表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わたくしは何も存じません  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

136/138

136.王子三人が揃う危険性

 ガブリエル達がソフィーを助けたのとほぼ同時刻。ゼークト王国を走り抜ける馬車があった。帰還中のウテシュ王国の王太子一行だ。事前に通過の連絡をしたが、寄ってほしいと言われなかった。それを理由に、自国へ真っすぐに向かう。


 双子のどちらかが縁組できていたら、ゼークト王国は親戚関係となった。だが、今は近づくのが危険な国だ。王太子と双子王子、王位継承権を持つ直系が三人も国を離れている。もし捕らえられ、何らかの取引材料にされたら……その危険をひしひしと感じていた。


 ロイスナー公国への誠意を見せる意味で向かった王太子テオパルトは、己の浅慮を恥じる。


 国の重鎮である国王が自ら向かうわけにいかず、王太子である自分が向かった。無礼を働いた双子を切り捨てるにしても、ロイスナー公国に処分させるわけにいかない。


 当初はそう考えた。相手を怒らせず、こちらが平身低頭謝っていると認識してもらう必要があり、自ら出向く決断をした。だが、王子三人が外に出た状態で、万が一の事故や事件に巻き込まれたら? 王族は暗殺の心配が付きまとう。同時に『不慮の事故』も……。


 偶然死んだことにできれば、王位継承権が回って来る。そう考える親族に心当たりがあった。公爵家の息子達だ。彼らにこの状態が知られれば、刺客を送られるだろう。愚かすぎたと悔やみながら、馬車を急がせた。


 途中の川で弟達と騎士を洗った。文字通り、石鹸を渡して臭いが薄まるまで擦らせた。


 ミロは平気だったが、ネロは熱を出したようだ。冷たい川の水で冷えたらしい。しかし体調を気遣って止まる余裕はなかった。全力で走る馬車を、騎士の一団が守る。ウテシュ王国の旗を立てた一団は、人数の多さもあって人々の噂にのぼった。


 宿屋のある大きな街をいくつか通過し、カペル共和国との境を抜けて、ようやく自国の土を踏む。その頃には、テオパルトは疲弊していた。速度を落とした一行に不幸が訪れたのは、このタイミングだった。


 両側が切り立った崖となり、細く伸びた街道は抜け道がない。巨大な岩をくり抜いてトンネルを作る技術はなく、岩の間を抜ける道が作られた。王太子一行の馬車が通過する寸前、前方で大きな崖崩れが起きる。


 前方を塞がれて戻ろうとした彼らは、少し先でそちらも崩れていることを知った。直接、落石に当たらなかったことを幸運と呼ぶ者もいるだろう。しかし、自国内の移動で街の間を抜ける騎士団が、大量の食糧を持っているはずがない。水も必要最小限だった。


 誰かが崖崩れを知り、街に知らせて復旧を急がせても十日はかかる。その間、王太子一行が生き延びられるのか。


 天を仰ぐテオパルトは、城で待つ婚約者の顔を思い浮かべた。何としても戻る。その決意を胸に、打開策を模索し始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
なんか、ヤバイ事になってる!このままだと…天に召されちゃう!?しかも、双子の片割れが熱を出した…悪化するかも? 性格が、ちと甘いとはいえ、いい人っぽい王太子さんとついでに護衛さん達には生き延びて欲しい…
小人冒険者が岩を退かしますよ。身体強化魔法で岩なんか軽いです。どっこいしょ、よっこらしょ。小人国王の書簡を持って来たので王太子に渡します。内容は、『悪行の数々許すまじ!!小人王国全戦力を持って攻めるよ…
国王と王弟もそうだけど、足して二で割ればいい感じだったんじゃないかなー 歴代の国王の甘いところを兄弟の腹黒いのが支える形だったのが、ここ数世代崩れてきてる感じですかねー?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ