彷徨う亡霊-16
ジョージは優をアジトの前まで連れてきた。
そして、
「ニャー…」
と静かに鳴く。
「ここなのね。ありがとう、猫ちゃん。」
優はニコッと笑って崩れかけた入り口をくぐった。
(アニキ…に怒られるニャ…。)
そんな後ろめたさを持ちながらジョージも後に続いた。
ゆっくりと階段を上る優は3階のアジトへと迷わず進み、扉を開ける。
だが誰もいない。
そのままソファーに向かいそっと座る。
「猫ちゃんおいで。」
優はジョージを膝を叩いて招く。
誘われるようにジョージはソファーに飛び上がり優の膝に丸く収まった。
(なんでなんだニャ…この女には逆らえない…。
むしろ心地いい響きが伝わってくるニャ。)
まるで悠亜に甘えるように心が穏やかになる優の温もりにジョージはヤクザではなく猫としての本能が勝ち離れられなくなっていた。
そして扉が開き、髪を濡らした龍二が入り口で戸惑いの表情を浮かべていた。
「リュウさん、おかえりなさい。」
優は少し声を震わせながら言う。
龍二は優の膝の上でくつろぐジョージを睨む。
『おい!!ジョージ!!てめぇどういうつもりだ!?』
脳間コンタクトでジョージを怒鳴る。
反応しないジョージ。
いや、怖くて龍二を見れないのがジョージの現実である。
「そんなに怒らないで。」
優が龍二に優しく諫める。
(くっ…やっぱり見透かしてやがる…!!)
改めて優の超感覚に驚く。
『アニキ…、この人はすべてを理解しているニャ。』
ボソッとジョージが言う。
「さあ、お話ししましょう、リュウさん。
あなたがこの世に戻ってきたその意味を教えて。」
落ち着き払った優の振る舞いに龍二は恐怖を感じていた。




