表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【20万PV達成❤️】ドラゴンウイング  作者: 泉水遊馬
猫の恩返し
100/121

猫の恩返し-6

龍二の病室(個室)で、

「ま、こんな感じね。氷室さんが加藤組で暴れたのが効いたみたいね。」

と、九蘭くらんが現在の抗争状況を説明する。


(立見のオジキが撃たれただと!?)

数日で大きく事態が動いたことに驚く。

傍らには学校帰りの悠亜ゆあとそのかばんからジョージが顔をちょこんと出している。

悠亜ゆあは明らかに九蘭くらんに対して疑念を持った眼差しである。

それを察した紅蘭が、

「なんか、ずっと睨まれてるんだけどなんで?」

と龍二に聞く。

「私は翼くんのを愛してます!!

あなたはなんなんですか!?」

悠亜が詰め寄る。

(違うんだ!いや、こっちも違うし…、ジョージ、とりあえず悠亜を黙らせろ!)

龍二が困惑しながら助けを求める。

挿絵(By みてみん)

それを理解したジョージは、カバンからすっと出て廊下に出る。

病院に猫を持ち込むなど、見つかれば今後の面会に支障がでる。

悠亜はあわててジョージをつかまえに廊下に向かった。

「あの、氷室さんに惚れてるのね。」

紅蘭が笑顔で言う。

龍二は、

【話を続けろ】

と、紅蘭を促す。

「山崎組の連中が店で喋ってたけど、組長の山崎は一水会の会長に専念するとかで、若頭の木下が跡を継ぐんだって。

もうすでに山崎組のシノギは木下が仕切ってるから自然な流れと言えばそうなるよね。これどういう意味かわかる?」

紅蘭くらんが龍二に問いかける。

【一水会の幹部になって、より警護が厳しくなる】

龍二の答えに、

「そう。それに木下が本格的に実権を握ったら、ますますママ(茉莉)への要求が酷くなるに決まってる。本当に時間がないの。

氷室さん…あなたこんなところで寝てる場合じゃないのよ!!」

紅蘭くらんが感情的に龍二に訴える。

何も答えられない龍二。

紅蘭くらんは席を立ち、

「この後、面会にくる人がいるから。ちゃんと現実を知ってください。

あ、廊下の子…悠亜ちゃんだっけ?ちょっとお話しして和解の必要がありそうね。甘いものでも誘って誤解を解いとくから。」

軽く頭を下げて部屋を出た。

龍二の頭の中で様々な想いがグルグル回る。

まず黒川との戦いで深手を負いすぎたこと。

ハントを温存したがために顔面に攻撃を何発も喰らい視界を制限されてしまい、ハントを外すという失態を招いた。

もちろんハントの弱点を理解したという点で言えば悪い失敗ではないが、その代償が大きすぎて今こうして病院のベッドで身動きが取れない体になってしまった。

ハントとは腕で撃つものではなく目で撃つ技である。

木下との戦いでは出し惜しみせず最初に放つ。

そう決意する。

ただその木下を殺すためにこの体をある程度回復させなければならない。

しかし、ある程度の回復を待つなどと悠長なことは言ってられない状況にある。

どこかで腹を決めて立ち向かわねばチャンスすら失いかねない。

茉莉まり…。)

早く救い出さなければならない。焦る気持ち。動かない体。

こんなにも自分を責めたことはない。黒川との戦いはそれぐらいの失策であったと後悔する。

そんな苦渋を舐める自分に嫌悪していた龍二の部屋をノックが聞こえる。

扉が開き入ってきたのは、茉莉まりであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ