反撃の屍人-3
「私の父親は久宝会の幹部、東組の組長だったの。
極東一家が九州に侵攻した時期があるでしょう?
まだリュウさんが刑務所にいた時期。
その先発隊が竹内組だったの。」
優の独白をただ聞くしかない龍二。
「当時、九州を牛耳っていた久宝会で先頭で竹内を受けて立ったのが私のお父さん。
結果、小倉の事務所を占領されて、極東一家の九州拠点にされた。
その時に私は竹内に見つけられ飼われ始めたの。」
あまりにも衝撃的な告白に戸惑う龍二。
「最初は親の仇だから恨んで、殺してやろうと思っていたわ。
でもね。あの人…優しいのよ。
親を殺した負い目があったのかもしれないけど、私に対して過剰なまでに気を使ってくれた。
まあ、恨みは消えなかったけどもともとヤクザやってるお父さんのことは嫌いだったから、次第に竹内との会話も増えてきちゃって。
そして、身寄りもなかった私を東京に連れてきて、面倒を見てくれたの。」
龍二はもう思考がパンクしていた。
そんな過去があったなどもちろん竹内から聞いていなかったし、想像すらしていなかった。
だが、それと優の霊的な能力は繋がらない。
「ある時、死んだお父さんが私の前に現れて、なぜ竹内に仇を討たないんだと攻め立てられたの。
凄く怖かった。
でもその日を境に、なぜだか人間の本質が見えてしまう感覚が生まれた。
それを竹内にも進言していたのよ。
だから竹内は付き合う相手を選ぶようになった。
そして、確固たる人脈を手に入れて極東一家のトップに君臨した。
ていうのが私の生い立ちと自慢よ、ふふふ。」
ニコリと笑う優の表情に恐怖を感じる龍二。
「さあ、私はすべてをさらけ出したわ。
次はリュウさんの番よ。」
優のまっすぐな視線に龍二は戸惑いながら自分を語る決意を固めた。




