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反撃の屍人-9
『アニキ!!事務所には待機の若衆3人と幹部2人。加藤は不在で黒川はいるニャ!!』
ジョージが興奮している。
龍二は紅蘭との会話で自分の甘さを思い知った。
遠回しに抗争を煽っていたこれまでの行動に自分らしさを失っていることに気づいた。
元々、猪突猛進な性格の龍二。
この榊原翼の体になってから小細工に頭をフル回転させていた。
しかしそんな悠長な事態ではないことを再確認させられた。
抗争を煽るのではなく、激化させなければならない。
そのためにはトップの組を潰すことが起爆剤になるに違いない。
そう思った龍二は因縁ある黒川の加藤組の事務所の前に仁王立ちしていた。
黒のロングパーカーのフードを深く被り、黒のマスクを装着し、右手にはジョージにパクらせたサバイバルナイフを握っていた。
『アニキ、暴れてやろうニャ!!』
ジョージの気合が入る。
(ハントはリスクが高い。ある程度このナイフで戦えれば…。)
龍二は、榊原翼の体でどこまで戦えるか不安もあったが、心意気がこの場に立たせていた。
『ジョージ、覚悟はいいか?皆殺しにしてやるぞ!!』
決意のこもった呼びかけに、
「ニャーーーーーーーーーー!!」
とジョージが叫ぶ。
その声を聴いた龍二は加藤組の入口へと一歩を踏み出した。




