絶望の放浪者-3
龍二は制服を脱ぎ去り、榊原翼のパソコンを開く。
「翼くん、学校行かないのぉ?」
悠亜の言葉も耳に入らない。
今わかっている情報をとにかく集める。
一水会の仕業なのは間違いない。
だがなんでもいいからそれ以上の何かが欲しい。
そうしなければ自分を保っていられないのだ。
(このマンション…。優さんのマンションじゃないか!?)
竹内が撃たれたマンションをネットで検索して龍二は落胆の表情になる。
東 優は竹内とは内縁関係にある事実上の妻である。
まだ30歳と若いが姉御肌でいて極道者を相手にしても臆することなく、竹内の子は皆平等に接してくれる優しく慈愛の女性である。
若衆は姐さんと呼んでリスペクトもしている。
『アニキ…。』
心配そうにジョージがつぶやく。
(待ち伏せされてたってことか…。)
しばらく思案のしぐさを見せた龍二は、
『ジョージ。お前は竹内組の様子を見てこい。
剛のアニキは必ず報復に動く。なんでもいいから動きがあったら俺にすぐ知らせろ。いいな?』
と指示を出す。
ジョージの姿なら警戒されずに内情を探れるだろう。
『アニキはどうするんだニャ?』
ジョージの問いに、
『俺は確かめなきゃならないことがある。
とにかく俺とお前で今やれることをやるんだ!行け!』
と龍二はジョージを急かした。
追い立てられるようにジョージは窓から出ていく。
それを確認して、龍二はポケットに単一電池を入れて家を出た。




