97/121
猫の恩返し-3
龍二が目を覚ました翌日、警察が事情聴取にやってきた。
この状況で病院に運ばれるのは2度目ということもあり、かなり厳しい尋問となったが、知らぬぞんぜを貫いた。
しかし、使えるものを使わない手はない。
警察に、
【誰に襲われたかはわからないが、家族が狙われているかもしれない。
だから警護してほしい。】
と頼んだ。
何かに巻き込まれて襲われたか弱い高校生を演じなければならない。
その結果で家族が警察の保護下に置けるのであれば、ある程度の防御にはなる。
警察も二度も重症状態の体になった高校生を蔑ろにでもしたら、何かあったときに言い訳にこまる。
とりあえず巡回はするとの返答であったが、まず良しとすることに龍二は納得した。
ただ傍らにいる美佐子の心配そうな顔が龍二の胸を締め付ける。
(結局、巻き込んじまった…。)
悠亜が身バレすれば美佐子にも危険が迫る可能性は高い。
しかし今、龍二にできる事は二人の警護を猫に任せる事だけ。
歯がゆいが受け入れなければならない事実である。
ただ救いがあるすれば、この体の驚異的な回復力である。
おそらく早い段階で動けるようになる。
それまでの時間稼ぎができればいい。
龍二は美佐子の顔を見ながら、その策を必死に考えていた。




