反撃の屍人-6
とにかく喋り続ける紅蘭の姿を見ながら、龍二は竹内の人脈の深さを改めて感服する。
目の前の紅蘭は年齢より幼く感じるが構成員ではない彼女も竹内の配下として働いている。
そして竹内亡き今もその任務を遂行し続けている。
紅蘭は16の時から渋谷を拠点としたキャッチのバイトをしていた。
その幼くも艶っぽい容姿に、ワンチャンを狙ったバカ男がヤクザの仕切る店へと誘導される。
しかし、人生は甘くない。
拠点を固定しすぎた紅蘭は、17の時に以前に嵌めた男に暴行を受けた。
顔が売れすぎた紅蘭は池袋に拠点を移したが、思うように稼げない。
しかし歌舞伎町に踏み込む伝手もない。
路頭に迷っていた紅蘭のもとに女が声をかける。
妖艶でいて不思議な雰囲気を醸し出すその女は紅蘭を誘いファミレスで飯を食わせてくれた。
「あなた、苦労しているわね。」
女の言葉に紅蘭は感情が溢れた。
その一言はけっしてキャッチで稼いでいた最低な自分を責めるわけでもなく、15で親に捨てられて一人で生きていかなくてはならない葛藤や苦悩を包み込む優しさにハグされているようなものであった。
すべてを見透かしたようなその女の瞳は、紅蘭の存在すべてを吸い込む大きな力を発していた。
「私のところにきなさい。悪いようにはしないわ。」
その女の言葉に頷くしかない紅蘭。
優と紅蘭の出会いはこんな始まりであった。




