反撃の屍人-13
龍二の顔が苦痛でゆがむ。
(うがーーーー!!痛えっっ!!ぐあーーーーー!!)
完璧に極められた右足から激痛が走る。
「このクソガキが!!極道なめとったらあかんぞ!!
その顔拝んで身元洗って家族も皆殺しじゃ!!」
黒川の悪意に満ちた顔が龍二の視界に入る。
ブチ
ブチ
脚の腱が千切れていく音がする。
「さあ、吐け!!どこの手先だ!?
竹内か?山辰か?立見か?
吐けコラァ!!」
黒川がドスを利かせて迫る。
苦痛に耐える龍二。
しかし、この状況は龍二がわざと作ったシチュエーション。
「おい…なんじゃそりゃ?」
黒川の視界にはどこから出したかわからない弓を構えた龍二の姿があった。
相手の動きを止め、両手を使わせてガードをさせない。
そして自分は両手が使えてハントを構える時間ができる。
このすべての条件をクリアするには、あえて捕まり拘束されることが必要である。
それを右足を犠牲にして最高の攻撃シチュエーションを作り上げたのだ。
(黒川ぁーー!!死ねこのやろう!!)
龍二は最大の生命力を込めて矢を放った。
その瞬間、黒川は体をひねって矢先の視角から回避を試みる。
龍二の放った矢は光速で黒川の右頬をえぐり壁に刺さった。その矢先には耳が突き刺さっている。
(クッ!?外れただと!?)
龍二は顔の右半分をえぐられた黒川を見ながら落胆の表情になる。
生命力を最大限注ぎ眉間を狙ったハントが外れたのだ。
手から弓が消え、壁に刺さった矢も姿を消して黒川の耳が地面に落ちる。
「貴様…ただの人間じゃねぇな…」
黒川が大量の血を吹きながら、それでも鋭い眼光を龍二に浴びせる。
最後の技を交わされた龍二は、全身の力が抜けていく感覚と混濁する意識を認識し始めていた。




