深淵の追跡者-10
「くっ!じ、ジロー!行け!」
チンピラがタローの敗北に苦渋の表情を浮かべながらもう一人の男に指示をする。
身長はそんなに高くないが、ガタイがゴリラのようなマッチョボディー。
丸太のような太い腕を大きく広げ一気に間合いを詰める。
そしてその腕でラリアートのような打撃で龍二にぶつける。
両手でそれをガードするが、その勢いで龍二は吹き飛ばされ壁に激突。
背中に痛みが走る。
(痛てえじゃねえか、このやろう…!!)
龍二は片膝ついた態勢でジローを睨む。
さらに間髪入れず次の攻撃に入り迫るジローを左によけ、後方にポジションを変え背中に飛び乗る。
そしてジローの首に腕を絡めせ締めに入る。
チョークスリーパー。
細い腕ほどよく締まる。
苦しくてもがくジローは必死に龍二を引き離そうとするが、ぴったり密着された龍二の体は剥がせない。
さらに龍二は両足をジローの胴に巻き付け、強く絞める。
口呼吸と腹式呼吸の両方を封じられたジローは倒れた。
それでもなんとか態勢を変えてもがくジローに、龍二はとどめを刺す
仰向けで絞められるジローを背中から首と胴を固めている状態で、態勢を前のめりに変えて絞めた首を手前に引く。
絞められた首に、さらに角度をつけることにより一気に落ちる。
グタッとしたジローは泡を吹いて気絶している。
立ちあがった龍二は、チンピラの前に仁王立ちして睨み威嚇を始めた。




