絶望の放浪者-2
龍二は通学の身支度を整え、ダイニングへと降りた。
テーブルには美佐子の作った朝食が並べられている。
すでに悠亜は食パンを大きな口で頬張っていた。
カリカリと音を立てて餌を食べるジョージを一瞥してテーブルに着くと、美佐子がテレビのリモコンを持ちスイッチを入れる。
すると速報と断り、女性キャスターがニュースを読む。
『昨夜10時半ごろ、都内のマンションにて極東一家四代目組長の竹内久正さんと若頭の中川勝美さんが何者かに射殺されました。
警察は、現在抗争中の一水会との関係を調べています。』
まるで時間が止まったかのような感覚に龍二はいた。
「ニャーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!! 」
ジョージが激しい叫びを発する。
龍二は立ち上がりテレビに近づく。
これが現実なのかすら判断できない。
『アニキ!!四代目と中川のカシラが殺られちまったニャ!』
弱弱しい声を龍二の頭の中で響かせるジョージ。
(嘘だろ…?)
龍二はテレビのリモコンを美佐子から奪い取り、様々なチャンネルに合わせる。
そして、それが事実であるとの結末に至る。
「怖いわね。そんなに遠くないところだから気を付けないとね。
あら?翼、どうしたの?」
美佐子が不思議そうな顔で龍二の背中に問いかける。
膝から崩れ落ちる龍二。
傍らではジョージがニャアニャア泣いて龍二にすがる。
(オヤジ…!!オヤジーーーーーーー!!)
豪快に泣き出す龍二の姿に美佐子と悠亜は驚き駆け寄る。
(山崎…!!絶対に許さんぞぉ…!!)
龍二の心に真っ赤な復讐の炎が燃え出した。




