漆黒の暗殺者-3
「北町のモモコって店があるのを知っているかい?」
DGが問う。
(モモコって、あのアイドルのオタクショップのことか?
たしか茉莉も韓国のグループにハマっててよく聞いた名の店だ。)
頷く龍二に、
「あの店は翼の行きつけの店でね。
唯一、翼が羽目を外して自分らしく過ごせる場所だったんだ。
あそこには友達だっていたんだよ。
しかしあの日、予約していたどすこい娘のグッズを取りに行ったんだが、店の様子が違っていた。店主の朝鮮人が見当たらない。
翼は店主と仲が良くてね。
だから、思わずバックヤードにまで入ってしまった。」
DGが軽い笑みを浮かべながら話しを進める。
龍二は嫌な予感を感じた。
「あの店はね、表向きはアイドルショップだが実は朝鮮半島から贈られてくる【薬】の取引場所なんだよ。
その現場を翼は見てしまった。
怖くて逃げだそうとしたが…あとはご存じの通りだよ。」
DGの言葉に、
(そこには誰がいた?)
と問い返す。
DGは視線を龍二に向け、
「山崎組の連中と…あなたの恋人だよ。」
と低い声で答えた。
この言葉に龍二は疑念が生まれた。
(茉莉が?なぜ?)
「あなたの恋人は薬の取引の仲介人だった。
知らなかっただろう?あなたの恋人が密売組織を仕切っていたボスだったことなんて。」
疑念が絶望に変わる。
「のんきな人だな氷室さん。5年も一緒にいて恋人の本質を見抜けなかったんだから。
それともよほどの自信家かな?
自分のテクニックだけで恋人を満足させていたとでも?
クレイモアって聞いたことあるだろう?
中東あたりで作られてる錠剤で、服用してもよし、そのまま【下の穴】から直接入れても効果抜群のエクスタシー系の薬だよ。そりゃもう人格が変わるほどの効果でどんな生意気な女でも、一錠入れただけでトロトロになっちまうって代物さ。
あなたの恋人もそうだっただろう?」
DGは鼻で笑いながら龍二を追い詰めていた。




