表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】生まれ変わったのに始まりません!  作者: 紫藤しと
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/135

67.奈津子の話⑤

 六月、生徒会の候補者が公示され、特に反対も他の立候補者もいなかった為選挙もないまま就任が決定した。まあこの国自体、民主主義じゃないしね。


 生徒会会長にはヒイロがなった。元々この男が生徒会をやりたがったらしいので妥当だろう。生徒会役員同士で敬語や身分差を気にすることはやめようと最初に言い出してくれたのは助かった。さすがに私からは言えないし。


 前生徒会役員は例年通り平民の成績がいい者たちの集まりだったので、突然現れた貴族に目を白黒させ逃げるように生徒会室から去ってしまった。引継ぎなんてないに等しかったがヒイロは全てわかっていると言う。もうこういうキャラだと思って私も深く考えないことにした。


 そしてパプルは副会長になった。むらさきのロン毛で女顔なのでチャラく見える。実際も多分チャラい。ヒイロに誘われてなんとなく生徒会に入ったらしい。


 次にブルウはふわっとした金髪碧眼の癒し系イケメンだ。この三人の中では一番普通に見える。パプルと同じくヒイロに誘われて入ったそうだ。生徒会会計に就任。


 ローズも生徒会副会長になった。副会長が二人?とも思ったがまあ突っ込んだら負けかもしれない。私は書記になった。


 生徒会室は思ったより狭く質素だった。壁一面に棚がありぎっしりと書類が詰まっている。それ以外は真ん中に置かれた机と椅子だけだ。資料室とか、簡易会議スペースといった所か。貴族が生徒会役員をやるなんて考えてもなかったんだろう。


「さて、お茶でも飲みながら親睦を深めたいところだけどここはそういった施設がないらしい。カフェテリアに移動しよう。」


 ヒイロの提案にぞろぞろ歩いて移動する。会話は主にローズとヒイロが喋り、他の二人は時折相槌を打つだけだ。私に至っては全くの無言でも問題ないらしい。さすがモブ。


 いつの間にか秋に発表会をやろうという話で盛り上がっていた。音楽関連のクラスは沢山あるのでいいかもしれない。まあ参加するのはほぼ貴族になるだろうが。


「ナツコはどう? なにか披露したいものはある?」


 パプルの声で一斉に4人がこちらを見た。美形の集団に見つめられるとドキドキする。


「私? 私は楽器もできないし楽譜も読めないし・・・合唱にはちょっと興味あったけど。」


 これは本当だ。別に上手くないけど歌うのはわりと好きだ。合唱のクラスも取りたかったが、どうせ貴族ばかりだろうと思って結局芸術系のクラスは一つもとっていない。


「ナツコ、奇麗な声だものね。聞いてみたいな。」


 紫のイケメンに目の前で優しく微笑まれるとうっかり惚れそうになる。私は曖昧に笑って誤魔化した。それにしても奇麗な声とか初めて言われた。嬉しい、私にもCVついてるんだろうか。


「私は劇とかしてみたいなー」


 無邪気なローズの声にあっという間に話題はそちらへ移った。ローズの話を熱心に聞く三人の姿に逆ハーレムの可能性を考える。・・・そうなるとこれはゲームなのか。マルチエンドか。


 どうでもいいことを考えていたらいつの間にかカフェテリアが閉まる時間となって解散となった。

紳士である3人は女子二人を送ってくれるという。ちょっとした目くばせの後、ローズはヒイロの馬車に、私はブルウの馬車に乗ることになった。


 帰りの無言が続く気まずい馬車の中で私は決意した。今後はなるべく生徒会の活動を回避しようと。モブだからいてもいなくてもいい筈だし。


 最初は間近で野次馬をしようと思っていたが、さすがにこれだけ近くにいるとただの野次馬でいることは難しそうだ。これから始まるであろう三角関係、いや四角関係?に巻き込まれたくない。近くで見ると三人ともかっこいいし優しいからね・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ