具が借りられないかを聞いてみた。


「で、借りることができたのが、これかぁ。まあ、ないよりはましかな」


 僕としてはたくさんの土嚢袋を一度に載せて運ぶことができる、大きな箱型の荷車、リアカーみたいな大型の荷車を期待していた。

 が、それは貸し出せないと言われてしまった。

 だけど、「手で運ぶのは大変よね」と言って職員さんが用意してくれたのは、大きな荷車ではなく、小さな手押し車だった。


 目の前に出されたときに僕の顔が少し不満げだったのかもしれない。

 職員さんが笑いながら説明してくれた。

 この手押し車は別名で猫車とも言われるものらしい。

 猫車は一輪車の台にハンドルのような持ち手が付いていて、土を運ぶ道具としてダンジョンが現れるよりもはるかに昔から現場仕事で使われていた歴史ある道具なのだとか。

 むしろ、荒れた地面でも狭い通路でも扱うことができる猫車を借りられるだけでもありがたいと思ったほうがいいよと、優しく笑顔で教えてくれた。


 まあ、そりゃそうか。

 スコップどころか土嚢袋や手押し車までただで貸してくれるのに、文句を言うのは間違っているだろう。

 僕は自分の考えが間違っていることに気が付き、職員さんに謝って手押し車を貸してもらえるようにお願いした。

 そして、その手押し車を持ってダンジョンへと向かい、残ったほかの土嚢袋を積み重ねる、

 よし、これで一気に運べる――

 そう思った次の瞬間。


 ……バランスが、崩れた。


 手押し車はあっさり横転。

 土を盛大にぶちまけることになってしまった。

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