彷徨う亡霊-14
龍二は朝になっても戻らないジョージに呆れていた。
(家で悠亜に甘えているんだろう。)
そんな龍二はジョージが捕らわれていることは知る由もない。
そのころジョージは優から朝飯をもらい、たった一晩で飼いならされた自分に悪態をつく。
(まさか四代目の嫁とは…、ていうか俺の心を本当に読んでるような対応…。この女はただ者じゃない…。それにハマっていく俺はいったいなんなんだ!?)
優の心を読む能力に抗えない自分を責める。
だがこれはしかたがない。
霊感に優れ、本物のスピリチュアリーを持つ優にジョージはマインドで勝つことは不可能である。
だがジョージにも思考の時間ができていた。
龍二がひとりですべての復讐を成し遂げるのは不可能である。
龍二はやる気満々だが、ジョージは現役の頃の龍二ならあり得る話だが、榊原翼の体でいる現状では限界があると客観的に分析していた。
大きな組織が相手である。
(本当にこの女はアニキの味方なのか…?)
ジョージは不安に思いながらも、龍二を寵愛していた四代目の妻という事実を重く受け止めていた。
龍二に一番必要なのは協力者である。
残念ながら自分がやれることは限られている。
だって猫だから。
最近じゃ、野良のメス猫に発情してしまう。
思考は人間時代を引きずってはいるが完全に生態が猫なのだ。
ジョージは決断を迫られていた。
おそらく優をアジトに連れていったら龍二にめちゃくちゃ怒られるだろう。
しかし、四代目の仇を討つにはこの女の協力が必要だ。
腹を決めたジョージは、女に「ニャン!」と鳴いて龍二のもとへと誘導を開始した。




