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漆黒の暗殺者-9
龍二はごねる悠亜を駅まで送り、アジトに戻る最中ジョージが必死に追いかけてくる。
『ジョージ…てめぇ…!!』
怒りがこみ上げる龍二に、
『アニキ!!』
と焦った声を龍二の頭に響かせる。
『なんだ!?どうした?』
龍二がジョージの様子を察して抱き上げる。
『花街通りに俺を殺した奴がいたニャ!!
アニキ!!仇をとってくれニャ!!』
必死に懇願するジョージの震える体をギュッと抱き、
『ジョージ!!案内しろ、俺がぶっ殺してやる!!』
と言ってジョージを離す。
するとジョージは龍二を誘導するかのように走り出す。
それを追いかける龍二。
繁華街を抜けた歓楽エリアに着いたとき、
『あのガールズバーに3人入っていったニャ!!』
と飲み屋が入る雑居ビルの前でジョージが興奮している。
龍二はジョージを少し落ち着かせて、少し離れた場所に身を隠した。
その時、龍二は自分がオタクパーカーを着ていることに気づく。
そのフードを深く被る。
そしてターゲットが現れるのを待つ。
『アニキ…!!』
ジョージが怒りと不安が混じった声を出す。
『心配すんな。俺を誰だと思ってんだ?
極東一家の四代目、竹内久正から親子の盃をもらった殺し屋だぞ?
必ずお前の仇を仕留めてやる。』
そう力強く言い切る龍二の目は、榊原翼のそれではなく、組織の最前線で戦ってきた氷室龍二のそれであった。




