漆黒の暗殺者-11
【アイツらだニャ!!】
雑居ビルから柄の悪い男が三人、上機嫌で出てくる。
龍二はその中の一人に見覚えがあった。
(あれはたしか…、山崎の傘下で奥田って組の若頭じゃなかったか?
ああ、間違いねぇ。山崎の腰巾着って言われてたケチな組だったから、よく覚えてるぜ。)
龍二はフードをさらに深く被り、三人の前に立った。
「なんだぁ?兄ちゃん、邪魔じゃボケェ!」
酔った口調で一人が怒号を吐く。
龍二は榊原翼に問いかける。
(いいんだな、榊原翼?お前の体で人を殺すぞ。
お前が望んだことだ。あとで恨み言は聞かねえぞ。)
大きな呼吸を一つして左手を伸ばす。
(ハント。)
龍二の拳に大きな弓が装備された。
黒く光る気味の悪い光沢に鮮やかな流線型のフォルム。
男たちは突然現れた弓に、まるで手品でも見せられているかのように目を丸くして見ている。
そして同時に腰に現れた矢の束から一本を抜くと、まるで蛍光灯のように白い光を発光させた。
そのまま矢尻を、弓にかかる青く光るワイヤーに掛け、矢先が平行になるように左手の指で固定する。
「シャーーーーーーーーーーー!!」
隣でジョージが威嚇を始めた。
奥田組若頭がようやく事態にに気づく。
「こいつは殺し屋だ!!」
龍二は、その言葉を聞きながらゆっくり弓を引く。
そしてめいっぱい引ききったところで静止した。
「このガキがぁ!!一家の回しもんかっ!?」
同じく事態に気づいたもう一人が龍二に言う。
(不思議なもんだ。弓なんて触ったこともないのに体が勝手に動きやがる。)
この能力を手に入れた日から、何度も試した。
そのすべてが狙った場所に、確実に…当たる。
(さあ、狩りの始まりだ…!!)
龍二が右手を離した瞬間、光の矢は奥田組若頭の眉間をまさに光速で貫通した。
後方に抜けた矢はコンクリートの電信柱に突き刺さる。
奥田組若頭の眉間から血がしたたり落ちる。そしてどくどくと血があふれ出る。
「え?」
奥田組若頭は頭を貫かれているにも関わらず、意識を保っていた。
だが次の瞬間、白目をむきながら前方に垂直で倒れ絶命した。




