反撃の屍人-2
緊迫したアジトの空気。
「どうしたの?あの氷室龍二がこんな女に怯えるなんて。」
優が笑みを見せながら龍二をまっすぐに見つめる。
(くそッ!!どうすりゃいいんだ!?)
龍二は葛藤の中にいた。
このままシラを切り通すのか、素性を打ち明けるのか。
『アニキには味方が必要だニャ。この人は力になってくれると思ったから連れてきたんだニャ。』
ジョージの言葉がさらに龍二の心を揺さぶる。
「とりあえず座ったら?」
優の言葉に素直に従う龍二。
思考がキャパを超えて、それについていけない体が勝手に動いてしまった。
歯がゆい自分の態度に龍二は対峙する決意を固めた。
【あんたは何者だ?】
ノートに殴り書きして優に見せる。
再び鼻で軽く笑って優が言う。
「まず自分が氷室龍二だと認めたら?」
笑顔の表情とは裏腹に強い眼差しで龍二に迫る。
少し、そして深く考えた龍二は、
【そうだ】
と素性を明かした。
「やっぱり…。帰ってきてくれたのね…。リュウさん。」
目じりが緩む優。それは安堵の表情である。
【優さんはなんでこの姿の俺が分かったんだ?】
龍二の問いに、
「リュウさんも私が竹内の愛人だと思っているでしょう?
もちろん竹内がそうやって私のことを紹介していたから仕方ないんだけど、私は竹内とは体の関係もなければ愛人なんて大層なもんでもないのよ。」
優が笑いながら答える。
(は?どういうことだ!?)
戸惑う龍二。
そんな龍二の表情を見透かしたように、
「私は13の時に、竹内に拾われたの。」
と追い打ちをかけて龍二を困惑させる。
これまでの付き合いの中で初めて聞く優の言葉に龍二は、
【どういうことだ?】
と無機質な文章を書くのが精一杯であった。
完全に龍二が劣勢の状況。
「私の親は竹内に殺されたのよ。」
とどめのハードパンチに龍二はノックアウト寸前であった。




