反撃の屍人-4
【目が覚めたらこうなってた。】
龍二は優に黒川に殺され目覚めてからのいきさつを話し始めた。
「なるほどね。やっぱりそういうことだったのね。」
優の理解があまりにもあっさりしすぎて龍二は逆に戸惑う。
普通の感覚ならばこんな状況を受け入れることなど難しいはずなのだが、当事者である龍二よりも簡単に受け入れてしまう優の感性に驚いていた。
「で、リュウさん?
あなたが今しようとしていることは何なの?」
真っすぐな目線で龍二を見つめる優。
その視線に龍二はすべてを打ち明ける覚悟を決めた。
竹内を失ったという同じ感傷を共有した同士である。
この女は裏切らないという確信が生まれた。
【山崎の首を獲ってオヤジの仇をとる】
龍二の決意の込めたメッセージに優は、
「私にできることは?」
と迷いなく問い返す。
龍二は少しの思案のあと、
「茉莉のことは知っているか?」
と聞いた。
もちろん優は、茉莉と龍二の関係も知っているし面識もある。
ここでの知っているかとは、茉莉の裏の顔を知っていたのかということだ。
「茉莉ちゃんのことを詳しく話すわ。今まで知っていたけど竹内から口止めされていたの。」
優の言葉に緊張感が高ぶる。
「茉莉ちゃんは、山崎組の裏のシノギを取り仕切る番頭なの。
山崎一派が極東一家を離反した後も利用されてる。
むしろ逃げ出せない状況ね。
こんな状況だから私が動いて茉莉ちゃんを助けることもできない。
リュウさん、まだ茉莉ちゃんを愛しているなら彼女を救う手段がある。」
優は龍二の目を見て答えを迫る。
【もちろんだ。教えてくれ。茉莉を救う方法を。】
龍二の迷いのない眼差しに優は笑顔を見せ、
「さすがリュウさん。あなたが死んだとき茉莉ちゃんは本当に絶望の中にいたわ。彼女もあなたを愛しているから。」
と優しく言う。
それを聞いた龍二は、
(茉莉…。)
再び茉莉への愛情が溢れだす。
「リュウさん。あなたには二つの成すべきことがある。
ひとつは茉莉ちゃんの救出。
そして竹内の仇討ち。
そのサポートを私がやるわ。」
優は膝の上のジョージを撫でながら、その顔は決意が現れていた。
【優さん。教えてくれ。どうしたら茉莉を救える?】
龍二の問いに、
「茉莉ちゃんの店に私の息のかかった女の子を潜らせている。
その子を経由して茉莉ちゃんと連絡を取っているの。
まずその子に会って詳しい状況の説明を受けて。
そしてどうやって彼女を救うか考えましょう。」
と優が提案する。
龍二は深く頷いて茉莉を救う具体的な行動を起こす決意を固めた。




