彷徨う亡霊-12
ジョージも榊原家を出て、アジトへと戻っていた。
繁華街の野良猫たちを威嚇してイキり倒しながら帰路を急いでいたら、ひとりの女が行く手を塞ぐ。
「あら、かわいい猫ちゃん。」
そういうと女はジョージを抱き上げる。
(いい女だニャ…。)
素直に抱かれるジョージ。
だがその優しい女の力がいきなり強くなる。
「組の周りをうろうろして何を探っているのかな?」
女の目が鋭くなる。
ジョージは危険を感じ、とっさに逃げようとするが女の完璧なブロックにより身動きが取れない。
一瞬ジョージは大きく口を開き女の手に噛みつこうとしたが、
(女には手は出せねぇ…。)
と諦める。
「いい子ちゃんね。でも…悪い子ちゃんかな?」
女の言葉と同時に、数人の男たちがジョージを女の手から受け取りケージに押し込む。
(アニキすまねぇ。ヘタこいちまった…。)
観念したジョージはケージを覗き込む女の顔を凝視していた。
「猫ちゃん、私はね…、あなたが考えていることがわかるのよ。」
女の目は繁華街のネオンに照らされ燃えるような真っ赤なそれを放っていた。
(冷静になれ…!!状況を把握して打開するんだニャ!!)
ジョージはケージの隙間から周りを見渡す。
(竹内組の若衆!?)
女の取り巻き達はジョージも見慣れた竹内組の構成員たち。
「さあ、案内して猫ちゃん。リュウさんのところに。」
女の言葉にジョージの毛は逆立ち恐怖のあまり足が震えていた。




