漆黒の暗殺者-7
同時刻。
一水会本部事務所。
会長の山崎と副会長の加藤を筆頭に、幹部が顔を揃えている。
「一家の末端はどれだけ潰しなんだ?」
山崎が幹部たちに問う。
「おい、ワレらぁ。どうなっとんじゃ!!」
加藤がそれに追随して恫喝入れる。
緊迫した空気の中、元極東一家の二次団体であった奥田組組長の奥田が口を開く。
「伊賀の舎弟頭はうちで処分しました。
矢部という生意気な小僧だったんですが、あの氷室の兄弟分だった男です。
直参の兵隊をうちは集中して狙っています。」
奥田の言葉に、
「永瀬らはどうした?」
と山崎が目線を変えて設楽組の設楽組長に聞く。
「はい。永瀬と小泉は会津組のところで預かってもらっています。」
と答える。
竹内と中川を暗殺した永瀬と小泉という構成員のことである。
「はよ始末せんかコラァ!!」
加藤が怒鳴る。
「そりゃ、ないでしょう!?命かけて相手の頭を取った二人ですよ?
誠意を見せたらんと他のもんに示しがつかんですよ!!」
設楽が唾を飛ばして反論する。
「おい、木下。会津までいってこいや。」
山崎が背後を警護する木下に後片づけの指示を送る。
無言で出口に向かう木下。
「会長!?話と違うじゃないですか!?」
設楽が木下の行く手を阻みながら叫ぶ。
その態度に加藤が激怒を吐く。
「あんなもんいつまでも置いといたら、会津にも迷惑かかるやろうがァ!!
一家も永瀬を探しとる。ワレも腹くくらんかい!!
うちの黒川も氷室を殺してリスクしょっとるんじゃ!!
竹内の剛とも殺り合わないかん。
永瀬や小泉みたいな下っ端ははよ切り捨てい!!
うちら一水会は精鋭で一家から主権を取り戻すんじゃ!!
わかっとんのかワレ、ボケが!!」
興奮する加藤を諫めて山崎が、
「これからが本番だぞ。
一家には竹内や山辰の荒くれもんがまだたくさんおる。
伊賀のオジキがコソコソ動いとるようだ。傘下の組をちゃんと締め付け取らな油断しとったら兵隊取られてしまうぞ。
先手必勝だ。攻撃の手を緩めるな。いいな?」
と演説のような口調で言い放つ。
その言葉に設楽は木下に道を譲った。




