彷徨う亡霊-2
「つーばーさーくーん!!」
龍二は悠亜の大きな声で目を覚ます。
一水会の3人を殺害してから丸二日間も眠りについていた。
奥田組若頭の頭に渾身の一発を放ち、続けざまに隣にいたひとりにも同様の一発。逃げる最後のひとりを背後から後頭部に一発。
計3発の矢を放った龍二は、その直後に体中の力が抜けてその場に片膝をついた。
なんとか最後の力を振り絞りその場から離脱できたが、アジトにたどり着いたころには意識は薄れ、そのままソファーに倒れ込んだ。
『アニキ!!やっと目を覚ましたニャ!!死んじまったかと思って心配したニャ…。』
ジョージが傍らで安堵の声を出している。
龍二は、DGの言葉を思い出した。
ハントは、
「生命力を使って発動する能力」
であるということ。
たった3発ではあったが、龍二は最大の力でハントを使った。
そして、そのたった3発によって体に異変が起こったのだ。
何度か試し撃ちした時は、異常は起こらなかった。
DGの話を聞いた時には、生命力という言葉に疑問すら持たなかったが、こんな状況になり改めて思うと非常に怖くなる。
なぜなら、ハントを使った反動が、
「この程度の事なのか?」
もしくは
「この程度で済んでよかったのか?」
がわからないからだ。
だが龍二は直感で、後者であると確信していた。
では生命力とはいったい何か?
試し撃ちの時には弓矢は光らなかった。
しかし、いざ人に向けて弓を構えた時には不気味な輝きを見せた。
(なるほど。そういうことか。)
龍二は異なる状況下での感情と感覚を思い出し、DGの言った生命力の意味を知った。
人の命を奪うという極限の精神状態から発生する怒りや興奮やストレス。
その人間が発するエネルギーこそ、DGが言う生命力である。
そして放出されるその大きな生命力が、龍二のエネルギーとして弓矢へと吸収されていく。
所詮、試し撃ち程度の精神的なエネルギーなど消費される生命力に影響はない。
そしてその生命力が弓矢に大きな破壊力を与えて、高速の矢で人間の頭に風穴を開ける兵器となるのだ。
大きな生命力を放出した龍二は、言うまでもなくエネルギー切れを起こしてしまい深いダメージを負う結果となったのだ。
(使える武器ではあるが…厄介なもん授けてくれたぜ、DGさんよぉ…。)
龍二は大きくため息を吐いた。




