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約束された未来

「で、結局ねねかはどう変わりたいの?」

足音と銃声と、回復音が聞こえてくる中、ゆうゆうと話しかけてくる。ダウンして暇だからって話しかけてこないでよ。こっちは今、あなたの昇格のために全神経使ってプレイしてるのよ。3年前の私なら言ったであろう言葉を飲み込み話し始める。

「私は、このまま透との繋がりしかないのが嫌だから友達が欲しいの。」

「でも作れないじゃん。」

うぐっ、これが言葉の暴力。胸が痛い。

「でっ、でも私だって努力したんだよ。新しいゲームはいつもその日にクリアして、攻略法を教えられるようにしてるし、宿題だって、すぐ教えられるよう前日にイメトレしてるし!」

「それオレ以外にしたことある?」

グサッ、、血でも出てきたのではないだろうか。自分の醜さが辛い。

「わ…私もそれでいいと思ってたんだよ。でも高校生になったんだよ。女子高校生。jkだよ、J K ! 友達と帰りにクレープ食べたり、タピオカ飲んだり、プリクラ撮るJKだよ!すぐ帰って、透のランク上げ手伝うなんてJKじゃないよ。」そもそも透に誘われたから初めたゲームなのになんで私の方がランク上なんだろ。ゲーム好きのくせにまったく上手くない。

「透はどうやって友達作ったの?」

私以上にゲームして、勉強してない奴が、私より友達多い意味が分からない。

「んなもん忘れたよ。作ったの3年前だぞ。逆にどうして中1から中3まであったのに友達ができないんだよ。」

いやだって、友達ってかってにできるもんだと思ってたら3年すぎてたんだもん。で、その勝手にできたのが透ってだけで、あれ、なんで透と友達になったんだけってけ。

「そもそも中高一貫の特権として、受験しなくていいのと、友達作りしなくていいのだろ。逆に今さら新しい友達作る方がムリだろ。」

分かってる。そんなこと分かってるけどどうにかしたいの。いっそどこかに転校しようかな。転校生って絶対友達できるイメージあるし。でももう、高校のジャージとか制服買ってるし。

「おいっ、前!前!撃たれてるって!」

「えっ…あっ…」

溶かされた。3人にフォーカス合わせられたら秒でやられる。シールドが割れた音が鳴り終わった時には、すでに箱となってた。

「おい何やってんだよ。ミリマイナスじゃん。」

「うるさいなぁ。そもそも私は、あなたのランク回すの手伝ってて、あと1人野良入れるのが嫌だっていうから2人で、しかも透すぐどっか行って倒されるんだから私、I v 3常にやってるんだよ。」

リザルトを見たらわかる。透は2桁、私は4桁ダメージ。透は0キル、私は8キル。少しは手伝って欲しいな。ま、私はプラスだからいっか。

「えっ…ねねか?…えっ?」

ん?ゴォーっとまがまがしい音が流れてくる。カッコいいエフェクトと共にランクが1つ上がる。それと同時にランク差がありすぎてマッチできません。という注意が出てきた。

「透…私達って一緒にランク始めたよね。私、透と以外やってないよ。いつ溶かしたの?」

ありえない。1人でどこまで溶かしたらこうなるの。

「ねねか…こんなクソゲーやめようぜ。あつ森しよ、あつ森。フレンドリーが1番楽しい…」

声が小さく、高くなってる。息も上がり始めてる。

「分かった。分かったから、深呼吸しよ。だから泣かないで…ね?」

やばい。言葉を、間違えた、、

「…今日はもういい…」

トゥルンと音が鳴り通話が切れた。泣かないではやっぱりダメだよね。とりあえず、明日の宿題やろ。どうせ、明日には写しに来るんだから。でもイメトレはいいかな。可愛いな透は。宿題写さないといけないから話しかけては来るけど、恥ずかしくてあんまり話したくないから教えは求めない。可愛いっ。


昼休み。みんなそれぞれのことをしてる中、次の授業の準備をしにロッカーに行くと後ろから声がした。

「ねねか、宿題写させてー」

来た。いいよ、という前にすでに取ってる。まぁいいんだけどさ、

「透ってこの学校で話したことない子いるの?」ふと疑問に思った。誰にでもフレンドリーな透でも、話したことない子はいるのかな。

「んー、居ないんじゃない。少なからずオレは誰とでも雑談程度はできる関係を築いてると思うよ。この学校50人程度しか居ないんだからさ、知らない人がいる方が難しいよ。」

誰か来た。とっさに透のななめ後ろに下がり外を見る。砂の白さが少し目にくる。高校生になってもこの学年は校庭で休み時間はサッカーをする。他の学年は体育館でバスケとかバレーをするそうだ。まだ4月だというのに今日は夏日で、みんな長袖をめくって遊んでる。パスが通り、ゴール前の1on1の状況ができる。みんなが見守る。右にフェイントをかけ、左に蹴った。その瞬間誰かがスライディングしてボールを横に弾いた。と、同時に歓声が上がる。やった本人は嬉しそうで、キーパーも悔しそうだけど楽しそう。チームの指揮が上がり前に走り出す。

「あの人じゃなかったら、多分空気が凍ってたよ。」

話が終わったみたい。私には意味が分からない。時々透はこういうことを言う。意味を聞いても教えてくれないんだから聞くだけ無駄だ。少し思う。私が毎日、休み時間のたびに話にこなければ透はあそこにいるのかもな。考えるととても気まずい。やっぱり私のせいで、私のせいで透の自由は減ってる。放課後、登校、下校、休み時間、ご飯中、何処でも一緒にいる。そのせいでやれることが減っている。

「ねねか、話ってなに?」

「私、本当に新しい友達作ろうと思ってるけど…いいかな…?」

いつも一緒ってことは、私が離れたら、透は暇になってしまう。透も私以外の一緒にいてくれる人を作らないといけない。窓の外から風が吹いてきた。カーテンが唸ると同時に、机の上のノートがパラパラと音を立てる。この教室には今、私と透しかいない。

「作戦は考えてるの?」

「作戦?」

「そうだよ。今さら新しい友達を作るのは不気味すぎるからね。何かあるのかと思われても仕方ない。なる相手を決めて、調べるのさ。よくする会話、趣味、ハマってること、嫌いなこと、性格。その人がどう言う人間なのかを知り、欲しい言葉を欲しい時に言ってあげる。そうしないと、友達はできないよ…」

透が言うなら間違いない。

「手伝ってくれる…?」

「もちろん。オレは誰とでも話せる、情報収集には完璧なカード。ねねかが、今もっとも必要とする力を持ってる。」

別に1人でもなんとかできるんだけどな。私コミュ障じゃないし。

「作戦名:約束された友達と地位」

読了ありがとうございます!

週間に一回とか言っときながらめちゃサボりました…

来週からテスト期間なのでまた少し空くかもです。今回は文字数が多いですので誤字脱字があったら教えてください。他にも書き方だとか、話の流れだとか、こうした方が良いよ〜って言う意見があったら是非教えてください。さてさて次回はいつになることやら…

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