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わたくしは何も存じません  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


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78/98

78.相次いで到着する招かれざる客

あけましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!!_( _*´ ꒳ `*)_

********************

 騎士は突破されたのか、開いたままのガラス扉から王女が出てくる。そちらに集中するガブリエルとラファエルは、周囲への警戒が薄れていた。ぽんと肩を叩かれ、ガブリエルが悲鳴を上げる。が、直前で手に口を覆われた。


「おっと、叫んだら居場所がバレるぞ」


 笑う声はカールだ。姉を守ろうと飛び掛かったラファエルも、ケヴィンに捕獲されていた。相手が従兄達と判明し、ほっと力を抜く二人にカールが姿勢を低くするよう伝える。


「……っ、あっぶね」


 カールが呟き、ケヴィンも伏せた。後ろの牛は……仕方ないだろう。放っておいたら、林から芝生のほうへ歩いていく。お陰で林に逃げ込んだと思われなかったのか……王女はきょろきょろしながら、屋敷へ戻っていった。


「すごい行動力だな」


 ケヴィンがやれやれとぼやく。大まかな事情は聞いているため、いざとなれば自分達が囮になろうと考えた。幸い、牛のお陰でバレずに済んだ。まだ立ち上がらないほうがよさそうだと、四人は茂みの陰に座る。


「リル、スカートが汚れるぞ。ほら」


 ここに座れと膝を叩くカールに、ガブリエルが素直に従う。ラファエルがもの言いたげにケヴィンを振り返った。くくっと喉を鳴らして笑い声を抑えたケヴィンが、ラファエルを膝に乗せる。


「ラエルは汚れてもいいんじゃないか?」


「ダメです。庭にいたのがバレます」


 適当な理由を付けて楽な姿勢を取った弟に、姉は肩を震わせて笑った。隠れているから、笑い声は我慢しなくてはならない。それがまた面白さに拍車をかける。大声で笑えていたら、今頃は落ち着いただろう。そんな四人の耳に、馬の蹄の音が届いた。


「誰か、お客様なの?」


 ガブリエルの声に、ケヴィンが頷いた。すでに先触れの騎士が到着して、カタリーナ王女回収の一団の予定を知らせている。その話をしている間に、玄関先へ騎士団が並んだ。家令アードルフが出て対応し、一礼する騎士が書簡を手渡す。


 ヨーゼフはまだ顔を見せず、代わりにエッカルトが現れた。腰の痛みもやや軽くなり、動き始めたばかりだ。当人はしゃんと立っているつもりだが、腰が曲がっている。


「おじい様、痛そうね」


「うん。隣で支えてあげたいけど、僕の身長が足りなくて」


 姉弟の微笑ましい会話に、カール達の顔がほころぶ。騎士の一部が裏の厩へ走り、馬車の確保に向かった。すぐに連れて帰るつもりだろう。


 がさっと後ろで音がしても、三度目なので緊張感は薄い。ゆっくり振り返ったケヴィンが「誰だ」と鋭い声を発した。隠すように抱えられたガブリエルは、隙間からそっと覗く。顔がそっくりの男の子が二人いた。


「この屋敷の人か?」


「ここで、何してんの?」


 疑問をぶつけてくる二人に悪意を感じない。ぽんぽんとカールの手を叩いて「大丈夫だと思うの」と伝えた。それでも警戒を解かない従兄二人に、ガブリエルとラファエルは抱き上げられた。いざとなったら走って逃げよう。そんなカール達の目配せは、囲むような数人の騎士の気配で一変する。


 ゆっくりと動く手が、背中に隠し持つ短剣に向かった。

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― 新着の感想 ―
古今東西、招かるざる客ほど態度がでかい法則
あけましておめでとうございます! 王女が陽動になっていて警備に穴が開いてますねぇ…
新興の国とはいえ国のトップの家に侵入されてるのちょっとたるんどるぞ
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